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第5章 いじめ
25話
しおりを挟むあの後しばらく学校を休んだキヨは、
数日ぶりに登校した。
一番にキヨを迎えたのは、
今までに見たことがないくらい怒った顔をした愛だった。
キヨはそのまま屋上へ続く階段の踊り場に連れていかれた、
土下座をさせられ
蹴られた
従います、逆らいません、ごめんなさい、と
何回も紙に書かされた、
文字を書きすぎて震えが止まらない右手を左手で押さえながら教室に入ると、
「○ね」
変わらずソイツは言った、
「先生にチクったんだって」
「親が電話したらしいよ」
周りから聞こえるヒソヒソ声
キヨを見つめる
咲、依人、春の
心配そうな眼、
前と何も変わらなかった、
あぁ…
そうなのだな、
変わらないのだな
変われないのだな
私はこういう役割なのだろうな
みんなのストレスをぶつけられる人に
選ばれたのだな
私に拒否権は無いのだな
私はこうされるしか無いのだな
こうでしか、
あれないのだな、
キヨは
笑いなのか泣きなのか怒りなのか
自分でもよくわからない表情を浮かべ
みんなからの言葉の暴力を受けながら
静かに席についた。
キヨの小学校生活は
何も変わらないまま終わろうとしていた。
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