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第10章 後輩君の失恋
54話
しおりを挟む「花さんは彼氏いるんでしょ?」
!?
あれ!?
私後輩君に彼氏いるって言ったっけ!?
いやいや言ってない
後輩君だけでなく全員に言ってない。
「え…彼氏なんていないよ」
「気使って嘘つかなくてもいいっすよ、
先輩最近お洒落になってきてるでしょ
彼氏でもできなきゃこんなに変わんないっすよ」
確かに私は最近
美容やファッションに気を使っていた
お肌のお手入れも
毎日の服装決めも
頑張っていた。
でもそれは
彼氏のためじゃなくて
後輩君に…
ちょっとでも綺麗だなって思ってほしかったからなんだよな…
なんてことは死んでも言えない。
「……まぁ…彼氏はいるけど…」
「いいっすねー…リア充
人生薔薇色じゃないっすか」
…人生薔薇色…
どうだろう
私は今、
彼氏君という恋人がいるけど
人生薔薇色だろうか…
幸せだろうか…。
「…彼氏がいたらいたで…
結構大変なんだよ」
彼氏ができた=幸せは約束された
こう思う人が多いけど
実際はどうだろう
彼氏がいるからこそ生まれる悩みもあるはず。
「うまくいってないんすか?」
「………うん」
「……先輩………
ちょっと…話しません?」
「……話すって…何を…」
「僕の悩みを聞いてほしい
花さんの愚痴も聞きますから
ちょっと愚痴大会でもしましょうよ」
あんなに早く帰りたいって言ってたのに
後輩君に誘われ
愚痴大会を開催することになってしまった。
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