浮気されるのを死ぬほど恐れていた私が浮気してしまいました。

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第2章 後輩君との出会い

11話

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「じゃあ後輩君、今日は私と一緒に書類分ける作業やってね」

「OKです!」





今日も私と後輩君、2人で作業


苦手な人だけど
仕事だと思えば割り切れる。



適当で軽い感じがする子だけど
仕事はしっかりやってくれてるし
物覚えもいい

ただ2人で仕事をするだけなら
それほど苦痛ではなかった。










「眠いっすね」










作業開始から数分


書類をてきぱき分けながら後輩君が言った。






ただひたすら書類を分ける作業

動いてるのは手先だけ



確かに眠い。






「うん、確かに眠いね」


「眠気覚ましにしりとりしません??」


「えっ………」





しりとりかぁ……


眠気は覚めるだろうけど


後輩君のノリがなんか苦手だから
あんまり深く関わりたくない


しりとりなんかせずに
さっさと作業を終わらせて
さっさと次の仕事に取りかかりたい


これが私の本音だった。






「嫌だよ、作業に集中できなくなる」


「じゃあなぞなぞ出していいですか?
パンはパンでも食べられないパンはなんだ!」






まだいいよと答えてないのに勝手になぞなぞを出してくる後輩君、



あー……


めんどくさい…


でも仕方ない…
付き合ってやるか。






「フライパン、でしょ」

「正解!
じゃあ次は、人の話をちゃんと聞いてるパンはなんだ!」




……パンばっかりだな。






「耳があるから食パン、でしょ
ていうかなんでそんなメジャーなやつばっかりなの」


「あんまりなぞなぞ知らないんすよ」







……なぞなぞあんまり知らないのか…





じゃあなぞなぞなんか始めるなよ!!!




ほんとに苦手この子


なんていうか
どう会話を進めたらいいか分からない


元々会話が上手な方ではないけど
この子は特にわからない

つっこんでいいのか
スルーすべきか


全く分からない。








「じゃあ次は
お酒は二十歳になってから、
では、車に乗るのは何歳から?」


「えっ…車…?
何歳だっけ……16……じゃなくて…
あっ!!!18歳!!!!」


「ブー!!!
誰も運転するなんて言ってないっすよ!
車乗るだけなら0歳からでも乗れます!」


「……!!はぁーーっ!?
なにそれずるい!」


「ずるくないっすよ!
なぞなぞだもん、18歳が答えだったらただのクイズじゃないですか」


「あーもー!悔しい!
もっと出して!なぞなぞ!」








苦手なはずだったのに




気づけば彼のペースに巻き込まれてる自分がいた。



きっとこの子は周りを巻き込んで盛り上がるのが得意なのだろう。





結局作業が終わるまで
なぞなぞで遊び続けた

途中しりとりもした。





こんなに笑いながら仕事したのはいつぶりだろう。



…いや、仕事なんだから笑ってないで集中しないといけないのはわかってるけど…。






楽しかった




心底そう思えた





この子は悪い子じゃないかもしれない



そりゃまぁ
苦手な部分が消えた訳じゃないけど…
香水のにおいとかね…。





ちょっと可愛いかもしれない。







整理し終えた書類を課長に渡しに行っている
後輩君の後ろ姿を見ながら思った。





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