余命15年

はに

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5話

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『良いことある?』


「うん!あるよ!絶対」





よく分からないが、
死にたい僕がようやく僕の言葉に耳を傾けてくれた、




このチャンスを逃すまいと、僕は必死に止めた。








『じゃあ、見せてよ、良いこと』

「え?」

『僕は今日から暫く眠る
その間にこの人生を幸せな物にして、
生き続けたくなるような良いことを、僕に見せてよ』








暫く眠る?

よく分からないが

明日死ぬことは、なんとか阻止できたのかもしれない。









「わ…分かった、見せるよ、良い未来を、幸せな未来を、
だから明日死ぬなんてやめて」


『分かった、明日死ぬのはやめる、
その代わり、僕を納得させるような良い人生になってなかったら、30で僕は死ぬ、後は任せた』








そう言って、死にたい僕は
僕の方へ近づいてきて

僕の中に入った




そして僕はそのまままた眠りについた。




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