余命15年

４話

『もうすぐ、夏休みが終わるね』


「……確かに…明後日から新学期が始まるけど…」






明日が夏休み最終日だった。








『明日で夏休みは終わる、だから僕は
明日死のうと思う』




「は！？待ってよ！ふざけるな！勝手に決めないでよ！」






勝手に決めるな、そう言ったが、
死ぬと決めたのは紛れもない自分自身だった。










「いじめなんて気にしなくていいよ」



「今までだって耐えられたんだから！」



「何も死ぬことないよ！」






僕は懸命に死にたい僕を引き留めたが、
死にたい僕は聞く耳を持たない。









「この先生きてたら絶対絶対良いことあるよ！」





絶対良いことある、なんて
なんの根拠もないのに、つい口走ってしまった。




死にたい僕はその言葉に反応した。