21 / 40
第二章 人間界
第二十一話 逃げる決意
しおりを挟む状況は何も変わらぬまま、
里菜は高校3年生になった、
菊江と蓮司が必死に働いても
収入は少ないままで、
里菜は大学進学を諦めることになった。
里菜は勉強が好きだった、
大学へ進んで勉強したいとずっと思ってた、
でももうその夢も叶わない、
そんな事をしている場合ではなくなった、
人間を楽しんでいる余裕はない、
里菜は空の世界からのスパイとして、
自分の仕事をこなさなければならない。
「まさかこんなことになるなんて………」
少しでも節約しようと、
破けたソックスを縫いながら里菜は呟いた、
あんなに平和で順調な毎日だったのに
この数年間でガラッと変わってしまった…
これからどうなるのだろう、
自分にあの二人を止めることができるだろうか…、
これからの事を考えると不安に押し潰されそうになる、
なんかもう…やだな…、
疲れてきちゃった。
「…!?…いたっ……!」
その時、首筋に鋭い痛みが走った事に気がついた、
ぼんやりとしていた意識が一気に引き戻された、
更に里菜は衝撃を受けた。
全く自分で考えて動いていない、
全くの無意識、
里菜は鋭い糸切りハサミを、
自分で自分の首に突き刺していた。
傷は浅く、血は少ししか出なかった。
私は何をしているのだろう、
刺して何をしようとした?
死のうとした?
そんなまさか。
信じられない、
でも刃先についてる血が全てを物語っている。
"道連れにさせる可能性もある"
里菜はタケの言葉を思い出した、
このままでは、
自分も二人と一緒に死を選んでしまう、
二人から何か特別な力でも放たれているのだろうか、
二人と一緒にいると、
どんどん頭が死へと死へと引っ張っていく、
踏み切りの真ん中で無意識に立ち止まってしまうこともあった、
このままではまずい、
里菜は高校卒業後、
就職と共に家を出て、
一人暮らしをすることに決めた。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
わがままだって言いたくなる
もちっぱち
キャラ文芸
前作に登場する
【稼げばいいってわけじゃない】の
専業主婦の小松果歩が主役でお届けします。
その後の状況を
物語にしました。
初めての方でも
読みやすくなっているので
ぜひご覧ください。
榊原絵里香の転生後のお話です。
榊原 晃が小松 晃となっています。
それはなぜかは本編を
読んでみてください。
表紙絵 せつむし 様
親切なミザリー
みるみる
恋愛
第一王子アポロの婚約者ミザリーは、「親切なミザリー」としてまわりから慕われていました。
ところが、子爵家令嬢のアリスと偶然出会ってしまったアポロはアリスを好きになってしまい、ミザリーを蔑ろにするようになりました。アポロだけでなく、アポロのまわりの友人達もアリスを慕うようになりました。
ミザリーはアリスに嫉妬し、様々な嫌がらせをアリスにする様になりました。
こうしてミザリーは、いつしか親切なミザリーから悪女ミザリーへと変貌したのでした。
‥ですが、ミザリーの突然の死後、何故か再びミザリーの評価は上がり、「親切なミザリー」として人々に慕われるようになり、ミザリーが死後海に投げ落とされたという崖の上には沢山の花が、毎日絶やされる事なく人々により捧げられ続けるのでした。
※不定期更新です。
HEAVEN'S GIFT
幸介~アルファポリス版~
ファンタジー
人間が悩んだ時……時折神様からの贈り物が、降ってくる。
今NOTE15で投稿済みの話は三話で終わりです。一旦、完結扱いにさせていただきます。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる