紅の薔薇

碧 春海

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 今、この小説をお読みのあなたはマイナンバーカードはお持ちでしょうか。正式名称は、個人番号カードで数字12桁の個人番号が記載された、日本のICカードの身分証明書であり、今現在ではありますが日本の人口の約75%が保有しており、4人集まれば3人が持っていることになっている。また、そのマイナンバーカードと保険証を紐づけている人も、65%にもなっていて、こちらは3人に2人の状態であり政府の方針で、紙の保険証は廃止にすると決まってしまった。
 私は、マイナーカードとマイナー保険証についてのメリットとデメリットを、市役所やコールセンターに問い合わせたのだが、明確な返答は貰えないばかりかカードの取得はお客様の意思ですので、お気に召さなければ取得の申請をされなければとの返答でした。使用しなくても、4兆円もの税金を使用して始めた国の事業なのに、最終的に個人の責任へ転換するとは酷い話である。
 そんなマイナーカードの不満を、同じように感じていた今回の主人公である『朝比奈優作』が、名古屋市内の繁華街にあるカフェバーの『ゼア・イズ』で時々政治経済についてのコラムとして特集記事を載せてもらっている、大学時代の先輩である大学館の名古屋支店政治経済部の編集長である足立一郎へ苦言を呈していたところ、それ程の知識があればマイナ保険証に関与する医療・薬剤師関係者や、一般国民にも説明するべきだと話が進み、大学館主催で講演会を開くことになった。公演場所は名古屋市内の三ツ星ホテルで、自宅から通える場所ではあったが、打ち合わせ等や土日に分けての2日間共午後8時からの公演であることを考慮し、ホテルでの宿泊が用意される予定となった。そして、そのホテルで事件が始まることになる。
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