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日本は本当に安全なのか?
法務省が公表した2020年版の犯罪白書では、よく言われる日本の治安の良さを数値的に裏付ける統計が掲載されている。諸外国における犯罪動向によると、2017年に日本で発生した殺人事件は307件、フランス・ドイツ・イギリスは800件超、アメリカに至っては日本の56倍の1万7284件と驚くべき数字でした。これを、殺人発生率(人口10万人当たりの発生件数)は、アメリカ5件、フランス・ドイツ・イギリスは約1件に対して日本は僅か0.2件である。『強盗』の直近の発生率を見ても、日本の1.8件に対しアメリカ98.6件・フランス152.3件・ドイツ47件・イギリス118.7件と極端な差がある。
只、その数字だけを見ると、日本はとても治安の良い国だと思われますが、一方で『暗数』と言う言葉が存在します。簡単に説明すれば、現実に発生した犯罪の内、犯罪統計では把握されていない犯罪数を表す数字です。
一般には警察が認知した犯罪数を『犯罪発生数』とみなすが、厳密にはそれは『犯罪認知件数』にすぎず、被害者にも気づかれずに終える犯罪や、警察に届出がなされない犯罪も日本では多い。例えば、一個人が些細なものだとして考えている性犯罪など被害者が捜査されることが厄介で恥ずかしいものと感じ報告しない。報告することで報復などを被る。本当に警察が認知できない事件などである。
真の『犯罪発生数』を統計的に、正確に把握することは不可能であるが、暗数調査により犯罪の実数を推定する研究が行われている。犯罪学の新しい理論の1つであるラベリング論では、この暗数に注目し従来のように犯罪そのものの原因を究明することよりも、なぜ特定の行為のみが犯罪として認知され、ラベルを貼られることになるかと言うラベリング(レッテル貼り)の原因とメカニズムを究明することの重要性を指摘した。このような考え方によれば、犯罪統計は犯罪の実数を反映するものではなく、公的な犯罪統制機関の活動を記録するものにすぎないことになる。
もう1つ気になる数字がある。今現在までの日本の行方不明者の届出受理数は、約9万人もいます。これは届出された人数であり、実際はもっと大勢の人が行方不明になっていると考えられます。行方不明者として受理はされるが、基本日本の警察は遺体が発見されなければ、本腰を入れて捜査はしない。簡単に言えば、遺体が発見されない限り犯罪としては立件されず、その行方不明者の中にも殺害された人間も存在する可能性はあるのです。
それと、遺体が発見されても、犯人が特定できない完全犯罪。殺害を行ったと言う証拠を残さないようにし『ひき逃げ』『事故』『自殺』に偽装することで、警察などの捜査機関を欺いたり、または『薬殺』で病死を偽装することもあるとされており、このような偽装はある種の工作員が基礎訓練期間中読む、マニュアル等にもごく普通に書かれている基本的な方法論だと言う。
その為、権力を争っている要人などの事故死や自殺があると、あれは偽装された暗殺ではないかと疑念がつきまとうことになり、余にも疑わしいと陰謀の可能性を疑う説を声高に唱える人も出てくる。
その特殊な技能を身に付けた工作員などの場合は、そもそも証拠を残さないようにすることを職務としてその為の訓練を受けており、それを完璧に行うことで収入を得ているのであり、実行時に何らかのミスでもしない限り、一般人からすればただの事故死として偽装された暗殺を区別する証拠は存在しないということになり、結局一般人からすればどれだけ議論しても本当に暗殺なのか暗殺でなく単なる濡れ衣なのかは基本的に結論ができなし、決定できない。いわゆる『宙ぶらりん』の状態に置かれる構造になっている。
また、その暗殺が行われたことは確かだと判明した場合でも、その犯人や黒幕が一体誰なのかと言うことが、いつまでも判明しないということもしばしば起きている。しかし、その『宙ぶらりん』の状態が大嫌いな青年をある事件を通じて知っていただきたい。
法務省が公表した2020年版の犯罪白書では、よく言われる日本の治安の良さを数値的に裏付ける統計が掲載されている。諸外国における犯罪動向によると、2017年に日本で発生した殺人事件は307件、フランス・ドイツ・イギリスは800件超、アメリカに至っては日本の56倍の1万7284件と驚くべき数字でした。これを、殺人発生率(人口10万人当たりの発生件数)は、アメリカ5件、フランス・ドイツ・イギリスは約1件に対して日本は僅か0.2件である。『強盗』の直近の発生率を見ても、日本の1.8件に対しアメリカ98.6件・フランス152.3件・ドイツ47件・イギリス118.7件と極端な差がある。
只、その数字だけを見ると、日本はとても治安の良い国だと思われますが、一方で『暗数』と言う言葉が存在します。簡単に説明すれば、現実に発生した犯罪の内、犯罪統計では把握されていない犯罪数を表す数字です。
一般には警察が認知した犯罪数を『犯罪発生数』とみなすが、厳密にはそれは『犯罪認知件数』にすぎず、被害者にも気づかれずに終える犯罪や、警察に届出がなされない犯罪も日本では多い。例えば、一個人が些細なものだとして考えている性犯罪など被害者が捜査されることが厄介で恥ずかしいものと感じ報告しない。報告することで報復などを被る。本当に警察が認知できない事件などである。
真の『犯罪発生数』を統計的に、正確に把握することは不可能であるが、暗数調査により犯罪の実数を推定する研究が行われている。犯罪学の新しい理論の1つであるラベリング論では、この暗数に注目し従来のように犯罪そのものの原因を究明することよりも、なぜ特定の行為のみが犯罪として認知され、ラベルを貼られることになるかと言うラベリング(レッテル貼り)の原因とメカニズムを究明することの重要性を指摘した。このような考え方によれば、犯罪統計は犯罪の実数を反映するものではなく、公的な犯罪統制機関の活動を記録するものにすぎないことになる。
もう1つ気になる数字がある。今現在までの日本の行方不明者の届出受理数は、約9万人もいます。これは届出された人数であり、実際はもっと大勢の人が行方不明になっていると考えられます。行方不明者として受理はされるが、基本日本の警察は遺体が発見されなければ、本腰を入れて捜査はしない。簡単に言えば、遺体が発見されない限り犯罪としては立件されず、その行方不明者の中にも殺害された人間も存在する可能性はあるのです。
それと、遺体が発見されても、犯人が特定できない完全犯罪。殺害を行ったと言う証拠を残さないようにし『ひき逃げ』『事故』『自殺』に偽装することで、警察などの捜査機関を欺いたり、または『薬殺』で病死を偽装することもあるとされており、このような偽装はある種の工作員が基礎訓練期間中読む、マニュアル等にもごく普通に書かれている基本的な方法論だと言う。
その為、権力を争っている要人などの事故死や自殺があると、あれは偽装された暗殺ではないかと疑念がつきまとうことになり、余にも疑わしいと陰謀の可能性を疑う説を声高に唱える人も出てくる。
その特殊な技能を身に付けた工作員などの場合は、そもそも証拠を残さないようにすることを職務としてその為の訓練を受けており、それを完璧に行うことで収入を得ているのであり、実行時に何らかのミスでもしない限り、一般人からすればただの事故死として偽装された暗殺を区別する証拠は存在しないということになり、結局一般人からすればどれだけ議論しても本当に暗殺なのか暗殺でなく単なる濡れ衣なのかは基本的に結論ができなし、決定できない。いわゆる『宙ぶらりん』の状態に置かれる構造になっている。
また、その暗殺が行われたことは確かだと判明した場合でも、その犯人や黒幕が一体誰なのかと言うことが、いつまでも判明しないということもしばしば起きている。しかし、その『宙ぶらりん』の状態が大嫌いな青年をある事件を通じて知っていただきたい。
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