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第一章 二人の旦那様

15 キノコ野郎からのスパダリ ◇

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「サイモン待って、話があるの!」
 
 
 
 サイモンはその日、私がサイモンの家に遊びに行くなり私を寝室に連れ込んだ。今日は私も仕事を休んだので二人一緒の休みなのである。
 
 
「ウィルヘルミーナ、話は後でもいいか?」
 
 
 
「……いい話なのに……でもサイモンがいいならいいよ」
 
 
 
 サイモンは、私をベッドに仰向けにしワンピースのボタンを三つ程開けると下から一気に脱がした。なんというか、剥かれたに近いが。
 
 
 
 サイモンとのキスも気持ちがいい。サイモンはちょっと強引でエスっぽい部分がある。見た目とのギャップ萌えなところがすごくいい。
 この前、初めてぱいズリをしてイかせて出してあげたらとってもとっても喜んでいた。
 
 
 アルさん同様に、私がサイモンのサイモンを取り出して何かしようとしたときは、最初はとってもとっても驚かれたが結果的にはハマってしまったようだ。
 
 
 そもそも、サイモンもこの世界のしきたりに則り、いつも私だけを気持ちよくさせて終わってしまっていた。やっぱなんだか申し訳なくなったので、なんとなく暫定第一夫であるアルさんの許可を得て、技を披露した次第である。
 
 
 
 
 
 サイモンは下着姿の私の身体を、目と手と口で余すことなく堪能する。下着を全部取らずにズラすだけというのが、彼の今のブームのようだ。キスでたっぷりと感じさせてくれるので、私のパンツはいつも自分の愛液でびっしょりである。
 
 
 
「ウィルヘルミーナは、よく濡れるよな、入れたらすごそうだ」
 
 
 
「入れてみる?」
 
 
 
 思わず言ってしまった。

「いや、ランドラー公爵様に悪いからそれはやめておく、我慢できる自信もないし子供が出来たらまずいしな」
 
 
 
「っん……ぁ、ん……サイモン、アルさんがね私の二人目の夫にならないかって……っ、んぁ!」
 
 
 
 この状況でいうのは卑怯だとは思ったが話の流れ的に今だと思ったので、つい聞いてしまった。
 
 
 
「は?」
 
 
 
 サイモンは私の秘所に顔をうずめ、溢れ出る蜜を舐めとっては突起を舌先で転がし吸いながら、中に指を二本入れて同時に奥も刺激してくれているところだった。
 しかし、その途中に私が先ほどの発言をしたことで驚き、動きを止めてしまった。
 
 
 
「っぁあ! サイモン、ダメ! やめないで! イ……っ」
 
 
 
 動きを再開されて、あっけなくイってしまった。ビクンビクンと痙攣している間、サイモンの頭を太ももで挟みぎゅっと頭を掴んでしまう。ダメ、気持ちいい……。どうしてアルさんもサイモンもこんなに上手なの……それとも私が淫乱なだけなのだろうか……。
 
 
 
「ウィルヘルミーナ、さっきのって……。」
 
 
 
「はぁ……サイモン気持ちかった……」
 
 
 
 顔をあげたサイモンにギュッと抱きついたあと、湿らせた布で口と顔を拭いてあげる。その後、お礼にキスをするのだ。
 
 
 
 そして、サイモンのサイモンを取り出し、たっぷり口で濡らした後、今日は太ももに挟んであげた。素股ってやつだ。暫定第一夫のアルさんは最近、コレを後ろからするのがお気に入りである。
 サイモンは初めてなので正常位の体制で誘導した。
 
 
 
「っ……! ウィルヘルミーナ、これやばい! 動いてもいいのか? 」
 
 
 
「うん……私もこすれて気持ちい……」
 
 
 
 私の溢れる蜜のせいで滑りがよすぎるため、何度も中に入りそうになってしまったがサイモンは耐えてくれた。男の人が気持ちよさに眉間にしわを寄せて耐えている表情って、萌える。色っぽい……。イケメンに限るだろうが。
 
 
 
「っ! ミーナ……ダメだでるっ」
 
 
 
「あ」
 
 
 
 思いがけず、サイモンの生暖かいものが私の顔に飛んできた。アレだアレ……顔射。
 
 
 
「ウィルヘルミーナ……なんかエロいな……あ、すまない! 今拭くっ!」
 
 
 
 なんか、サイモンってこんな男友達みたいなセフレみたいな……この気安い感じがすっごく落ち着くんだよね。
 
 それに、たまにでるミーナ呼びも少しキュンとする。
 
 
 サイモンは事後も私から離れなかった。ずーっと後ろ抱っこ状態。ベッドから出ようとしなかった。なんだ、甘えんぼさんか? 
 
 
 
「ウィルヘルミーナ、さっきの話って……」
 
 
 
「ああ! そうそう、あのねアルさんが私の一番目の夫になると、私も竜王国の人間になるでしょう? そうするとこの国でお仕事は続けられないけど、もしサイモンが二番目の夫になってくれれば、この国の籍も持てるから、今の事務所も仕事もこのまま続けていいって言ってくれたの! その代わり、私に朝と晩は竜王国で一緒にご飯食べて欲しいって言ってた! 移動はアルさんのお屋敷と私の事務所に私でも使える転移陣を設置してくれるんだって! だから一瞬で行ったり来たりできるんだよ~、どう?」
 
 
 
 簡潔にざっくりと説明したつもりだが、伝わっただろうか……? 
 
 
 
「どうってお前……朝晩以外は、今みたいにこうしてお前と過ごしていいってことなのか?」
 
 
 
「うん! だって、サイモンも私の旦那さんになるんだもん! モチのロンだよ!」
 
 
 
「……」
 
 
 
「ぐぇっ!」
 
 
 
 サイモンにひねりつぶされるかと思った。思い切りぎゅぅっと抱きしめられて、ふわっと脱力する。
 
 
 
「そんな最高なことない! 願ってもないことだ! お前はあのお二人のどちらを選んでも手の届かない人になると思っていたから……夢みたいだ、ランドラー公爵様に伝えておいてくれ! 俺はいつでも大歓迎だと」
 
 
 
「うん! ありがとうサイモン!」
 
 
 
 よかった。これでアルさんとサイモンのどちらともさよならにならなくて済みそうだ。
 
 
 
「ね、でも今日はどうしたの? 会うなり余裕がなさそうだったけど……それに、あのお二人ってアルさんと誰?」
 
 
 
 
 少し気になっていた。サイモンは二人の休みはいつも必ずデートしたり色々してからベッドインなのに今日は違ったからである。
 
 
 
「あ……そうだよ! それ! クリストファー王太子殿下のご婚約が決まったって発表があったんだ。それで俺、相手はお前だとばっかり思ってそれで……」
 
 
 
 んんん!? クリスさん婚約決まったの? なにそれ知らない。もしかしてついにドラリトアの好きな人と?!
 
 私はアルさんにもサイモンにもクリスさんの片想いの事は話していないので、もしかしたら二人はクリスさんが私に気があるから度々呼び出していると思っていたのかもしれない。 
 
「私じゃないよ? 何にも聞いてないし知らないし……この前王宮に呼び出された時もそんなこと一言も言ってなかったよ?」
 
 
 
「そうか……誰と婚約されるんだろうな?」
 
 
 
「誰だろろうね?」 
 
 
 もしも片想いの相手じゃなかったら……クリスさん可哀想。とはいえ、王族だし嫌だと言うのも難しいのかな……。
 
「まぁ、相手は知らないがいずれにせよ国としてはおめでたいことだ、ミーナじゃなくて本当に良かった、ミーナのこの乳は俺とランドラー公爵様のだからな!」

 サイモンは嬉しそうに私の生乳に顔をうめてグリグリしはじめた。

 ……幸せな奴だよ、お前は。




 サイモンとそんな話をした翌々日、私と伝次郎はクリスさんから王宮に呼びだされた。



「ク、クリスさん……大丈夫ですか?」

 クリスさんは身体中からキノコが生えているが如く湿っぽい顔をして、あからさまに落ち込んでいる様子だった。

 婚約が決まったなら、こんなふうに私達を呼び出すのは良くないのでは、と言おうと思っていたが、どうやらそれどころではなさそうだ。

「大丈夫じゃないよ、噂は聞いたかい?」

 噂とはやはり婚約の件だろうか……。

「は、はい……ご婚約おめでとう……ございます……? な感じではなさそうですね」

 この様子だと、お相手は片想いの女性ではないのだろう。

「ウィリー! どうしたらいい!? 私はこのままでは国の言いなりに好きでもない女性・・と結婚しなければならなくなる!」

 何故、女性を強調したのかはわからないが、王族がゆえに政略結婚みたいな事も仕方ないのだろう。

「月並なことを言えば、まずは相手を好きになる努力をしてみては? としか言えませんが……」

「好きになんてなれるはずないよ……この19年間無理だった……始めて好きになれた女性・・がウィリー、君だけだ。君以外の女性なんて大嫌いなんだ、私は」

(……は?)

 クリスさんって私の事が好きだったの? え、ドラリトアの片想いの相手は? ちょっとわからない。

「ドラリトアの片想いのお相手との婚約は許して貰えなかったのですか?」

「……言えなかった」

「なんでですか! 好きな人がいるからその人と婚約したいから待ってくれって言えば良かったのでは?」

 この世界では国際結婚は駄目なのだろうか? でもアルさんは気にする様子もなかったからきっと大丈夫なのだろう。
 それとも、相手は平民とかなのだろうか……。

「言えるわけない! だって……私が好きな人は……」

 ……人は? 核心に迫る。

「……ドラリトアの第三王子なんだ!」

「……」

 それって……アルさんの事?

「……ランドラー公爵様という事ですか?」

「そうだよ、気持ち悪いかい? 男が好きだなんて……」

 とんでもない、私はBL応援派ですよ。がしかし、それが自分の恋人となると……。つまり私はクリスさんの恋敵という事になる。

「気持ち悪いなんて思うわけないじゃないですか! 好きな気持ちに性別は関係ないです! でも……」

 これは……言わなければズルい、ちゃんと言わないと。

「クリスさん、隠しても仕方ないので正直に言いますが、私は今、アルさん……ランドラー公爵様と恋人関係にあります、知らなかったとはいえ、クリスさんの恋敵なんです」

「……」

 クリスさんは私の発言に対して驚いた様子を見せなかった。

「知っているよウィリー、私は君なら良いと……アドウェールが選んだ女性が君なら私は……」

 え、なにそれなにそれ、良いの?

「ウィリー、私は王族の一夫一妻制を廃止する議案を提出するよ、可決されたら……私と結婚してくれないか?」

「は?」

 ちょっとよくわからない……クリスさん、ショックで頭がおかしくなったのかな。

「アドウェールが君の第一夫で私は第二夫でいい、そうすれば君を介して私はアドウェールと家族になれる」

「えっと……実は第二夫もすでに決まっておりまして……」

「なに? 私以外の男……誰だい?」

 サイモン……ごめん、でも私はあんたが好きだから隠さず言うよ!

「クライドラー公爵様の執事補佐のサイモン・エメット・レネゲードです……」

「……レネゲード伯爵家か、まあいいだろう、あの家の者はみな優秀だと聞く」

 サイモン良かったね、いいってさ! 何がいいのかわからないけど。

「だが、その者は第三夫だ、私が第二夫になる」

「それは出来ません! 私が嫌です! そもそも、私は好きでもない人と結婚なんてしませんから」

 そうだよ、危うく流されそうだったけど、私は別にクリスさんの事恋愛的には好きじゃない、クリスさんだって私じゃなくてアルさんの事が好きなだけだ。そんな結婚間違ってる。

「クリスさん、一夫一妻制の廃止うんぬんはどうぞご勝手に、ですが私はクリスさんと結婚なんてしませんからね、私は私の事を愛してくれてるアルさんとサイモンと結婚します」

 それに確か、第二夫以降は第一夫からの承諾だかなんだかがいるんじゃなかったか?

「ウィリー! 何故そんな事を言うんだ!」

「私の大事なサイモンを邪険にしたからです! 私は今、怒ってます、今日は帰ります! 今日の話しは誰にも言いませんから安心してくださいね! では!」

 
 私は伝次郎を呼び、プンプンしながら家路についた。
 
(……サイモンに会いたい……)


 その夜。

「サクラ、何かあったか? 眉間にシワが……」

 いつものように寝にやってきたアルさんに、眉間のシワを心配され、未だに自分が怒っている事に気付いた。どうりで伝次郎が近づいてこなかったわけだ。

「ちょっとね、今日不快な事があって!」

 しかし、この話しはアルさんにもサイモンにも言えない。どうしたものか……。

「何があったか聞かない方がよさそうだが……怒りの感情とはいえ、私の前で他の男のことを考えているなら、それは妬けるな」
 
 なぜバレた。いや、話の流れでなんとなく気が付いたのか。アルさん鋭いからなぁ。

 アルさんは優しく私を後ろから抱きしめ、ついでとばかりに私のノーブラの胸を手で覆った。
 アルさんのその行動に、私もちょっぴり怒りが和らぐ。

「アルさん、ヤキモチ?」
 
「……サクラ、早くお前を妻にしたい、今すぐにでも……」
 
 抱きしめる力が強くなり、耳もとに切ないアルさんの声が響いた。この状況でのとは、挿入したいということだろうか? 
 
「いいよ!  アルさんなら!」
 
「……サクラは悪い女だな、私の気持ちをもてあそんで楽しいか?」
 
 いや別にもてあそぼうなんてこれっぽっちも思ってない。むしろ、どうしてこの世界の男性は挿入にそこまで慎重なんだろう……。
 二人もテクニシャンの彼氏がいて、一人も最後までしてくれない、挿れてくれないのだ。
 
 そりゃ、一番初めはアルさんのアルさんを見てあまりの想定外の大きさにビビりはしたけど、この数ヶ月で二人に何度も何度もじっくりほぐしてもらっている。もう入れても大丈夫だろう。
 
 私は出来ればアルさんに処女を貰ってほしい。
 そうか、これを口に出して伝えればいいのか! 
 
「アルさんに私の処女を貰って欲しいの」
 
「……」
 
 どうだ、この破壊力! 処女ってば重いだろ! 
 
「サクラ……お前は私の事をどう思っている?」
「好き! 私、かなり前からアルさんの事大好きだよ?」
 
 即答である。まさかとは思うが、今まで伝わっていなかったのだろうか……。
 
「サクラ……その好きは、伝次郎を好きだと言うのとは違うのだろうか?」
 
 ん? 伝次郎は犬だ。伝次郎は伝次郎として何にも変えられない愛で大切に想っている。アルさんは人間だ。

 どうやら言葉では伝わらないらしい。私は背後にいるアルさんの方を向き、上に跨りアルさんの首に腕を回す。
 
「どうしてかな……アルさんの事こんなに好きなのに……」
 
 アルさんにキスをし、その唇をペロリと舐め軽く食む。何度もちょこまかと舐めては食むを繰り返す。
 次第に、アルさんを跨ぐ私の下半身に硬いものが当たり始めた。
 
「サクラのその美しい瞳で見つめられると、魅了の魔法にでもかかってしまったような気分になる」 
 
(魅了の魔法……よくラノベとかで異世界から来たヒロインが使えるやつか)
 
「そうだ! アルさんはいつ私の事好きになったの? チェロキーに乗せてもらった時は気になる・・・・だったのに! 私、無意識に本当に魅了の魔法を使ったのかも!」
 
 あり得ない事ではない。私の異世界転移が急に色めき立ったのもそのせいかもしれない。 
 
「っふ……この私がサクラの魔法にかけられたと?」
 
 ……どの私? アルさんってそんなに凄い魔法使いなの? 笑いをこらえるような顔をするアルさんにちょっとムッとする。
 
「サクラ、お前は夫になる男がどんな人間か知っておく必要がありそうだな」
 
 ……確かに、アルさんのことあんまり知らないかも。魔法使いで第三王子で公爵様で外交官って事しか知らないな。
 
「教えてください……」
 
「はははっ素直で可愛いな、よし、教えてやろう」
  
 アルさんは教えてくれた。ドラリトア竜王国の歴史からアルさんたち王族について、竜王国で生活する国民について。
 
 まず、竜王国とは言っても竜に変身できるのは王族のみで、更に今は竜になれる王族も限られてきており、現状ドラリトア国王陛下のアルさんのお父さんと次期国王であるアルさんのお兄さんとアルさんの三人だけらしい。第二王子はなれないそうだ。
 更には親兄弟親戚の中でアルさんは唯一の黒竜で、異常なほどに魔力の保有量が多く、先祖がえりだと言われているそうだ。そのせいで、第一王子ではなくアルさんを次期国王にと推す派閥ができてしまい、争いがおきそうになったために、アルさんは王位継承権を放棄したのだという。
 ここまではよくラノベであるあるネタである。
 
 しかし、アルさんの魔力は竜王国にとって祖先を知るに重要なものとなるとともに、その圧倒的な魔法の技術から、アルさんは今、竜王国魔法庁で長官を担っているという。
 
 
 
 でも、ちょっと待って欲しい。話しを中断して申し訳ないが、竜に変身できるのは・・・・・・・・・と言っただろうか。黒竜? 魔力が異常に多い? 
 アルさん、爆弾発言はやめて下さい。
 この件については後ほど追跡調査が必要である。
 
 でも今は話しを最後まで聞こう。
 
 アルさんにまた肩書きが増えてしまった。
 第三王子で公爵で外交官で凄い魔法使いで竜で……魔法庁長官とは。過労死ラインギリギリかオーバーではないか。
 
 つまりは魔力量と魔法の知識、技術においてアルさんの右に出るものはいないということらしい。
 
 そして、以前にも少し話してくれたが、竜王国の国民も昔は皆それなりに魔力を保有していたが、血が薄れるにつれて個々が持つ魔力量が減ってしまったのだという。
 そこで国は、この国の住民権を得るには必ず片方がこの国の者であることを絶対とする婚姻のみとし、さらには、他国へ魔力を保有する血族の流出を防ぐためにもこの国は全国民に手厚い福利制度により、貧民などは一切いない超住みやすい国なのだそうだ。国民の幸福満足度は99パーセントらしい。
 
 ……どこ調べなのだろうか……
 
 ちなみに、それを可能にしているのが、アルさん率いる魔法庁の精鋭達の稼ぎ出す外国から入ってくるマネーである。
 魔法による防衛費、転移陣の設置費や維持費などで外国からお金をガッポリ頂いているらしい。
 
 つまり、竜王国の維持には魔力が欠かせないのだ。
 
 アルさんは日々の公爵としての外交などの執務に加えて魔法庁の長官業務として、昔の書物などから国民の魔力量の減少を食い止める方法がないか、日々研究しているのだという。
 
 それで魔導書などを訳すように頼んできたのか。
 
 と、いうことからしてアルさんに気づかれずにアルさん本人に魔法をかけることが出来る人なんていないとのお考えのようだ。 
 
 というか、私のアルさんへの告白軽く流れたよね? 
 あれれ? 
 
 
「アルさん……過労死しないでね、それに、文学の研究なら私もやりたい! いつでも手伝うからね!」
 
 そう、まさにそれは私がバージニアの大学でやりたかった事である。
 
「ありがとうサクラ、頼りにしている」
 
 それよりも今は……と言って、アルさんの上に乗ったままだった私に、甘く深いキスをくれた。
 
 お互いのパジャマも下着も全て脱がし終えると、アルさんはその形を確かめるように私の胸を指先でなぞる。すでにツンと上を向いて硬くなっている胸の先がアルさんからもたらされる刺激を待っていた。
 
 下から持ち上げられやわやわとほぐされる私の両胸は、アルさんの舌先が私の首筋からゆっくりとおりてくるのを今か今かと待つ。
 焦らす気だろうか。ゾワゾワするし下の部分がもぞもぞする。
 
「アルさん……もっと……」
 
「……サクラの身体をゆっくり味わいたかったが……ずいぶん感じやすい身体になったな」
 
 アルさんは私をベッドに沈めた。
 
 胸への愛撫と同時に、彼の指は私の蜜が溢れる部分を刺激し始める。いつか彼を受け入れるその時のために一本、二本とゆっくり慣らしていく。
 中に入ったままの指の角度をクイっと変えられれば、すぐに私のいい場所に当たり、あっけなく達してしまいそうになるが、少し腰をひねり我慢する。
 
 指が抜き取られたかと思うと、アルさんは私の蜜がたっぷりついた自身の指を一度舐めとり、そのままゆっくりと再度指を挿し込む。
 
 なんてエロいんだ、目に毒だ。
 
 アルさんの長い指は再び抽挿をはじめ、同時にアルさんの舌先によって敏感な突起部分が刺激されてしまえば、私はすぐに達してしまう。
 
 アルさんはそのまま自身のモノをイッたばかりでピクつく私のそこに乗せると、私の両脚を閉じて、ゆっくり腰を前後する。
 
 アルさんはもう私がおねだりしたり誘導しなくても素股や色々でちゃんと自身のモノも出してくれるようになった。
 
 アルさんの硬くなったモノが、突起部分に擦れて強い刺激となれば、私はまたも達してしまう。
 無意識に太ももに力が入ると、アルさんの眉間にうっすらシワがはいり、そのまま私のお腹にアルさんの白濁が出される。
 
「サクラ……好きだよ」
 
 額にキスされ、アルさんは自分の出した白濁に手をかざした。
 
(なにするんだろう、初めてみるな)
 
 アルさんの手がさげられると、私のお腹にあった白濁は綺麗さっぱり消えてしまっていた。
 
「あれ? なくなっちゃった」
 
「部分クリーンを試してみた、出来たな」 
 
 少し嬉しそうにフッと笑うアルさんの笑顔が私も大好きです。

 
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