【R18・完結】結婚はしません、お好きにどうぞ

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(おまけ)小さいアギット

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(sideイヴリン)


『イヴリン、イヴリン、小さいアギット! イヴリンの中、小さいアギット二ついる!』

「……え? ……ギルバート様……今の、聞きましたか?」

「ああ、アギットのやつ、喜ぶだろうなぁ! だが、面白そうだから、しばらく秘密にしてみたらどうだ?」

「……。」


 珍しく仕事がお休みで、リビングのソファーで私の太ももを枕にして横になってくつろいでいたギルバート様。
 彼は精霊達の言葉を聞いた後、何故か身体の向きを変え、私のお腹に顔を埋めて、腰に腕をまわしだした。
 何やらもぞもぞグリグリとお腹に顔を擦り付けている。

 ……いや、貴方の子じゃないですけど。



 アギット様は今、ベルントとコリンナを連れてオスマンサスのお屋敷へ遊びに行っていた。

 ベルントとコリンナがシュヴァルツ以外のドラゴンを見たい、と言い出したからだ。


「……秘密に、ですか?」


 秘密にする事は不可能だろう。
 精霊達がベルントとコリンナに言ってしまうだろうし、ノワールに伝われば、すぐにアギット様も知る事になるはずだ。
 
 
 しかし、ギルバート様が精霊達に内緒だ、とワイロを渡した事で、意外にもアギット様が私の妊娠に気付く気配は無かった。
 
 
 そんな時、ヘキシルカノールのレオポルト王太子殿下から話があると、お呼び出しがかかったため、アギット様と一緒に行く事になった。
 



「イヴリン! 元気そうだな! また美しさに磨きかかかったようだ! どうだ? 気は変わってないか? 私はまだ独身だからな、いつでも歓迎するぞ。」

 殿下は、いっそう凛々しくなられ、冗談も上手くなられたようだ。

「レオポルト王太子殿下におかれましても、そのご活躍はフリッツ・オークモス卿からの手紙で存じ上げておりますわ。」

「話しを反らしたな? だが、アギット・オスマンサス、お前はまだイヴリンにつきまとっていたのか。嫌われていたのではないのか?」

「……。」

 アギット様は、堂々と殿下を無視した。

「殿下、彼は今、私の子とその父親と、家族も同然なのです。あまり虐めないでくださいませ。」

「……子?! 父親?! イヴリン、子供がいるのか?!」

 あれ、言ってなかっただろうか。

「ええ、三歳を過ぎる双子がおりますの。結婚はしておりませんので、子は父親の戸籍に入っておりますが。」

「っな! ……だから、君の戸籍はそのまま変わりはないのか……」

 何でしょうか、今の意味深な言葉は……もしかして、私の戸籍を定期的に確認しているのだろうか……。
 まさか、それで未だ独身でいるなんてことはないだろうな。


「……それで、殿下、本日はどのようなご要件でしたか?」

「……ああ、実はな……。」


 殿下は今、犯罪を犯している貴族を次々に捕らえ、裁判にかけている、とフリッツからの手紙に書かれていた。

 自分が王位を継ぐ前に、国の膿を出すつもりなのだろう。

 そして、なかなか話を切り出さず、言い出しにくそうな殿下の様子から、私は察した。


「……もしや、チュベローズ伯爵を捕らえようとされていらっしゃるのですか?」

「「っ!」」

 私の言葉に、殿下だけでなく、アギット様までも驚いていた。

「殿下、私はチュベローズ伯爵とは血の繋がりすらない、赤の他人だったのです。フリッツ・オークモス卿からお話しがありましたよね?」

「……ああ、聞いている。」

「捕らえてくださいませ。あの男は罰を受けるべきです。」

「「っ!」」

 二人はまたもや驚いている。

 チュベローズ伯爵の悪事は数えられないほどだ。弱い立場の被害者も沢山いるに違いないため、これ以上野放しにしておくのは絶対によくない。

「なんなら、私が伯爵家で見聞きした事実を、法廷で証言したってかまいませんわ。元娘の証言なら、真実味もございますでしょう。」

 一緒に、お母様の仇をうちますわ。



「……わかった。ありがとうイヴリン。チュベローズ伯爵は私が必ず裁き、これまでの自身の行いを必ずや後悔させる。……実は、イヴリンの母君の件もあるからか、父上も協力的なんだ。」






 ああ、私の尊敬する国王陛下。感謝いたしますわ。


 私はその後、書記官の前で、チュベローズ伯爵家で知り得た情報を包み隠さず話した。裁判の資料にするのだろう。



 そして、殿下とは裁判の日に再度会う約束をして別れた。



「……アイツ、母上の甥じゃなかったら、ノワールに言って踏み潰してやりたい。」

「何をおっしゃってるのか理解に苦しみますわ。」

 アギット様は、最初の言葉を未だに根に持っているようだ。

 全く、父親になると言うのに、子供みたいな事を……あ、秘密にしていたんだった。



「アギット様、少し寄り道しませんか?」

「もちろん! デートして帰ろう!」






 アギット様は嬉しそうに私の手を握り、街へと繰り出した。


 しかし……。


「お、お姉様! アギット様と、手なんて繋いで、こんな場所で何をしてますの?!」

 またもや会いたくない人物に出くわしてしまう。

「……チュベローズ伯爵令嬢、私はもう貴女の姉ではございませんわ。呼び方を改めてくださいませ。それに、アギット様のお名前を勝手に呼ぶのは失礼ですわ。」

「……相変わらずうるさいわね。」

 ラウラは、アギット様と婚約したいとオスマンサスに向かっていたが、その途中でドラゴンを目撃し、尻尾を巻いて逃げたと聞いた。

「イヴリン、行こう?」

 アギット様は、まるで興味がない、とばかりに、私の腰を抱き寄せその場から去ろうとした。

「そうですわね。では、私達はこれで……」

「待ちなさいよ! 貴女、お父様の娘じゃなかったんですってね! よくもこれまで姉ヅラしてくれたわね! 謝りなさいよ!」

 ……姉ヅラ? 一切した事はないが……それに、こんな街中でそんなデリケートな問題を大声で……まぁ、これから起きる事を考えたら、私にとっては好都合だが。

「……はぁ……チュベローズ伯爵令嬢に謝罪致しますわ。……では、失礼。」

「っぷ……。」

 アギット様があまりにも早く適当すぎる私の謝罪に、吹き出して笑い、さすがイヴリン、と言って私の頭にチュッと口付けた。

 それを見て怒り心頭なのは、もちろんラウラだ。

「ば、馬鹿にして! 許さないわ! 覚えてらっしゃい!」

 顔を真っ赤にして拳を握り、プルプルと怒りに震えながら負け惜しみのような言葉を吐き捨てた。


「……もう忘れたわ。行きましょう、アギット様。」

「ああ、行こう。……そうだ、ラウラ嬢、私から、一ついいかな?」

「……は、はいっ何でしょうアギット様!」

 どうやら、アギット様の事はまだ好きらしい。


「君の新しい婚約者のエッカルトは、私の友人の友人なんだけどね、彼の趣味は爬虫類の収集だよ。ではね、お幸せに。」

「……ひぃ!」


 ……アギット様、なかなかやりますわね。

「……あの子は爬虫類が大嫌いなのですよ。ふふっ……ざまあみろですわ。」

「イヴリンも、なかなかだったよ。さすがは俺の愛しい人だ。(チュッ)」



 私達は子供達と精霊達にヘキシルカノールのオヤツを購入し、屋台のクレープを食べ、ショッピングをしたりと、まるで本当にデートかのように楽しい時間を過ごした。
 




 そして、それから三ヶ月後、チュベローズ伯爵と私は法廷で顔を合わせていた。
 私は証人として発言し、彼を追い込む。


 裁判が終わり、ギルバート様とアギット様と帰ろうとした時、警備兵に連れられたチュベローズ伯爵が私を見つけ叫んだ。

 “お前の父親は貧民街で拾った汚い男だ”、“お前など、私の子ではない、妻の不貞による卑しい子だ”と。

「……っ」

 ……お父様とお母様を侮辱するなんて許せない。

 私が怒りに震えていると、ギルバート様が私の肩をポンポンと叩き、静かにチュベローズ伯爵の元へ歩いて行き、あろう事か、笑顔で伯爵の顔面を一発殴ってしまった。

 伯爵は鼻が折れたのか、鼻血を出し、震えている。

 警備兵は慌ててギルバート様を止めようとしたが、ギルバート様は一発だけ殴っただけで、笑顔で両手を上げ抵抗もせず、それ以上何もしようとはしなかったため、厳重注意で終わり、事なきを得た。

 舌を出してこちらに戻ってきたギルバート様を、私とアギット様はハイタッチで迎えた。

「……大家さん、なかなか重い一発でしたね。」

「だろ、ありゃ折れたぞ。」

「もうっ……信じられませんわ! ……ふふっ! ありがとうございます! ざまあみろです。」



 その後、レオポルト殿下のおかげで、チュベローズ伯爵は有罪となり、爵位は剥奪、鉱山での強制労働へと送られた。
 継母とラウラは平民となり、これまでの贅沢に費やした借金返済のため、働くしかなくなっていた。まぁ、一生かかっても返しきれないだろうが。
 せいぜい頑張ってもらいたい。







 そして、私のお腹も膨らみ始め、ようやくアギット様が不思議に思ったのか、私に尋ねてきた。

「い、イヴリン、こんな事聞いたら殴られそうだけど、ちょっとお腹出た? ……」

 そんな事の前に、彼は私からセックスを断られる事などに疑問を抱かなかったのだろうか。




「そうですわね、出たかもしれませんわ。なにせ、“小さいアギット”様が、二人も入ってますから。」

「……え?」

「……。」

「……え? も……き、聞こえなかった、もう一回言って! 小さい誰だって? しかも何人?!」

 いや、そこまで聞こえてるなら、全部聞こえてるでしょうが。

「アギット様、私のお腹の中には、アギット様の子が二人います。アギット様の血の繋がった子ですわ。黙っていてすみません。なかなかお気づきにならないので、面白くて。」

「っ!」

 アギット様は突然家を飛び出して言った。
 
 ……デジャヴ。


「イヴリン!」

 そして、予想に反して手ぶらで戻ってきた。

 戻ってくるなり私を抱きしめ、キスをして、また抱きしめた。

「イヴリン、イヴリン、イヴリン! ありがとうっありがとう! 嬉しい! 嬉しくて俺っ……俺っ! ……ちょっとやらかしちゃった……先に謝っとく、ごめん……。」


「……え?」

 なんだか嫌な予感がして、家の外に出てみると……。


「っな、なんですのこれは!」


 なんと、家の前には庭一面を覆い尽くすほどの、花畑が出来ていた。精霊達は花畑に凄く喜んでいる。

「いや、イヴリンに花を贈りたくて色々考えてたら、魔力が暴走しちゃって……何故かこんな事に……」

 頭の中がお花畑になっただけでなく、具現化してしまったということらしい。





「わぁ! お花畑!」
「ホントだ! なにこれ!」
「……おいおい、アギットだな? くっせぇな……ちゃんと片せよ?」

 ギルバート様と子供達が帰ってきた。


「ベルント! コリンナ! お前達、お兄ちゃんとお姉ちゃんになるんだぞぉ! お花畑は、そのお祝い!」

「きゃー! 弟?! 妹!?」
「僕、弟がいい! 一緒に剣の練習するんだ!」
「なんだ、イヴリンもう喋っちまったのか。」


「……。」


 結局、花畑はアギット様に責任をもって魔法でミニチュア化してもらい、瓶に詰めて保存して、お風呂に浮かべたり、コリンナのおままごとの玩具になったりした。








 そして数ヶ月後、ついに誕生。

 見事な、小さいアギット様が二人……一卵性双生児だった。


 アギット様により、リアンとレヒトと名付けられた双子の子育ては、控えめに言っても大変だった。

 赤ちゃんの頃は、ただただ可愛らしくいい子だったのだが、動き回るようになるやいなや、精霊が見えて会話ができる事がわかり、ノワールによって、オスマンサスのチカラも継いでいる事がわかった。

 見事なハイブリッド男児の誕生だ。


 シュヴァルツとは、繋がらなければ、会話も出来ないはずだったのだが、何故か二人は精霊を介してノワールから教えてもいない、ドラゴンと繋がる方法を聞き知り、いつの間にかノワールの逆鱗をはんぶんこして、飲み込んでしまった。

 ノワールからそれを聞いたアギット様は大慌て。

 結局、指先から少し血を出して、ノワールに舐めさせる羽目になってしまった。

 二人は五歳にして、シュヴァルツの次期長と繋がってしまったのである。つまり、それだけの受け皿が、二人にはあるという事だ。






「……俺がブラックと繋がったのは、十二歳だったぞ……。」



 と、まぁ、そんな感じで全く目が離せないのだ。

 さらには、入れ代わり立ち代わり、アギット様のご両親やお兄様方やその夫人達が訪れては、リアンとレヒトを連れて行ってしまうので、もう、誰がどこにいるのか、私には把握出来ない状態が続いている。

 一番二人の誘拐率が高いのは、やはりと言うべきか、カミル様だ。

「……ごめんねイヴリン……でも、安全には違いないから、あんまり心配しなくていいからね……」

「ええ、もう諦めましたわ。」



 そして、リアンとレヒトは何故か突然ギルバート様をリスペクトし始め、やたらとギルバート様の真似ばかりするようになったのである。

 イケオジは子供にも人気なようだ。

 早朝の筋トレから喋り方、好んで食べる食べ物やDIYの心得まで……。

 そこに、テオ兄様が現れると、今度は何故かコリンナが喜んで騒ぎだす。
 テオ兄様も嬉しくて騒ぎ出すので、うるさいのだ。


 アギット様はそれらを見て悔しがっているし、もはや我が家はカオス状態。


 そんな状況でも、幸い、私には小さいギルバート様、つまりベルントが最も癒しの存在となっている。
 ベルントは、物腰柔らかく、紳士的で、我が家の成人男性とは少し……いや、かなり違う性格に成長した。


「ベルント、貴方は本当にいい子ね。誰に似たのかしら……(ギュッ)」

「そんな事はありません。母様お疲れですか? (ギュッ)」

「ベルント、大好きよ……(ムギュッ)」

「はい、僕も母様が大好きです……(ムギュッ)」


 幸せなベルントとの癒しの時間に、ギルバート様が割り込んできた。

「俺も……イヴリン大好きだぜ……(ムギュッチュッ)」

 ギルバート様の金魚の糞の如く、リアンとレヒトも来る。

「「ママ好きー! (ムギュッ)」」

 さらには、アギット様まで来た。

「俺も! いや、俺が一番イヴリンの事大好きだから! (ムギュッブチュ)」

「……。」

 兄様とコリンナは、苦笑いでこちらを、見ている。




 
 ……私はいつの間にか、絵に描いたような幸せ家族の中心にいた。


 
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感想 22

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みんなの感想(22件)

ああああああ

ぐっはぁーーー!!っ!!

やられましたぁ!!

素敵すぎ!!♪♪

小さいアギットぉ〰

萌々のたうち回りましたぁ!!

ありがとうございます♪



2024.08.10 hill&peanutbutter

ああああああ様、またまた感想ありがとうございます!リアンとレヒトは、まんまアギット似ですが、カミルが甘やかしまくって、あざとさを増しています。皆幸せ、めでたしめでたしです(⁠^⁠^⁠)ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。心より感謝申し上げますm(⁠_ _)m

解除
まいたぬき
2024.08.09 まいたぬき

感想への返答を拝見しまして。
続き楽しみにしています!!

小さいアギット、見たい♪

2024.08.09 hill&peanutbutter

まいたぬき様、感想ありがとうございます!今、頑張って作成中ですので、もう少し大きいアギットで我慢頂き、今しばらくお待ちくださいませ!(⁠ ⁠ꈍ⁠ᴗ⁠ꈍ⁠)引き続き、よろしくお願いします(⁠^⁠^⁠)

解除
ああああああ
ネタバレ含む
2024.08.09 hill&peanutbutter

ああああああ様、【わたしの大事な旦那様】に続き、お読み頂き、さらには感想を頂き、こちらこそありがとうございます!この後一話だけ、小さいアギットの誕生を更新予定です!ヘキシルカノールの王太子も活躍します!あと少し、お付き合い頂けますと幸いです(⁠^⁠^⁠)

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