【R18・完結】結婚はしません、お好きにどうぞ

hill&peanutbutter

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41 あの夜のリベンジ R18

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 (sideイヴリン)


 ギルバート様に注意され、私は少し考えを改めた。

 そもそも、ギルバート様が私に教えてはいけない事を教えてくださったのだから、責任をとって欲しいくらいだ。

 なぜギルバート様がアギット様に義理立てしているのかも、よくわからないが、ギルバート様もテオ兄様も、私とアギット様がどうにかなると思っているのだろうか?

 私は平民となり、アギット様は変わらず貴族の子息だというのに。


「イヴリンっ来たよ!」

「……またですの?」

 アギット様はあれから毎日森へ来ては、私に“好きだ”と言ってしばらくの間、滞在して行く。

 日によっては、畑を手伝ってくれたり、買い物を手伝ってくれたりと、助かってはいるが、さすがに申し訳ない気持ちも芽生えてくるというもの。

 
 結局、彼の忘れ物、というのも、問いただしてみればノワールの事だというし。

 さらには、私が抵抗しない事をいい事に、彼は毎日私の唇を奪って行く。

 テオ兄様に、“この唇泥棒め”と、お説教されたと言うのに、全く反省していない。



 今日も今日とて、私がウッドデッキのテーブルの上で野菜の種の芽出しの作業をしている最中に現れ、何故か当たり前のように手伝ってくれている。

 でも、今日こそハッキリ伝えよう。



「アギット様、お話しがございます。」

「うん? ……手、動かしながら話して? 俺もそうするよ」

 ……な、何故私の仕事をアギット様が率先してやっているのかしら……。


「わかりました。……アギット様、私は、結婚はしません。ですので、貴方の気持ちには答えられませんわ。」

 こんな事を言うのは勘違い女のようで嫌なのだが、さすがに言わないとずっとこのままだろう。

 しかし……。



「イヴリン……俺、結婚してくれとは言ってないよな?」

「……はい? ……え、あ……はい。そうですわね。」

 ……確かに……言われた事ないわね。やだ、私ってば恥ずかしい勘違いをしていたのかしら……。

「俺、イヴリンが結婚しないって言うなら、結婚にはこだわらないよ。家族もそれでいいと言ってる。もちろん、平民とか貴族とか、そんな事も関係ないから。」

「なら、何がしたいのですか?」

 七男とはいえ、結婚もせずにフラフラと、なんて良いのだろうか……。


「何度も言ってるだろ? 今みたいに、イヴリンと一緒に畑をしたり、食事したり……一緒に過ごしたいだけだ。……まぁ、欲を言えば、もっと親密になりたいけど。」

 親密……。

 私が言葉の意味を考えていると、アギット様はいつの間にか私の正面に立っており、私を立ち上がらせ、腰を引き寄せ、唇を重ねてきた。
 最近、彼のスキンシップは遠慮がなくなり、激しくなりつつある。



「イヴリン……好きだよ。」

 ……。

「……んっ……っアギット様……。」

 彼は口付けを続けながら、私を抱き上げウッドデッキの手すりの上に座らせてしまった。

 やたらと私の首筋の匂いを嗅ぐので、それが凄く気になるのだが、彼はただ、私の匂いが好きなんだと言う。

「っ……んん……っ!」

 舌を絡める深い口付けをかわしながら、次第に首筋に舌を這わせていくアギット様。
 いつの間にか私のワンピースの胸元は開かれて、肩まで下げられている。

 不安定なウッドデッキの手すりの上では、アギット様に掴まるしかバランスを保つ事ができず、抵抗する気もたいしてないが、余計に彼を受け入れているように思われてしまう状況になってしまう。

「……っ! っん……っアギット様!」

「……ん?」

 私の胸の膨らみに口付けるアギット様の名を呼ぶも、止まる様子はない。

 それどころか、私の背中を支える彼の腕は、よりキツく私を抱き寄せ、再び深く口付けられる。

「っん……ん……ぁっ!」

 アギット様の親指が私の胸の先に触れ、思わず声が漏れてしまった。

「イヴリン、可愛い……好きだよ……」


「つっ! ……な、何をっ! ここはそ、外ですのよ?!」

 息は上がり、胸元ははだけ、いつの間にかスカートも太ももまでめくりあげられていた。
 このままでは、ここで押し倒されかねない。

「イヴリンがいつまで経っても、俺との事を真剣に考えようとしてくれないから、既成事実でも作ろうかと思って。外じゃなきゃいいの?」

「っですから! 私は……っ!」

 駄目だ……身体が火照り、疼く……心とは裏腹に、彼を求めてしまっている。

「ん! っ……んっんん!」

 まるで、何も聞きたくない、とばかりに口を塞がれ、私は彼の背中に腕をまわし、しがみつくしかなかった。

 そんな私を、アギット様は子供を抱くように正面から抱き上げ、ドアを開け家の中へと移動してしまう。

 ダイニングテーブルに座らせられ、そのまま夢中で唇を重ね続ける。




 頭では駄目だとわかっていても、もう、どうしようもなかった。

「……っアギット様……っ……ん……」

「イヴリン……好きだ……」


 すでに乱れていた私のワンピースは、ストン、と腰まで落ち、下着もパチンと外されてしまう。
 
 左右の胸があらわになると、彼の大きな手の平に包まれ、自由に形を変える。

「あ……アギット様……っ駄目です、こんな……っんっ……っぁっ!」

 片側の胸にアギット様の唇が触れ、しっとりとした舌が胸の先を絡め取るように刺激する。

「っ……ふ……ぁっ……」

 アギット様のもう一方の手はスカートの中へと侵入し、下着に触れていた。

「……イヴリン……濡れてる? ……下着が汚れちゃうね……脱ごうか。」

 私が首を左右に振るも、アギット様は無視だ。

 そのまま下着は片方に引っ掛けられ、私の秘部は溢れでる蜜を隠す事が出来なくなってしまった。

「……イヴリン、二度とあんな痛い思いはさせないから。」
 
 その言葉の後、彼は私の脚を持ち上げ左右に開き、蜜の滲む中心に舌を這わせた。
 
「っん、ぁっ……ぁっ……ん……やっ! ん……っ!」

 アギット様の舌と唇が私の秘部に触れるたび、電流が流れたかのように激しく身体が反応してしまう。

 中心の上にある突起を吸われ、中には彼の長い指がねっとりと蜜をまとい挿し込まれる。そのたびに、さらに奥から潤いが増していく。

 ギルバート様によって開かれた私の身体は、いとも簡単に快楽に落とされてしまうようになっていた。

「っぁ、アギット様……っ駄目です、私……っ!」

 そして、何の前触れもなく曲げられた指が触れたそこは、私の弱い部分……。

「っ! ぁっ! ……っんゃっ……っ!」

 アギット様の頭を太ももで挟み、そのままビクン、ビクンッと、身体が激しく痙攣し、視界が白く弾けた。

 

「……イヴリンはこんなに感じやすい身体だったんだね……ごめんな、初めての夜にちゃんとしてあげられなくて……。」


 ……貴方のせいじゃない……そう言いたかったが、声が出なかった。

「……イヴリン……可愛い……。」

 ぐったりする私の前髪をかき分け、額に口付けたアギット様は、さらに顔中にキスをする。しかしそれだけで、それ以上は何もする様子はない。


「……アギット様のそれは……。」

「俺はいいんだ……初めての夜のリベンジをしたかっただけだから。」

「……。」


 満足は満足だが、私はこの先の快楽を知っている。

「……リベンジはまだ終わっておりませんわ……。」


 私は脚を伸ばし、つま先でアギット様のソレを突付く。

「……こら、イヴリン。」

 私は無言で彼のソレを見つめた。

 アギット様は私の視線の意味を正しく理解し、覚悟を決めたのか、前をくつろげる。
 現れたアギット様のソレは、ノワールの成長と共に、一緒に成長したかのような驚愕の大きさとなっていた。

「……ぁ、え? ……あの夜より、大きくなってますわ……。」

「……え? そうかな?」

 比べるのは申し訳ないが、ギルバート様のアレが可愛らしく思えるほどだ。
 
 こんなモノが入ってきたら、また痛いかもしれない……。
 と、不安がよぎったが、私はこの時初めてアギット様の目を見た。


「……やっとこっちを見てくれた。」

 嬉しそうにはにかむアギット様は、キラキラと輝く美しいブルーの瞳に、私を映している。

 何故だかわからないが……彼のそんな瞳を見たら、不安は消えていき、それどころか、下腹部が疼き出す。
 ああ……私ってなんて快楽に弱い人間なんだろうか。


「イヴリン、俺は君が好きなんだ……だからもう、あの夜みたいに痛い思いはさせたくない……不安なら、今日は挿れなくてもいいよ?」


 私は首を左右に振り、アギット様の首に腕をまわす。

 貴方を受け入れたい。

 そんな意味を込めて……。











 しかし……。









『あ! テオが来た! テオ、来た!』
『テオだ! テオ来た! オヤツくれる! テオ好き!』


 精霊達が騒ぎ出した。




「っえ?!」
「っ何だって?!」
 


 アギット様の表情を見るに、彼もノワールから伝達があったようだ。



「「……。」」
 

「アギット様……。」
「イヴリン……。」





「兄様が来たわ! は、早く服を着て! その凶器・・も早くしまってくださいませ!」

「きょ、凶器だって?! さっきまであんなに欲しそうにしてたのに!? 酷いじゃないかイヴリン!」


「いいから! 早くしてくださいませ!!」
「い、急いでるよ! 大丈夫、ノワールに足止めさせてるから!」






 私は慌てて下着を付け直し、身なりを整え、危機一髪、兄様を出迎えたのだった。


 










 それから数日後のある日の昼下がり、それは突然の事だった。
 


 バンッ!

 無遠慮に荒々しく開かれたドアの向こうには、珍しく肩で息をして慌てた様子のギルバート様が立っていた。



「あら、ギルバート様……今日は……」

「イヴリン……助けて欲しい。」



 いつも堂々としているあの・・ギルバート様が、ただひと言、震える身体で私を抱きしめ、そう口にした。



 私は何も聞かず、すぐに答える。



「ええ、もちろんですわ。」


 
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