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第二章
19 蜜月 R18
しおりを挟む「……エイミー? 起きたか?」
「……んん……?」
寝起きの私の声は、なぜかガラガラだった。
しかし、目を覚めせば目の前には愛しいイケメンアルドの顔……はぁ、眼福である。
ところが愛しいその人の表情は想像していたような幸せに満ちた笑顔ではない。
「……どうしたの?」
「どうしたもこうしたも、すまなかった……初めてだというのに、私はエイミーに無体を……」
無体って……武士かよ。
「アルド……私にとっては、最高に幸せな夜だったのに、そんな顔しないで……ねぇ、ぎゅってして……」
「うむ……私にとっても、人生で最も素晴らしく幸せな夜だった(チュッ)」
さすがに起き上がるのはダルかった私は、両手を広げ、アルドを迎え入れる。
「アルドっこれからは、夫婦だから、何も気にせずに好きなだけいっぱいできるね」
「っな! ……ゴホン……もちろんだ、エイミーの望みは全力で叶えよう」
アルドは、ほんの少し耳を赤く染め、嬉しいくせに冷静を装っている……可愛い奴め。
「エイミー、今日はどうしたい? 私はしばらく城には行かない、結婚休暇だ」
「っ本当?! やった!」
起き上がれない私は、手足をばたつかせ、その喜びを身体全体で表現する。
「っくく、そんなに可愛く喜んでもらえるなら、たまにはこうして休みをとりたくなるな」
ええ、是非ともとってください、貴方、働きすぎですよ。
「ひとまずアルドさん、今日はわたくし、誰かさんのせいで動けませんので、一日中ベッドでイチャイチャしていたいと思いますがいかがでしょうか?」
「それは大変だ、一体誰だ、無垢な花嫁にそんな無理をさせたのは……安心しろエイミー、私がそのようなけしからん奴から、君を守ってやるからな(チュッ)……その前に腹ごしらえだ、朝食を用意させてくる、待っていてくれ(チュッ)」
ノリいいなアルド、どんだけご機嫌なんだか……。
でも、幸せだからいっか……これよこれ、私の理想とする結婚生活! 愛され妻になって、夫が食事を用意させてくれるという、至れり尽くせりの新婚初日! 一日目にして、夢がかなった気分だわっ!
女性ホルモン大分泌で、きっともっともっと綺麗になるのっ! そして私は美しさを保つっ! そして愛されるっ! YES,エンドレス!
私は一人、広いベッドの上でガッツポーズを決める。
「おそようございますレジェンド、エイミー様……昨日は結婚式に初夜と、お疲れ様でございました、早速ですが、本日のご予定は?」
何とかベッドから這い出た私は、アルドと食事をとりながら、護衛5レンジャーとの朝の打ち合わせをする。
私の5レンジャー達も、1年という月日を経て、かなり護衛らしく……なってはいない。
皆さん濃いキャラはそのままに、どんどん遠慮がなくなっていっております。
「今日はどこへも出ない、お前たちも休むといい」
私の代わりに、アルドが主人らしく伝える。
すると……。
「「「「い……いえぇぇぇぇいっっぃひゃふぉぉ!!」」」」
「……(ニコニコ)」
アルドの休日付与宣言に、一同喜びを隠すことなく声をあげて喜びだした……どれだけ嬉しいんだ……まるで一度も休みがなかった人みたいな喜びようだな、おい。
ロンだけは、無言だが、休みが嬉しいのか、ニコニコしている、可愛い。
「みんな、そんなに私の護衛が嫌なの? ショックなんだけど……」
私といても、たいして仕事なんてしていないだろうに……君たちの疲れてる所なんて、一回も見たことないけど?
「違いますよエイミー様、休みという響き……それだけで、我々には甘美な響きに聞こえるのです! 休みだからと言って、特にすることもございません(スンッ)」
ビルが言う。
「なんだ、みんなすることないの?」
「「「「……はい、特には……」」」」
「……寝る……」
てっきりみんな、休みの日は自分の研究やその他多彩な趣味などに時間を使っているものだと思っていたのだが、意外と何もしていなかったようである。
ロンは沢山寝るもんね、いいよ、いいんだよそれで、休日は惰眠を貪るものだからねっ。
「エイミー様とレジェンドは、蜜月ですし、1日中イチャイチャして過ごされるご予定ですか?」
笑顔のレイの質問に、アルドが光の速さで即答する。
「そうだ、蜜月だからな、だから誰も邪魔するなよ」
「ちょっとアルドっ」
あまりにも堂々としたイチャイチャ宣言に、私とて若干の羞恥心を感じる。
しかし、そんな私の羞恥心を煽るのがレイだ。
「で、あれば僕は全力でお二人のイチャイチャに邪魔が入らぬよう、目を光らせておきましょう! 休日出勤となりますが、致し方ありませんね!」
ピンク色の髪をなびかせ、恩着せがましく休日出勤をアピールするレイに続き、なんとサムまでもが便乗する。
「あ! 俺もっ! 休日出勤は1.35倍だもんな!」
なるほど、それが狙いか……。
みんな、結構お金に貪欲なんだよね、雇用する側としては扱いやすくていいけど。
「アルド、内祝い変わりにみんなに特別賞与出してあげてよ」
「この者たちには祝儀など貰っていないが?」
「私が祝福の言葉を貰って、とっても嬉しかったの、いつもお世話になってるし、それで十分でしょう? ね? あ、な、たっ(ニコッ)」
私はアルドの耳元で最後の言葉をささやき、フッと息を吹きかける。
「よし、出そう」
……チョロっ……大丈夫だろうかこの家の収支決裁マン……。
「「「「いぇぇええぇぃ! エイミー様、レジェンド、愛してまーす!」」」」
「……(ニコニコ)」
こうして、賑やかな食事タイムを終え、私達の前から姿を消した護衛5レンジャー。
再びアルドとの二人きりの時間だ。
「まったく、あいつらは調子がいいというかなんというか……」
「働きやすい職場の方がいい人材が長くいてくれるんだよ、働いてくれる人は大切にしなきゃ」
特にあんな特殊な能力の人達は、大切にした方がいい。
「エイミーには時々驚かされる、そういった考え方もユノンの世界では一般的なのか?」
どうやらこの世界では、仕事は基本的に終身雇用がほとんどで、よほどのことをしてクビになるようなことがなければ、転職などしないのだという。
おまけに、貴族の屋敷で雇用される場合は、誓約魔法によりその行動は制限されることもあるため、信頼関係といった考えもさほどないのだそうだ。
その為、職場をクビになったり事情により辞めた者は、理由はどうあれ、問題のある人間であるとされ、再就職は難しくなるのだとか。
「そうなの?!」
だから、5レンジャーはクビにならないように必死だったのか、犯罪歴に解雇歴まで付いたら、そりゃ困るわな……。
「エイミーは、わがまま可愛いエイミーの時の知識もきちんと残っているせいか、二つの世界の知識から、よりよい国を作れそうだな……そうだ、私と国を興してみるか?」
「お断りします」
ですよね、と、アルドは私の首筋にチュッと口付ける。
「エイミー、身体は痛くないか? どれ、ベッドへ運んでやろう……」
私にチュッチュとキスし続けるアルドは、どうやらそういうスイッチが入ってしまったようで、勝手に私を抱き上げ、いつの間にやら整えなおされているベッドへ私を運ぼうとする。
「このスケベ王子……でも、今日は許すっ! チュッ」
こんな真昼間から……とも思うが、いいよねっ! 蜜月だもんっ!
っと、イチャイチャにノリノリの私達だったのだが……。
アルドが私をベットに組み敷いて、濃厚なキスをしようとしたところで、部屋をノックする音がした。
「レジェンドっ! エイミー様! イチャイチャのお邪魔をしてしまい申し訳ございませんっ! ですがっ急ぎご報告がっ!」
「っち……あれほど邪魔をするなと言っておいたというのに……」
いやん、アルド怖い、魔力漏れ出てるっ!
どうやら私達は、蜜月の初日ですら、ゆっくりとイチャイチャさせて貰えないようである……。
○○●●
(アルド視点)
ようやく長年の想いを遂げ、エイミーとの結婚式を挙げた……色々驚くこともあったが、初夜を無事に済ませることが出来た……今日から私達は新婚夫婦であり、蜜月……今、私は幸せの絶頂である。
結婚式の翌日である今日は、誰にも邪魔をされずに時間を気にせず、昼間からエイミーとイチャイチャする予定でいたのに……いたのに……いたのにっ!
「……一体、なんなんでしょうか! 昨日挙式を挙げたばかりの新婚夫婦の屋敷を、何の連絡もなく訪れるとは、非常識にも程がありますよ母上!」
「あらどうしてそんなに怒るの? さすがに午前中は遠慮したのよ? ……別にいいじゃない、これから毎日一緒なのだから」
「そういう問題ではございません! 今すぐお引き取りください!」
私の幸せな時間を邪魔した、慌てたレイからの報告というのも、この国の王妃陛下……つまり私の母親の突然の襲来の知らせであった。
まぁ、レイが慌てるのも無理はない相手であったな……。
と、ここへ、簡単に身なりを整えたエイミーがやってきた。
それにしても、エイミー……あんなに脱がせにくそうな服を着込んでしまって……母上が帰った後、先ほどの続きをするのに、脱がせるのが大変じゃないか……。
軽く身なりを整えただけでも美しすぎる私の妻の背中を前に、そんな邪な事を考えていると、エイミーは母上に淑女の如く挨拶をした。
「王妃陛下にご挨拶申し上げます、昨日は私達のために素敵な結婚式を挙げて頂き、心より感謝申し上げます……して……本日は、どうされたのですか?」
「あら、エドゥアルド、エイミーさんの方がよほど礼儀正しいじゃない」
話も聞かずに追い出そうとする私とは異なり、話を聞こうとしてくれたエイミーの対応に満足気な母上は、調子にのってしまった。
「……エイミー、気を使う必要はない、我々は新婚なんだ、新婚夫婦とは何人たりとも邪魔をする事は許されない存在なんだ」
私は母上に視線を送る。
「まぁ、まぁ、アルド、陛下のおっしゃるとおり、私達にはこれから先まだまだ時間はたくさんあるわ」
「エイミー、結婚式の翌日は今日だけだ! 私にとってはこれからの君との1日1日が、二度と来ない1日なんだが」
まったく、女性よりも男である私がこのような事を口にし諭さねばならないとは……。
「あらあらまぁ……幼い頃の興味は菓子ばかりでムチムチして可愛かった我が息子が、そんなにも愛妻家になるとは驚きねっ」
母上は扇子を広げ口元を隠し笑う。
「花言葉の意味を気にして妻に花を贈ろうとなさっていた愛妻家の手本のような国王陛下に、似たのではないでしょうか?」
エイミーは、さらに母上が喜びそうな事を口にする……。
そんなに気を使うと、母上がさらに調子に乗ってしまうので、程々でいいのだが……それにしても、昔のエイミーでは考えられない言葉だ、きっと異世界人のユノンの持つ処世術なのだろうな。
エイミーは、とんでもなく面白くなったな……さすが私の妻!
「まぁ、知っていたの? 恥ずかしいわ、あの人ったらいい歳をして……それと……エイミーさん、貴女はもうエドゥアルドの妻となったのだから、私の事は陛下ではなく、母と呼んでいいのよ」
「ありがとうございます、お義母様……エスティリアにも母が出来たようで嬉しいです(ニコリ)」
母上が呼び方を改めるように言った……相当エイミーの事を気に入った証拠だな。
「ところで母上、そろそろ本題に入っては頂けませんか? 我々も(イチャイチャするのが)忙しいのです」
「ったくもう、我が息子はせっかちねっ……まぁいいわ……話しましょう……」
ようやくだ……一体、城で何があったと言うんだ……それ相応の内容でなければ、母上と言えど叩き出してやるからな……。
「……」
優雅に紅茶を口に含む母上……もったいぶっているのだろうか……。
「……悪いのです」
「……はい?」
「ですから、城の雰囲気が悪いのです!」
「「……」」
私とエイミーは、固まった。
……だから?
「せっかく孫が生まれたと言うのに、クロードとカトリーヌ、ローザの関係が本当に険悪で、とにかくやりにくいのです! このような状況では、私も陛下も孫を可愛がるにも可愛がれないの」
1年前のあの騒動から私達の結婚式までの間に、カトリーヌの腹からは、女児が生まれた。
誰もが側室であるカトリーヌが生んだ王太子の第一子が、王子ではなく、王女である事にホッと肩をなでおろしたのだが、1人だけ……王太子妃であるローザだけは、何故か気に入らない様子で、ずっと不機嫌そうなのだ。
「母上……よろしいですか、よく聞いてください……その話をする相手を間違えておられます……」
「あら、間違えてなどいないのだけど……」
「いいえ、間違えております! その問題を解決すべきは、兄上であって、断じてっ断じて、新婚夫婦である我々ではございませんっ! さぁ、お帰りください、出口はあちらです」
しかし、私が母上を追い返そうと立ち上がった所で、エイミーが私を止めた。
「アルドっ! お義母様のおっしゃる事は、王室にとって由々しき事態だわ! このままでは、お義兄様とローザ様に王子どころか子が授かる可能性も危うく……(ブツブツ)……」
「え、エイミー? だからそれは兄上がなんとかすべきであって、何も新婚夫婦の私達が時間を割いてまで考える事では……」
そして、最悪な事に、エイミーの言葉に、母上が今思いついたとばかりに、もっともらしいことを付け加えてくる。
「そうよエドゥアルド! クロードに王子が生まれなければ、王女の立太が許されていない今、貴方とエイミーさんのこれから生まれてくる子供にも関係してくるのですよ!」
「っ……!」
それは……一理あるが……
ハッ! まさか、エイミーはこの短時間でそこまで考え抜いたと言うのか?!
我が妻ながら……恐ろしいほどの先見の明である。
「エイミーさん、どうかしら……貴方の夫の生家であるエスティリア王室のために、なんとか知恵を絞ってみてはくれないかしら?」
なんということだ、嫁姑の関係でも弱い立場であるエイミーに、そんなことを要求すれば、断ることが出来ないに決まっている。
「母上っ! 断ることのできないエイミーにそのようなことを頼むなど、卑怯です!」
「あら、貴方に頼んでも何もしてくれないでしょう? ……エイミーさん、もちろん、タダで、とは言わないわ……」
なんと……袖の下まで用意しているとは……我が母にして、一国の王妃ともあろう方がすることだろうか……しかも、このようなくだらない問題で、何を、さも国の一大事のように騒いでいるのかも、私には理解できない。
しかし、文字通り母上が袖の中から取り出した一枚の紙を目にしたエイミーは、表情が一変する。
「どうしたっエイミー! 何を見せられた!?」
何か、ひどいものを見せられ、その脅迫まがいの内容に怯えているのかもしれない。
すかさず私はその手から紙を奪った。
「見ちゃダメっアルド!!」
エイミーの悲痛な声がこだまする中、私はその紙を確認する。
「……」
「……こ、これは……」
「ダメって言ってるのに……返してください、アルド……」
エイミーが返せと言って私に手を差し出している。
私は無言でその紙をエイミーに差し出し、母上を睨む。
「お母様、この件、私にお任せください……この尊い写真に誓って、必ずや王太子殿下とローザ様の仲を修復してみせますわ(二コリ)」
「エイミー?!」
エイミーは大事そうにその写真を胸に抱き、母上に約束してしまった。
(アルド視点end)
○○●●
突然の王妃様の襲来により、中断してしまった私とアルドの蜜月。
私はアルドから少し遅れ、身支度を整えてから応接へと向かうも……扉の前に到着すると、中からアルドの怒りを含んだ声が聞こえ、中に入るのを一瞬躊躇する。
……アルドの声からは、イチャイチャを邪魔されてどれほど憤りを感じているかが伺えた……。
まぁ、私も多少はめんどくさいとは思っているが、さすがに本人がここに来るなんて、何かあったのかもしれない……ひとまず礼儀をわきまえ、私は王妃様に挨拶をすることに。
王妃様との話を進めるうちにわかったのは、要は長男夫婦の関係が悪くて、後継ぎが心配なのと、側室の生んだ孫でも可愛いから気兼ねなく可愛がりたい、という王妃様のただのわがままであることが判明する。
(こんなことのために、私とアルドの蜜月を邪魔するなんて……さすが王妃様)
しかし私は考えた。
アルドの王位継承権放棄が認められない以上、もし王太子に王子が生まれなければ、もしくは王太子が早死になんてしようものなら、アルドにその座が回ってきてしまうのではないだろうか?
そうなれば、私の悠々自適な生活が脅かされてしまう……。
断固阻止せねば……。
私は、アルドと王妃様が言い合いをする中、一人そんなことを考えていた。
そして、王妃様が私に手渡してきた一枚の写真を見て、がぜんやる気を出してしまう。
何故って?
その写真とは……。
太る前の幼いアルドと、若かりしイケメン国王陛下の完全なるプライベート写真だったから。
尊すぎるその写真は、まじで国宝級だった。
私は王妃様に、作戦を練ってから準備を整えすぐに動きます、と約束し、それを聞いた王妃様は満足気に屋敷を後にした。
「エイミー……本気か?」
ああ、アルドがいじけ虫になっている。
まずはこっちを何とかしなければ、動くに動けない……蜜月を邪魔されただけでなく、この先の予定まで決まってしまったのだから、アルドは面白くないだろう。
「アルド……苦しいから、脱がせてくれない?」
私はドレスを着替えるふりをして、アルドを誘惑する。
「……」
簡易的な補正下着のリボンをスッとほどくアルド。
そして、リボンが最後のフックから外れると、はらりっと床に下着が転がった。
アルドは背中を隠すように流れる私の髪を片方に束ね、前に流すと、何も纏っていない素肌の私の背中を抱き寄せ、チュッと首筋に口付ける。
「少し汗ばんだエイミーの肌が、しっとり私に張り付く感じがたまらない……その手を放してごらん……」
自分の胸を手で隠す私に、その手をどけろ、とアルドは言う。
いつの間にやら、アルドの機嫌は直り、エロスイッチが入っていたようである……チョロいったらありゃしない。
だが、機嫌が直ったように見えているだけで、腹の底では根に持っているかもしれない……もう少し、サービスしておくか。
私はくるりと身体をアルドと向い合せ、アルドのシャツのボタンをゆっくりと外す。
すごく恥ずかしいが……いや、幸い髪の毛で若干隠れてはいるが、乳はポロり状態で、アルドの熱い視線を感じる。
そして、ボタンを外したシャツの中から、アルドの逞しい胸板をオープンにし、私はピタリと乳をアルドの胸板に押し付け、上目遣いで追い打ちをかけた。
「……アルド……ベッドに連れて行って?」
「っ! ……君ってやつは……」
身体を密着させたときに気づいたが、すでにアルドの腰元の子ドラゴンは臨戦態勢で、今にもスラックスを破って出てきそうなほど膨張していた。
抱き上げて移動する時間すら惜しかったのか、アルドは私と共にベッドの上へ転移し、そのまま私をベッドに押し倒す。
「エイミー……(チュッ)……(チュッ)……君はどこもかしこも甘いな……」
「やだっ、汗かいたのに……汚いっ……」
「エイミーに汚いところなんて一つもない、ここも、ここも……ここも」
アルドは汗の粒すらついていた私の胸の谷間に舌を這わせ、そのままゆっくりと下へと移動する。
下着をパッと脱がせ、ここも、と言いながら私の秘部を舌で愛撫しながら、くちゅりとわざと音を立てるようにその指で中をほぐす。
「っぁ……んん……っ」
「朝方まで繋がっていたからかな? まだ柔らかいね……エイミー」
言うなっ!
「んぁっ……アルド……も、もぅ……欲しいの……」
「エイミー、腰が動いてるぞ? 物足りないのか? ……ん? (ジュル……)」
人の話を聞いていないのか、わざと無視しているのか……アルドは私の願いを聞いてはくれず、執拗に突起を攻め、中の良いところを刺激し続ける。
(あ……まずい、この感じっ!!)
「ヤダっアルド、これ、ヤダっ! ……ぁあっ……んっあぁ……あ、あ、ぁっ駄目っやだやだやだっ!!」
「……っ」
まただ……私はまた潮を吹かされた。
「アルドの馬鹿っ……ひどい、やめてって言ったのにっ……」
「……エイミーも……私に聞きもせずに、勝手に母上と約束してしまった……おあいこだろう? ん?」
やっぱり根に持っていたか……。
アルドはそのまま、最高に昂った己をびしょびしょの私の中に挿し込む。
「っあぁ! ……っんぁ……やんっ……気持ち、ぃい……っ」
勝手に潮を吹かせたアルドに、怒りを感じていたはずなのに、いつの間にかその動きに気持ちよさを感じてしまい、私は自分から抱き着き、もっと奥へと彼を求めてしまっていた。
「っあぁエイミー、締まる……っ」
「ひぁんっ……んぁ……っっもっと、奥、っ……そこっあぁ、いいアルドっ好きっ!」
私はアルドに口付けを強請る。
唾液がこぼれ、まともに唇を重ね合わせられることすらできてはいない状況だが、彼が欲しくてたまらなかった。
「……エイミー、私も愛してる、君は最高だ……乱れる姿もなんて美しいんだ……」
直後、アルドの激しい抽挿により、私達は共に絶頂を迎える。
さらに彼は止まらず、そのまま私は夕食の時間まで、たっぷりと肉食ドラゴンのようなアルドに貪られてしまうのだった。
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