10 / 30
第一章
10 結婚しました R18
しおりを挟む※ 途中、AI画像あり
その日の夜、本当に私達のベッドには薔薇の花びらがハートを型どり散りばめられていた。
まるでハネムーンのリゾートホテルである。
一体誰がしたのやら……まさかアルド本人が? だとしたらかなり笑える。
(アルドってば、やる気スイッチ入りすぎ)
私は薔薇の散りばめれたベッドには上がる事が出来ず、アルドが来るのをソファで待つことに。
しかしその夜、アルドは来なかった。
「エイミーお嬢様、ベッドは片付けましたので少しお休みください……」
「んー、そうしようかなぁ……」
翌朝、部屋に来たマリーがソファでうずくまる私を見つけ、何事かと寝室のベッドを見て、何となく状況を察したのだろう。
何も言わずにベッドを片付けてくれたようだ。
アルドが一緒に寝るからと、突然取り替えられた無駄に広すぎるベッドの端で、私は一人丸くなって眠った。
その日の昼過ぎ、マクシが慌てて私の所にやってきて状況を説明してくれたのだが、到底納得出来るものではなかった。
アルドは今、この国の有力貴族であるモロー侯爵の娘、カトリーヌ・ド・モローと一緒にいるという。
それは一体何故か……それは昨晩遅くに、カトリーヌがアルドの子を身籠ったと言う知らせが届いたから。
マクシによると、アルドは昨夜、私がお風呂に入っている間に自分の手でベッドを飾り付けた後、自分も風呂へ向かったタイミングで、件の知らせを受け、急ぎモロー侯爵家へ状況を確認しに行ったのだとか。
おまけにカトリーヌは現在妊娠3ヶ月ほどで、アルドが私を婚約者として城に連れて来た事に大変なショックを受けており、今、お腹の赤ちゃんが危ない状態なのだそう……。
アルド……童貞じゃなかったんかい!
人間不信とか言って、しっかり令嬢食い散らかしてたんかい!
有力貴族の娘に手出すなんて、バカかい!
実に、ツッコミどころ満載の展開である。
え? ショック受けていないのかって?
だってさ、どうせこれって実はアルドは関係なくて、お腹の子の父親は別にいた、とかってオチじゃないの?
赤ちゃんの父親がモロー侯爵の納得出来ないような男だったとかじゃないの?
多分、アルドは巻き込まれ事故にあったんだよ。
でも、カトリーヌとヤルことヤってたから、心あたりがあって、焦って向かったんだろうから、それはちょっと許せないよね~、後にも先にもエイミーだけだ、なぁんて言ってたくせしてさぁ~……。
どうしてくれようか。
事故にあって可哀想だけど、私もこう見えてそれなりにショックよ?
し、か、も、だ、何故か、この事態が貴族の間ですでに噂になっているとか! ウケるっ!
完全にしてやられてるじゃんアルド!
でもさぁ、いくら慌てても私にひと言くらい自分の口でフォローしに来てくれても良くない?
私だから、巻き込まれ事故とかって考えに至ってるわけで、普通のご令嬢だったら、ショックで自殺しちゃうレベルじゃない?
はぁ~……。
(何か、馬鹿馬鹿しくなってきた……実家帰ろうかな……)
私はマクシを呼び、シュドティリアへの転移申請を頼んだ。
状況が状況だけに、マクシもNOとは言えなかったのか、事態が落ち着くまではご実家に、とか言って、割とすんなり申請してくれたのである。
気の利く男、マクシの好意で、特別に侍女3人も申請してくれ許可を貰えたので、私達はすぐに荷物をまとめて、シュドティリアのファリナッチ公爵家へと転移した。
「ただいまぁ~、可愛い可愛いエイミーお嬢様が、無事に出戻りましたよぉ~」
連絡無しの突然の出戻りだったため、さぞかし驚かれるかと思ったが、さすがは王室ゴシップ、すでにシュドティリアにも噂は届いていたようである。
「ああ……エイミー……可哀想に……」
母が優しく抱きしめてくれた。
どうやら父は状況の報告のためにシュドティリアの国王陛下に呼び出されているのだとか。
そらそうか、自国の公爵家の令嬢が他国の王族に弄ばれたと言っても過言ではない状況だもんね。
慰謝料とか請求するつもりなのかな……恥ずかしいからやめてほしいな。
ドタバタッバンッ!
「っ姉上!」
珍しく荒々しい登場をしたのは、私の愛する弟、アルノーだ。
「……アルノー」
何故かはわからないが、私はアルノーの顔を見た途端……ここに来てようやく涙が溢れた。
「っアルノー! うわぁ~ん! 約束だからねぇ! 出戻って来ちゃったから、一生私の事養ってよねぇ~!」
私は泣きながらアルノーに抱きつく。
少し見ない間に、ずいぶん背が高くなったようだ……え、たったひと月ちょいだよね?
恐るべし、成長期の男子。
そして、続いて駆けつけたのはやっぱりこの人……
「エイミー! (……ギュッ……!! )」
アルノーから私を受け取り、力強く私の身体を抱きしめてくれた大きく温かな身体のその人物……。
「……リュシアン……っ! お前が出戻れとか縁起でもねぇ事言うからだぁ! うわぁ~ん! バカヤロー!」
「ああ、そうだな、俺のせいだ! だから、俺が責任をとる! 結婚しようエイミー! 父上とファリナッチ公爵の許可は今しがたもらってきた! 婚約なんてすっ飛ばしていいってよ!」
……は?
「エイミーの傷ついた心を癒やしてやってくれって、お義父さんも言ってたぞっ」
何がお義父さんだ、ちょっと照れくさそうにしてんじゃねぇ! ……話がぶっ飛びすぎだよ!
「姉上、僕もそれでもいいのではないかと思っております……」
「え? アルノー? ……そんなに私を養うのが嫌なの……?」
「……違いますよ、リュシアンがずっと姉上の事を想っていたのは僕が一番よく知っていますから……リュシアンなら、幸せにしてくれますよ、姉上」
ぇ? アルノー、アルドの事、尊敬してたのにいいの?
義兄上って呼ぶの楽しみにしてたんじゃなかった?
「姉上、姉上がシュドティリア王家に嫁いでくれたら僕も鼻が高いです、自慢の姉上です!」
自慢の姉上……鼻が高い……。
ちょっと違うけど、アルノーに自慢に思ってもらえるなら、リュシアンと結婚してもいいかな? えへへ……
「うーん……」
失恋の痛みは新しい恋でって言うしね……。
別に失恋してないけどさ。
「っよし、リュシアン! その結婚、受けて立つ! 今すぐ婚姻届持って来やがれコンチクショー!」
「エイミー! それでこそエイミーだ! 婚姻届ならほらここに! 父上とファリナッチ公爵のサインもあるぞ!」
おっふ、用意がいいなリュシアン……。
そして私は、勢いに任せてサラサラと婚姻届にサインしてしまう。
「よし! エイミー、これで、今から俺達は夫婦だ!」
「いえ~い、よろしくね旦那様ぁ~」
わぁ、結婚って、こんなに簡単だったんだぁ、私とアルドって、こんなに簡単な事すら、しなかったんだね。
「何が、なんだかわからないけど、おめでとう、でいいのよね? おめでとうエイミー、リュシアン殿下」
「おめでとう、姉上、リュシアン……良かったなリュシアン、片思いが実って」
こうして私は、出戻って15分で人妻となったのだった。
しかも、この国の第2王子の妻だ……あ、ジュリエットと義姉妹になってしまったな。
○○●●
一方その頃……
(アルド視点)
「なんだとっ!? それで転移申請を許可したのか!?」
「は、はい……エイミー様にとってもこちらにいるのはお辛いでしょうし、その方がいいかと思いまして……」
なんと言う事だ……自分の口でなんの説明も出来ていないというのに、エイミーがシュドティリアに帰っただと?
彼女は絶対に誤解している。
怒っているだろうか、悲しんでいるのだろうか……傷つけてしまっただろうか……。
「っクソ……何をやってるんだ私は!」
マクシにあたるような事ではない、私が間抜けなだけだ。
それにしても、カトリーヌ嬢にしてもモロー侯爵にしても、あの親子は一体何を考えているんだ? 彼等の目的が全くわからない。
確かにあの夜、何故か泥酔した私は翌朝起きると隣にカトリーヌ嬢がいた。
もちろん、私もカトリーヌ嬢も裸で、だ。
何があったかは一目瞭然、言い逃れの出来ない状況だった。
しかし俺は自分の身体をよくわかっている。
俺の息子がエイミー以外にたつはずがない。
ましてや、右も左もわからない童貞の私が、泥酔状態でセックスなど出来るわけがないのだ。
だが、子供という状況証拠とともに、目撃者が何人もいる状況で、そんな話しが通るわけがない。
その時だった。
部屋がノックされ、電報担当がマクシに何やら耳打ちし、直後、マクシの表情は真っ青になる。
「……なんだ、今度は誰に子供が出来たんだ?」
自虐のつもりでそう口にした。
「……で、殿下……落ち、落ち着い、着いて落ち着いて聞いてください……」
「マクシ、まずはお前が落ち着け」
マクシのこれほどまでの動揺する様子をみるに、どうやらただごとではなさそうだ。
「……え、エイミー様が……」
「っ! エイミーがどうした! 彼女の身に何かあったのか?!」
まさかショックのあまり自ら命を……?
いや、そんなわけはない、あのエイミーだ。
今頃、アルノー達に、私の事を馬鹿だの間抜けだのと罵っていることだろう。
「……エイミー様とシュドティリア王家第2王子、リュシアン殿下が、ご結婚……されたとの……事、です……」
「……?」
は?
結婚? 婚約ではなくて?
「何故王族がそのようにすぐに結婚など出来るのだ! 有り得ないだろ!」
どういう事なんだ、エイミーがシュドティリアに帰ったのは、昨日今日の話しのはずだろう。
私との婚約だって正式に解消していないというのに、結婚など出来るはずがない。
「そ、それがですね、何やら、殿下の此度の騒動にたいそうお怒りのシュドティリア国王とファリナッチ公爵とが、特例として許可したようです!」
特例許可だと? ふざけるな……ホイホイと特例を使いやがって……。
「……シュドティリア国王、あの頭の沸いた家系ならあり得るな、リュシアン王子め……よくも私のエイミーを……」
どうにかして、その結婚を無効に出来ないだろうか。
「マクシ! 私との婚約が正式に解消されていないのに、その結婚は有効なのか?!」
私達が主張出来るとしたら、そこしかない。
「お、おそらくですが、婚約とは……つまり、結婚の約束であり、貴族間においては婚前契約でもありますので、シュドティリア側は、今回の騒動を殿下側の契約不履行事案として処理するのかと……つまり、婚約その物がなかった事に……」
なんという事だ。
「シュドティリアへエイミーを迎えに行く! すぐに転移申請をしろ」
「っ殿下! まずはモロー侯爵との事をハッキリさせる事が先決では?! エイミー様になんと説明するつもりなのですか!」
エイミーなら、1説明すれば10理解し、わかってくれるはずだ。
「問題ない、エイミーは戻って来る」
「っ殿下!」
私はもはや、カトリーヌ嬢もモロー侯爵も、どうでも良くなっていた。
しかし……。
「殿下、シュドティリア側が殿下の転移を許可しません……私も駄目でした」
転移申請は、出国側と入国側の双方の許可を得て可能となるのだが、どうやら今、私はシュドティリア側から入国を拒否されている状況らしい。
「っは……嫌われたものだな……たかがスキャンダルごときで……」
「たかがスキャンダル、されどスキャンダル……他者からの信用など、一瞬で失う脆いものなのです……」
ならば、方法は一つ。
「転移以外で行くしかないな」
「殿下、陸路などそれこそ無駄足です、国境で拒否されるに決まってるじゃないですか」
「国境など通らねばいい」
「は? それはつまり……不法入国するのですか?! いけません! 捕まってしまいます!」
マクシは知らないのか?
一つだけ、国境や入国許可など無しに他国に入国する方法がある事を。
「マクシ、急がねばエイミーがリュシアン王子と本当に結ばれてしまう、私は行く! 後は任せたぞ!」
「っ殿下!!」
(アルド視点end)
○○●●
リュシアンとの結婚を期に、周囲は私を“妃殿下”と呼ぶようになった。
本当に王族と結婚してしまったのか。
まぁ、アルドと結婚しても同じ事だけどさ。
リュシアンは、私の気持ちが落ち着くまでは、と言って王宮ではなくファリナッチ公爵家に滞在する事を許してくれており、毎晩リュシアンが我が家に転移して来て一緒のベッドで眠っている。
知り合いに会えば、皆私を可哀想な子といった目で見てくるし、同情され、でも最終的には、リュシアンとの結婚をおめでとう、と祝福されるのだ。
周りは私に気を使うし、気持ちの持って行き方が難しいだろうな、なんかすみません。
もしかすると、当時、私に婚約解消されたアルドも、エスティリアでこんな扱いを受けたのかもしれない。
自分では全く可哀想だとか悲しい、とか思ってなかったのに、不思議と周囲の言葉を聞いていると、本当に自分が可哀想な子で惨めになった気分になる。
夜、いつものようにリュシアンが来た。
「エイミー、おいで」
リュシアンがベッドの上で私を呼ぶ。
私はいつも、リュシアンに背中を預けて眠る。
アルドとの共寝生活のおかげか、誰かと一緒に眠る事に抵抗はなくなっていたので、リュシアンの事も割とすんなり受け入れられた。
とはいえ、まだ、セックスはしていない。
リュシアンいわく、結婚式の夜までとっておくのだそうだ。
私の夫は今はまだ学生で、学園を卒業後は王子としての公務をこなしながら、アルノーと一緒に魔法省へ入るそうなので、いわばエリート中のエリートである。
「ねぇリュシアン、私もそろそろなんかしたいなぁ、毎日する事ないと暇だし……王子妃って仕事ないの?」
「何言ってんだ、エイミーが大丈夫なら、結婚式の準備とか、する事なら山程あるぞ」
そうだった。
「まぁ、俺達はもう夫婦なんだ、無理すんな、ゆっくりでいいよ……あぁ~っエイミーっ! 好きだ……」
リュシアンは私の背後からギュッと抱きつき、首すじから肩にかけて、チュッチュッとキスをする。
「リュシアン……私はまだあんたが好きかはわかんない……めんご」
「いいよ、わかってる……この結婚だってヤケになったエイミーに俺がつけ込んだんだ……ゆっくり時間をかけて、俺の事好きにさせるつもり」
リュシアンはいつも言う……私がアルドを好きなのはわかってるけど、頼れる人もいない見知らぬ土地で、ひと月以上も一緒にいれば、誰でも好きになるに決まってる、と。
だから、リュシアンは私のアルドへの気持ちは吊り橋効果的な一過性の物だと思っているようなのだ。
まぁ、一理ある。
でも、アルドを好きになったのは多分、あの夜逃げしようとした夜の後だと思う……つまり、吊り橋効果とかじゃないかもしれないのよね。
まぁ、ビジュアルは元々超絶タイプなんだけどさ。
本当にアルドを忘れてリュシアンを好きになる日が来るのだろうか。
「リュシアン、魔法で髪色変えてみない? あんたの金髪見てると、アルベール殿下がチラついて、結果ジュリエットがチラついて、落ち着かないんだよね」
「髪色? 別にいいけど……何色がいい?」
リュシアンは金髪にグリーンの瞳だ。
グリーンの瞳に合う髪色かぁ、無難に茶色か赤髪か……赤だと私とかぶるしな。
アルドは光に透けると、くすんだブルーっぽいけど色が薄めの黒髪に、ブルーっぽい瞳だった。
私はどんなのが好みなのかな……考えても考えても、何故かアルドの顔ばかりが浮かんてしまう。
「……やっぱりいいや、王子の髪色が変わったら皆びっくりしちゃうもんね」
「そうか? エイミーの頼みならいつでも何でも叶えるから言えよな」
「あい~」
リュシアンは優しい、好きになれたらいいんだが。
そうだ、キスでもしてみるか?
「リュシアン」
私は身体を回転させ、背後にいるリュシアンと向かいあうと、その端正な顔を少しじっと見つめた後、自分の片手を彼の頬に添え、ゆっくりと唇を重ねた。
「っ?!」
「……」
突然の初めてのキスに、驚くリュシアンだったが、やはりそこは男、すぐにスイッチがオンとなる。
「っエイミー! ……知らないからなっ!」
形勢逆転、私はリュシアンに組み敷かれ、ベッドに押さえつけられる。
「……ん……っんん……」
強引なように見えて、とても丁寧で優しいキスだ。
私の許す範囲を伺うかのように、何度も唇を食んでは舌先でなぞりながら、決して私口内には踏み込まない。
(えぇい、じれったい! )
私はリュシアンの顔を引き寄せ固定すると、私の唇をなぞる彼の舌先をパクりと捕まえ、ゆっくりと味わい自身の舌を絡ませた。
リュシアンは欲望のままに私の舌を求め、溶け合うのではないかと思うほどに、深く深く交わる。
「んっ……はむ……ん……んんっ……」
ようやく口が解放され、大きく呼吸が出来るようになったかと思えば、容赦なく次の一手が私を試す。
「エイミー……好きだ、愛してる……」
耳元でそう囁かれたかと思えば、ねっとりとした彼の舌先か私の耳を舐め、直接響いてくる淫靡な水音に、私の女の部分が刺激され、下腹部が疼く。
執拗に耳を愛しながら、リュシアンの手は私の胸に触れ、邪魔だとばかりに、パジャマのリボンをあっと言う間に解いてしまっていた。
リュシアンは自ら私の胸の間に顔を挟み、スーハーと大きく呼吸をしながら、エイミーの匂いだ、と言って喜んでいる。
そしてプクリと立ち上がった私の胸の先を、舌先で刺激されると、私の身体はピクンと反応し、思わず声が漏れた。
「……ぁっ……ん……リュシアン……」
「エイミー、可愛い……」
ひとしきり胸を愛され、リュシアンの手は私の下に伸びた。
下着の上からそっと触れられ、ジワッと染み込む私の蜜に、リュシアンは嬉しそうに笑う。
「エロい身体だな……もう濡れてる」
私もそう思う、エイミーの身体はよく感じ、よく濡れる、男にとっては最高の身体だろう。
リュシアンは私の脚を広げ、下着をはいたままの私の秘部をさらに焦らし探るように指を這わせ、透けてしまうほどに蜜が染み込んでいるであろう下着を見ながら、彼は言った。
「……よく考えたら、もったいないな……エイミーの蜜が」
直後、パパッと手際よく下着を取り払うと、リュシアンの頭は私の太ももの間へと消え、秘部に舌を這わせた。
「っぁ……っ……んんぁっやっ……!」
私の溢れんばかりの蜜を、突起部分に塗り込むようにリュシアンの舌が動いている。
突起部分が刺激されるたびに、私は身体が弾ける。
「リュシアンっ! ゃんっぁっ……っ駄目っ! っぁあっ!」
それは、何も考えられなくなるほどに気持ちがよく、私はあっけなく果ててしまう。
「……エイミー、可愛い」
「……リュシアンっ!」
それで終わりかと思いきや、リュシアンは自分の人差し指と中指を私の口に咥えさせ、たっぷりと唾液とまとわせると、その2本の指で再び私の秘部に触れた。
「っもう! まだするの?!」
「もう1回イク所見せて」
どいつもこいつも変な性癖だな!
ってか、上手いな! 一体、どこで習うんだよ!
とはいえ、私のそんな余裕もすぐになくなってしまう。
リュシアンの指が1本、私の中に入ってきた感覚にゾクゾクしていると、さらに突起への刺激が加わった。
「っわぁ……んっあ……それやっ……」
そしてさらにもう1本、彼の指が中に入ってきた事に気付く。
今まで誰にも触れられた事のない部分に触れられている未知の感覚に、エイミーの身体は過剰に反応を示した。
「リュシアンッ、駄目っ、それ本当にっ! ……っぁ、ぁ!……っんぁあ!」
ビクンビクン! と、先ほど果てた時よりも明らかに深く感じ、絶頂をむかえてしまった。
「……リュシアン……」
「エイミー……はぁ~、入れたい……っけど我慢しとくわ……アルノーと約束したからな……クソッこんな事ならあんな約束するんじゃなかった……」
頭がぽーっとする中、リュシアンが1人でブツブツと何かを言っていたような気がするが、私はそのまま気持ちよく眠りについた。
いやはや、キスだけじゃ済まなかったぜ。
106
お気に入りに追加
651
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。


キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる