【R18・完結】婚約解消した王子が性癖を拗らせて戻ってきた

hill&peanutbutter

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第一章

7 ひと月の約束

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 けたたましい警報音が鳴り響く中、鍵をかけたはずの部屋の扉がブチ破られ、真っ先に現れたのは……。
 
 
 
 誰……? 
 
 
 
 王子じゃないんかい。
 
 
 
「ご令嬢! ご無事ですか!」
 
 
 あんた誰やねん。
 
 
「……ご無事です」
 
「っ……?! 一体何を……?」
 
 
 私達は今、真っ黒の外套をフードまでかぶり4人で輪になって手をつないでいた。
 
 事情を知らぬ人が見れば、黒魔術かなにかをやっていそうな怪しい集団そのものだ。
 どうか、荷物に気づかれませんように……。
 
 
 
 すると、少し遅れて王子がやってきた。
 
「何事だ! 近衛は何している! 一人もいないではないか!」
 
 いや、ここに一人私達の様子に困惑中の人が一人いますけどね?
 
 
「殿下! お疲れ様でございますっ! 室内、見た所異常ありません!」
 
 困惑していた騎士さんが、我に返り、王子に報告している。
 
 ええ、そうでしょうよ、異常があるとしたら、私達4人だよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「……殿下、どうやら今ほどの警報は、外から中の魔法の発動ではなく、中から外への発動だったようです……」
 
 王子の後ろに静かにあらわれ、コソッと王子に耳打ちするのは、たしか……私の事が大嫌いだと顔に書いてある、王子の側近のマクシさんだ。
 
 しかし今、決定的な事をマクシから王子に告げ口されてしまった……万事休す……でも、こんなことする婚約者、ざまぁじゃなくて今この場で婚約解消してくれてもいいんだけど。
 
 
 
「エイミー……侍女まで一緒にその恰好はまさか……黒っ……」
 
「黒魔術なんてしてませんからね!!」
 
 
 こいつ、ふざけてんのか、荷物もしっかり見てたくせに。
 
 
 
「皆の者、騒がせて悪かった、ここはもう大丈夫だ、持ち場に戻ってくれ」
 
 王子の一言で、集まりだしていた城の人々がみんな去っていく……。
 
 ああ、ただでさえ嫌われているのに、こんな時間に警報鳴らすとかとんだお騒がせ令嬢だって、また噂されて、塩対応がもう空気対応になるかもしれない。
 
 
 
 
 王子は、マリー達にも自分の部屋に戻るように指示し、部屋には私と王子の二人きりになる。
 
 
「……」
 
「……」
 
 そして両者無言。
 
 
「エイミー、まさかとは思うが侍女たちを連れて城を出ようとしたのか? こんな時間に一体どこへ行くつもりだったんだ」
 
「……ちょっとそこまで」
 
「荷物まで持ってか?」
 
 やっぱり気付いてたんじゃないか、白々しい奴め……こうなったら、今までの不満、全部ぶちまけてやる。
 
 
 
 
「王子、再婚約の話はなかったことにしましょう、誰も望んでないこんな婚約は、ハッキリ言って無駄です、誰も幸せになりません」
 
 言ってやったぜ。
 
 しかし、私の言葉に王子の表情がみるみる変わっていく。
 そう、ダークな感じに。
 
 
「っ……」
 
 私から2度も婚約解消を告げられたことがよほど悔しいのか、王子はついに本性を現した。
 
 
 
 拳を握りながら、ゆっくりと私の方に歩みを進め、私はすぐ後ろにあったバルコニーの窓に追いやられる。
 
 そして、あろうことか、王子はそのまま私に壁ドンならぬ窓ガラスドンをかましたのである。
 
 
 ガシャーンッ!
 
 
「っきゃ!」
 
 ……キャッとか咄嗟に出るんだな……。
 
 
 
 
「エイミー、君はまた私との婚約を解消しようというのか?」
 
 割れた窓に手を挿し込んだまま、王子は静かに呟いた……怒りを含んだ低い声色が、ちょっと怖い……。
 
 
「いいえ、解消ではありません、なかったことにしようと言っているんです」
「同じことだろう」
 
 
 同じじゃない、このひと月、婚約者らしいことなんて一切なかったじゃないか。
 
 
「何が不満なんだ」
 
「何が不満かって?! よくぞ聞いてくれました!」
 
 王子は低いトーンのまま、脅すように私に尋ねてきたが、いつまでも怖がっている私ではない。
 
 
「王子、ハッキリ言わせてもらいますけど、再婚約の申し込みの時の告白は嘘だったんですよね? いやぁ、迫真の演技でしたよ、すっかり本気にしてしまいましたっ! でも本当は、4年前の仕返しがしたいんでしょう?」
 
 私の確信をつく言葉にも、王子は依然として顔を伏せたままだ。
 
 どんな表情で聞いているかわからないが、ギクッとしていることだろう。
 
 
「……なぜそう思うんだ」
 
 さっきから、質問ばっかりだな。
 
「……沢山ありますけど……一番最近の事では……花祭り……」
 
「……なに?」
 
「花祭りです! なぜ誘ってくれなかったのですか! 嘘つき! 髪飾りまで贈って来たくせに! それに、愛してるだのなんだの言って、食事の時間以外全然会う事もないし、私がお城の使用人たちに冷遇されてるの知ってて放置してるし、男の声の噂だって放置してるし! 私はドエムじゃないので放置プレイは好みません!」
 
 息継ぎなしの私の主張に、王子は顔をあげてきょとんとしていた。
  
 なんだ? 心なしか頬が赤いような……。
 
 
「……そんな昔の手紙の内容を覚えていたのか? ……てっきり手紙も髪飾りも捨てられたと……」
 
 え、そこをクローズアップするの?! 今大事なのは、そこじゃないんだけど!!
 
 
「……エイミー、君の泣き顔なんて初めて見た……綺麗だ……」
 
 
 王子はガラスに突っ込んでいない方の手で、私の頬を流れる涙をすくうように、そっと触れた。
 
 自分が涙を流していることに王子のその言葉で気付いた私は、慌てて両手で涙をぬぐう。
 
 
 それにしてもこの王子、私の泣き顔見て、なんか興奮してないか?
 え、そっち系に目覚めちゃったの? やっぱり、今までのは、放置というプレイだったの?! ごめん、私にはついていけない!
 
 私の泣き顔を見て、なんだか一人で勝手に性癖に刺さって、いいムードに持っていこうとしているみたいですけど、貴方、そのガラスに突っ込んだ手、大丈夫なんですか?
 
 知りませんからね? 貴方、自分でやったんですからね?!
 
 
「エイミー、顔を見せてくれ……」
 
 顔を背けている私の顎をクィっとして、なんとしてでも私の泣き顔を見ようとする変態王子と、なんとしても見せたくない私との、攻防戦が繰り広げられる。
  
「嫌だよ、やめて変態っ」
 
 自覚のない変態王子は、変態と言われて気にさわったのか少しムスッとして、まるで興が覚めたとでも言いたげに、ガラスに突っ込んだ手を引き抜いた。
 
 として、パチン、と指を鳴らすと、一瞬で窓ガラスは元通り、王子の手も何事もなかったかのように元に戻ってしまった。
 
 
 見たこともない魔法に、私が驚いていると、王子は得意気に私に教えてくる。
 
「窓と私の手だけ、時を戻したんだ……正確には私の皮膚だがな……人体の中は戻せないから」
 
 え、つまり、皮膚の下は血が出てるってこと? 塞げばOK的な感じなわけ? よくわからん。
 
 
 
「……」
 
「……」
 
 再び沈黙。
 
「王子、私は明日、シュドティリアに帰ります」
 
「駄目だ」
 
「駄目ではありません、私に命令しないでください、私に命令できるのは私だけです」
 
「っ……!」
 
 なんだこの女、とでも言いたげな表情だな……私は一瞬たりとも王子から目をそらさずじっと見つめ続けた。
 
 すると、王子はなぜかプイッと顔を背け、偉そうに腕を組んだ。
 よく見れば彼の耳はほんのりと赤い。
 
 
「私の許可がなければ、君は国境を越えることはできないぞ」
 
「なら、許可をください」
 
 私は広げた片手を王子の前に差し出した。
 
「断る」
 
「……」
 
 なんなんだこの人は一体……。
 
「はぁ……そこまでして、私に仕返ししたいんですか? いいですよもう、土下座でもして謝りましょうか? それで満足ですか?」
 
「私は別に仕返しなどっ!」
 
 
 
 
 こいつ……この期に及んで、仕返しする気はない、などとほざくつもりなのだろうか……。
 
 
「だったら、何なんですか! どうして、私をこの国に呼んだんですか! 城の人はみんな冷たいし、王子は上っ面だけ優しいふりして、本当は私に興味なさそうだし、ひたすら暇でしたよ私! こんなの軟禁されているようなものです! 街に出ようとすれば、変な人がずっとついてくるし、監視されているみたいで気が休まりませんしぜんっぜん楽しくありませんでした! 貴方の目的は何なんですか?! 今すぐ私が解決してあげますから、言ってみなさいよ! ほらっ!」
 
 ぜぇーはぁーぜぇーはぁー……。
 
 再びのノンブレスの長台詞を言い切った私は、ゆっくりと呼吸を整える。
 
 
「……目的……」
 
 王子は、ボソッと一言だけ呟き、何やらうーん、と私の前で考え込んでしまった。
 
「……もしかして、自分が何をしたいかハッキリもしていない状態で、私を連れてきたんですか? マジで最低ですね、このクソ自己中王子」
 
「エイミー、何度か思っていたが、たまに君は知らない単語を使うよな、どこの国のなんの意味の言葉なんだ? ……マジ? ……ジコチュウとはなんだ?」
 
「話変えんな! 自己中心的思考王子! 本気と書いてマジと読むんです!」
 
 この人と話してると、イライラしてくる。
 
「とにかく、王子と私は相容れないようですので、一緒にはいない方がよろしいかと!」
 
「わかった! ならばこうしよう、エイミー、どうしたらこのままこの城に滞在し、私の婚約者でいてくれる?」
 
 どうしよう、頭が痛くなってきたぞ? この人は、子供なのか? 理由もなくただ人を側に置きたいだけで、引き留められると本当に思っているのだろうか。
 
「ですから、その心は?! なぜ、このままこの城に滞在して、王子の婚約者でいる必要があるのですか?! 先ほどから、私はそれを聞いているんですが」
 
 もうこれで最後だ、これ以上は私の血圧がヤバい。
 
「エイミーを側に置きたいんだ! ……いや、違うな、エイミーに私だけを見てほしいんだ! 私無しではいられないようになって欲しい!」
 
「……」
 
 
 あまりの堂々たる狂気的な変態発言に思わず一歩後ずさりしてしまうところだった……。
 
 でも、負けないぞ……私は先ほど窓ガラスドンした王子のように、無言で王子の前にゆっくりと歩みを進める。
 王子は、私のあまりの気迫に一歩、また一歩、と私が進むたびに、彼は後ずさりしていたが、問答無用で王子を壁まで追い詰めた。
 
 そして、バァンッと、本当の壁ドンをかましてやったのである。
 
「王子にとって、私は犬や猫と同じだとお思いですか? いいえ、犬や猫より最低ですね、魚以下ですね、朝晩のご飯を与えられるだけなのですから! 散歩も飼い主とのスキンシップもない、たまにのご褒美もない、ほんっと最低な飼い主です、王子は!」
 
 付け加えると、変な性癖まである変態でもあるしね。
 
「私の言い方が悪かった、違うんだ、私はただ……」
 
「いいです、性癖は人それぞれ、それを否定はしません、先ほどから変態という言葉を使ってはおりますが、決して否定しているわけではありませんので」
 
 私は片手を顔の前にスッと出した。
 
 
「何か誤解しているようだな……とにかくエイミー、行かないでくれ……私は……今の君も昔の君もどちらも好きだ……でも、君は変わったと思っていたが、ちっとも変ってなんかいないな、私のすべてを踏みつけるようなその傍若無人さは健在だったな」
 
 
 え……それは聞き捨てならないな……あのエイミー悪役とこのユノンわたしが同じだって言いたいのか、この男は!
 
 ってか、この王子、ドエムなの? それともドエスなの? ハイブリッドなの? 大丈夫? 
 
 昔のエイミーの女王様っぷりにあてられて、ドエムになったけど、実はそんな女王様を飼いならしたいという歪んだ思考に目覚めちゃった系?
 
 
「ところでエイミー、先ほどの答えを聞いていないぞ、君はどうしたら、婚約者として城に残り、私と結婚してくれるんだ?」
 
 
 どうやらこの王子、エイミーへの想いを、本人も知らず知らずのうちに、相当拗らせまくっているようだ。
 もはや、これは愛ではなく執着に近いのではないだろうか。
 
 
「そうですね、まずは……その私を飼いならしたい的な危ない思考はどこかに捨ててきてください、私は誰にも飼われません!」
 
「……だが、君はアルノーに寄生すると言っていたではないか! 見捨てないでくれと、縋っていたではないか! 是非とも私にも縋って欲しいんだ!」
 
 
 こいつめっついに本性を現したな! それが目的だったのか!
 やっぱり、さっき思ったエスエムのハイブリッド種だったんだな!
 
 
「それは、私とアルノーの信頼関係があってこそ、そして家族だからこその言葉です、私は別に王子に寄生する必要も縋る必要もありませんから」
 
「だから私は君を実家から遠ざけ、城で孤立させようと……っあ……」
 
 やっぱりそうだったのか……相当歪んでいるな……。
 
 
「王子、もしかして、人間不信なんですか? もしかして、痩せてかっこよくなって周りの態度が急に変わったから、誰も信じられない~っとか思っちゃってます?」
 
「……なぜそれを……っ!」
 
「そんなの、当たり前じゃないですか! 人間なんですから! 損得勘定抜きでお綺麗に生きてたら、自分の欲しいものなんて一生手に入りませんし、本能的にきれいなものに群がるのは、動物も虫も人間も同じじゃないですか? だから人は自分の外見を磨くんです、努力して、欲しいものを手に入れるんです」
 
 
 ユノンだった頃、私は常にそう思って生きていた。
 お金持ちのイケメンに見初められるように、とにかく自分の外見を磨いて、さらに内面も磨いた……それも、エイミーになっちゃってすべて無駄になっちゃったけどね。
 
「殿下は、痩せて人間不信になっただけですか?! 得たものはないんですか?! ヴァロワ辺境伯領の民からの感謝の言葉とか、強く逞しくなって、アルノーみたいに王子に憧れる人たちの気持ちは? 人は、目標があると頑張れるんです、少しでも近づけるようにと伸びるんです、殿下は世界の魔法使いに夢と目標を与えたんですよ? 殿下に群がる令嬢達だってそうです、殿下が素敵でかっこいいから、子孫を残したいという本能で、群がるんです、殿下は今や、選ばれる存在ではなく、選ぶ立場になったんですよ」
 
 
 ついつい熱くなってしまった……王子は黙って私の話を聞いていたようだが、少しは理解してくれたのだろうか。
 
 
「……私が、外見の変化によって、選ぶ立場を得たのであれば、私の欲するものは今も昔も一つだけだ……」
 
 まっすぐと私を見つめる王子。
 
「エイミー、私は君だけを欲している……君さえいてくれればそれでいいんだ……この気持ちは嘘ではない……信じてくれ……」
 
 
「人の心をつなぎとめることができるものは、いつの世も2つだけだと、私は思っています」
 
「……それは何だ?」
 
 
 え、わからないの? どれだけピュアなの王子ってば。
 
 
「お金と愛です」
 
「私はどちらもエイミーに捧げることができる! だからお願いだ、私を捨てて国に帰るなどと言わないでくれ……」
 
 
 私に縋って欲しいと言っていた男が、先ほどから私に縋っていますが、それは本人的にOKなのでしょうか?
 
 
「……それなら、ひと月だけ時間を差し上げますので示してください、私に王子のお金と愛を……とはいえ、お金は別に結構です、王子がお金を持っていることは重々承知ですけど、それって結局国民の税金だし、貢がれてもいい気分はしないですし……」
 
「いや、私の魔法事業で得た個人資産が山ほどある、それこそ、金塊の山もある」
 
 え? 金塊の山? ……おっと、危ないよだれが……淑女でアレ、わたしっ……。
 
「愛は……どうやって示せばいいんだ?」
 
「自分で考えてくださいそんなことっ! ただ……」
 
「……ただ?」
 
 私の顔を覗き込む王子の顔が、近い……イケメンがドアップでドキドキしちゃう……捨てられた子犬みたいで可愛い……くそぅ……負けるな私!
 
 
「殿下が太っていた時に私に送ってくれていた手紙は、一つも残さず私の宝物にします……」
 
「……つまり、また太って手紙を送ればいいのか?」
 
「っち、がーうっっ! いいですか?! エイミーはデブが嫌いなんです、エイミーの持論ですが、デブは自分の食べたいという欲求に勝てずに好きに食べ、痩せるという努力すらしない、いわば意志の弱い怠け者だと思うから、そんな人とは結婚したくない、と言いたかったんです!」
 
「……そ、そんな深い理由が隠されていたのか……さすがは私の惚れた女性だ……ならばやはりエイミーは、幼少期から、私にこのままでは一国の王子として駄目だと諭してくれていたんだな……」
 
 なんだか、勝手にいいように解釈してくれている。
 
「ならば、今の体型は維持するとして、他には何をしたらいい? 手紙か?」
 
「手紙は会いたくても会えない人へ大切な気持ちを届ける手段です……王子が気持ちを伝えたい相手は会いたくても会えない人なのですか?」
 
「いいや……今、目の前で私を叱ってくれている美しい女性だ……」
 
 王子、目がとろんとしているぞ……なんだか、おかしな宗教の教祖にでもなったような気分である。
 
「それなら、直接王子の気持ちを伝えればいいんです、言葉で心に身体で身体に……」
 
 その時、ゴクリ……と王子の喉が鳴った……いったい何を想像したのやら。
 
 
 
「わかった……ひと月だな……私は必ず変わると約束しよう、ひと月後、エイミー、必ず君の心をつなぎとめてみせる」
 
 
 本当は、昔の王子の気持ちを思い出してくれさえすれば十分伝わるんだけどね。
 
 
「ひとまず明日からだ、今夜は寝ずに作戦を練る」
 
「ちゃんと寝てください、自分の身体をないがしろにする人は好きになれません」
 
「わかった、ちゃんと寝よう」
 
 
 ヤバい、可愛い……イケメンが忠実なわんこになった気分! たまんない!
 
 
「約束だぞ、ひと月は国へ帰ろうとするなよ!」
 
「わかりました、約束します」
 
 
「ならいい、今日はもう休め、お休み……愛してるエイミー、いい夢を……チュッ」
 
 王子は、私の額にチュッとキスをして、去って行った。
 
 
 
 
 コレはまずい、私、こんなにチョロかっただろうか……早々にほだされてしまうかもしれない……。
 
 
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