【R18・完結】あなたの猫になる、いたずら猫は皇帝陛下の膝の上

1 どついたる

　
　
　
「この……嘘つき野郎！　私をこんな所に連れてきてどうするつもりなのよ！」
　
　
　私は、自分をここに連れてきた張本人である目の前の男を、思いっきりドツき飛ばした。
　　
　男は、体制を崩し、後ろへ転がる。
　
　……ちょっと女に小突かれたくらいで大げさなっ……まったく、体幹がなってないのよ。
　
　ちょっと小突いた、というレベルではなかったが、自分のしたことは高い棚の上に上げるのが得意な私。
　
　
「な、なぜそのように声を荒げるのだ！　お前のような女なら、誰もが憧れる場所であろうが！」
　
　
　体幹のなっていない男は、なぜ私がこんなにも怒っているのか、まったく理解できていないようだ。
　
　いいだろう、それなら教えてやろうじゃないの……。
　
　
「私をそこら辺の女と一緒にしないで！　いーい？　私はね、“三度の飯よりセックス同衾が好き”なのよ！　後宮・・なんか、死んでもごめんだわ！　今すぐここから出して！　花街に帰しなさいよ！」
　
　
　
　花街一番の“ゲテモノ専用遊女”と呼ばれたこの私。
　あろう事か、客に騙され、この国で最も高貴な方が住まう、後宮に連れてこられてしまって、さぁ大変。