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21.ろまんちすとと星を見よう
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不意に、足首を掴まれた。
「何してるのよ」
飛び跳ねた心臓を悟られないように、強気で問いかける。
「星見てんだ。お前も見ねえ?」
遠山だった。暗くてわかりゃしない。あたしはその場に腰を下ろす。
旧インターの出口が、この日の宿だった。天井は星空。
遠山は、もとは芝生だっただろう草むらにごろんと寝ころんでいる。
夜露がひどいのではないか、と思ったらそうでもないらしい。
「阿部センが、あんたのことろまんちすとだって言ってたけど、確かにそうだね」
「何だそれ」
「だから、何か、星とか見て綺麗だ~とか言ってるからさ」
「綺麗だからな」
短く、だけどはっきりと遠山は言った。
「そんなに好き?」
「ああ」
ふうん。あたしもそのまま空を見上げる。
夏の夜空は、冬ほどの星が見えるという訳ではない。だけど、照明一つないこんな場所で見ると、星で空が一杯に埋まってしまっているのがよく判る。
陽が暮れたあたりで、何とかあたし達は豊橋までたどりついていた。
正確に言えば、その近くの豊川だ。
この間、久野さんと車で行った時に、旧高速を降りたところ。そこの稲荷神社は、若葉に言わせると、かなり有名なとこらしい。
名古屋の熱田神宮とこの豊川稲荷は、新年の初詣が、このあたりでは一、二を争う人出となるという。
ここで道を変えて、そのまま山側へ上っていく。これからがきついのだ。
「何であんた、星とか好きなのよ」
「綺麗だから」
「それだけ? だってもっと綺麗なものだって色々あるじゃない」
「お前、妙な聞き方するよなあ。普通は、そんな役に立たんものどーすんの、とか聞くぜ」
むく、と彼は身体を起こす。
「普通はどーだっていいじゃない。星も確かに綺麗だけど、何かもっと、手の届くとこに綺麗なものだってあるじゃないの? それこそ女の子とかさあ」
「ふうん、お前俺に手ぇ出して欲しいの?」
げ、と思わずあたしは後ずさりする。ばーか、と遠山は肩わすくめる。
「売約済みの女になんか手ぇ出さねーよ」
「誰が」
「お前。だって好きな奴いるんだろ? 若葉ちゃんもそう言ってたしさあ」
「……って、それは」
言いごもる。
何となく、そこでそうやって思われてしまうのは嫌だった。決めつけられるは嫌だった。あたし自身、まだ答えが出てないことだと言うのに。
「好きかどうか、なんて、判らないし」
「あのなあ、見てりゃ判るぜ」
「見て判るっての? あたしのことだっていうのに」
少しばかりかちんと来て、思わず言い返す。
「あのなあ」
呆れたような声になる。表情は見えない。
「時には、自分より他人の方が、よく見えることがあるんだぜ? たとえば」
不意に遠山は、あたしの肩を強く掴んだ。
そのまま、ぐい、と大きな手で、うしろ頭を抱えられ、―――キスされてた。
「何すんの!」
反射的に手が出た。相手が避けないから、それはほっぺたに命中した。
「……ってえなあ」
「あんたがそんなことするからでしょーに!」
「って、嫌だろ?」
「え?」
「だから、好きでも何でもない俺にこーんなことされたら、嫌だろ?」
「嫌だよ!」
「そういうとこは正直だよなー、お前。だからさ、それが嫌じゃない奴が居たら、そいつのことは『好き』なんじゃねーの?」
ぐっ、と言葉に詰まる。
「そこまでそうなったことはないわよ。だから判らないでしょ」
「ま、そうなっちゃ、俺もどうこう言ってもしょーがないけどよ。女ってのは難しいからさ」
「ふうん。ずいぶんと色んな女の子とつきあってたんじゃない?」
やや皮肉混じりにあたしは問いかける。
「付き合った奴は居たさ。だけど」
真面目な口調。
「本気だったのは、一人だけだった。そいつが星が綺麗だってことを教えてくれた」
そうなんだ。あたしは大きくうなづいた。
「中等の半分までは、俺も優等生だったんだぜ? 信じられるかよ?」
あたしは大きく首を振る。
「だけど途中から嫌になった。どれも判るけど、つまんなくなった。結局は、どんな勉強をしようが、先は見えてる。俺は奴らのように、村へ帰ってこい、とかいうのはないけれど、親父のあとを追ってこい、ってのはある」
「それは嫌だった訳?」
「その頃まではあまりそんなことも考えてなかった。ただ、ぼんやりと違うな、とは思ってた。何が違う、なのかも判らない。ただもうぼんやり、あいまいに『違う』。それだけだ。だから、親父がこうしろと言った未来という奴に対しても、それが嫌なのかどうなのかすら、俺は判らなかった」
「だけど教えてもらったの? そのひとに」
「と言うか」
ふらり、と彼は空を見上げる。
「そいつは親父の関係で、紹介された女でさ、つまりは、いずれは政略結婚とか…… そういう類の奴だ。まだガキだからな、せいぜい顔会わせさせといて、後々様子を見ようってことだったろーが…… 奴らの誤算は、俺達が本気になってしまったことなんだ」
「本気に」
「そいつは俺に輪を掛けた馬鹿だったんだ」
くっ、と彼が笑うのが判る。
「二つ年上だった。何だか判らないけれど、俺達は、ぱっと見て同類だと思った。話してて、もっと思った。彼女が勧めるものは、たとえばそれが本だとか、場所だとか、何だっていい、とにかく、俺は見たことなかったものだし、それでいて、どうして今まで知らなかったんだろう、と思うようなものだった。俺の好き嫌いなんて、その時彼女がいたからできたみたいなものだ」
そこまで言うか。
「星を見ようって、夜中に誘い出しに来たのは決まって彼女のほうだった」
それはすごい、とあたしは思った。若葉が夕方に彼のところへ行くのとは訳が違うだろう。
「だから彼女だったら、親父の言いなりになったとしても、それはそれで良かったんだ。だけど、状況が変わった。彼女の親父さんが、管区議会の議員の座から落とされたんだ。それが親父さんの実力なのか、陥れられたのかは知らない。ただ、俺はその時から彼女に会えなくなった」
「え」
「そりゃあそうだ。落ち目になった奴の娘と付き合ってるとしちゃ、ウチの親父としては困る訳だ。いずれは管区知事の座だって狙ってるんだからさ。で、俺達は、お互いとても馬鹿だったので、駆け落ちなどたくらんでしまった訳だ」
「か…… けおち?」
何か今、すごい言葉を聞いたような。この目の前の男には、まるで似合わないような。
「もちろん、だめだったさ。自転車で逃げようと思った。やっぱりこの道を」
奴は今まで通ってきた、旧高速の道路を指す。
「そのまま、静岡地区を突き抜けるまでは良かった。だけど箱根の山を越えることはできなかったんだ。結局」
「……」
「俺はお前のような越境生じゃないから、関所を越えることはできなかった。通報されて、連れ戻されて、彼女は無理矢理どこか、俺の知らない奴のところに嫁がされて、俺は、と言えば、高等行き」
ふう、と彼はため息をついた。
「もう彼女には手が届かない。だけど俺には星が残った。だから、これだけは、奴らには壊させたくねーんだ」
声が真剣だった。
「だけど、地学系は難しいよ」
「判ってる」
遠山はうなづく。
地学系は学問として受け継がれているけれど、それを実際の社会に役立てないことには、食べていくことはできない。それよりまず、彼がそれで父親を説得できるとは思えない。
「だから、今回のお前らのたくらみに参加したんだ」
「どういうこと?」
「今回のことに、親父が噛んでいるのは間違いねーんだ。あれから、時々家で、親父の書斎をあさってもみた。確かにあいつにゃ不似合いな鉱物の資料とか、過去にあった絹雲母精製の会社の資料とかが結構取り散らかしてあった」
「ってあんた」
「親父の尻尾を掴んでやる」
「それって、親父さんがもし……」
「ああ、違法なことしてたら、証拠掴んで、管警に突きだしてやる」
それは。あたしは言葉を失った。いや、うまい言葉が見つからなかったという方が正しいか。
「そ、それって、何、ふくしゅう、とかそういうこと?」
「それも――― あるかも」
「それ『も』?」
「ああそれは絶対ある。あるんだけどよ」
それだけではない、と言いたそうだった。ただそれが何なのか、彼にも掴みかねてるようだった。
「何してるのよ」
飛び跳ねた心臓を悟られないように、強気で問いかける。
「星見てんだ。お前も見ねえ?」
遠山だった。暗くてわかりゃしない。あたしはその場に腰を下ろす。
旧インターの出口が、この日の宿だった。天井は星空。
遠山は、もとは芝生だっただろう草むらにごろんと寝ころんでいる。
夜露がひどいのではないか、と思ったらそうでもないらしい。
「阿部センが、あんたのことろまんちすとだって言ってたけど、確かにそうだね」
「何だそれ」
「だから、何か、星とか見て綺麗だ~とか言ってるからさ」
「綺麗だからな」
短く、だけどはっきりと遠山は言った。
「そんなに好き?」
「ああ」
ふうん。あたしもそのまま空を見上げる。
夏の夜空は、冬ほどの星が見えるという訳ではない。だけど、照明一つないこんな場所で見ると、星で空が一杯に埋まってしまっているのがよく判る。
陽が暮れたあたりで、何とかあたし達は豊橋までたどりついていた。
正確に言えば、その近くの豊川だ。
この間、久野さんと車で行った時に、旧高速を降りたところ。そこの稲荷神社は、若葉に言わせると、かなり有名なとこらしい。
名古屋の熱田神宮とこの豊川稲荷は、新年の初詣が、このあたりでは一、二を争う人出となるという。
ここで道を変えて、そのまま山側へ上っていく。これからがきついのだ。
「何であんた、星とか好きなのよ」
「綺麗だから」
「それだけ? だってもっと綺麗なものだって色々あるじゃない」
「お前、妙な聞き方するよなあ。普通は、そんな役に立たんものどーすんの、とか聞くぜ」
むく、と彼は身体を起こす。
「普通はどーだっていいじゃない。星も確かに綺麗だけど、何かもっと、手の届くとこに綺麗なものだってあるじゃないの? それこそ女の子とかさあ」
「ふうん、お前俺に手ぇ出して欲しいの?」
げ、と思わずあたしは後ずさりする。ばーか、と遠山は肩わすくめる。
「売約済みの女になんか手ぇ出さねーよ」
「誰が」
「お前。だって好きな奴いるんだろ? 若葉ちゃんもそう言ってたしさあ」
「……って、それは」
言いごもる。
何となく、そこでそうやって思われてしまうのは嫌だった。決めつけられるは嫌だった。あたし自身、まだ答えが出てないことだと言うのに。
「好きかどうか、なんて、判らないし」
「あのなあ、見てりゃ判るぜ」
「見て判るっての? あたしのことだっていうのに」
少しばかりかちんと来て、思わず言い返す。
「あのなあ」
呆れたような声になる。表情は見えない。
「時には、自分より他人の方が、よく見えることがあるんだぜ? たとえば」
不意に遠山は、あたしの肩を強く掴んだ。
そのまま、ぐい、と大きな手で、うしろ頭を抱えられ、―――キスされてた。
「何すんの!」
反射的に手が出た。相手が避けないから、それはほっぺたに命中した。
「……ってえなあ」
「あんたがそんなことするからでしょーに!」
「って、嫌だろ?」
「え?」
「だから、好きでも何でもない俺にこーんなことされたら、嫌だろ?」
「嫌だよ!」
「そういうとこは正直だよなー、お前。だからさ、それが嫌じゃない奴が居たら、そいつのことは『好き』なんじゃねーの?」
ぐっ、と言葉に詰まる。
「そこまでそうなったことはないわよ。だから判らないでしょ」
「ま、そうなっちゃ、俺もどうこう言ってもしょーがないけどよ。女ってのは難しいからさ」
「ふうん。ずいぶんと色んな女の子とつきあってたんじゃない?」
やや皮肉混じりにあたしは問いかける。
「付き合った奴は居たさ。だけど」
真面目な口調。
「本気だったのは、一人だけだった。そいつが星が綺麗だってことを教えてくれた」
そうなんだ。あたしは大きくうなづいた。
「中等の半分までは、俺も優等生だったんだぜ? 信じられるかよ?」
あたしは大きく首を振る。
「だけど途中から嫌になった。どれも判るけど、つまんなくなった。結局は、どんな勉強をしようが、先は見えてる。俺は奴らのように、村へ帰ってこい、とかいうのはないけれど、親父のあとを追ってこい、ってのはある」
「それは嫌だった訳?」
「その頃まではあまりそんなことも考えてなかった。ただ、ぼんやりと違うな、とは思ってた。何が違う、なのかも判らない。ただもうぼんやり、あいまいに『違う』。それだけだ。だから、親父がこうしろと言った未来という奴に対しても、それが嫌なのかどうなのかすら、俺は判らなかった」
「だけど教えてもらったの? そのひとに」
「と言うか」
ふらり、と彼は空を見上げる。
「そいつは親父の関係で、紹介された女でさ、つまりは、いずれは政略結婚とか…… そういう類の奴だ。まだガキだからな、せいぜい顔会わせさせといて、後々様子を見ようってことだったろーが…… 奴らの誤算は、俺達が本気になってしまったことなんだ」
「本気に」
「そいつは俺に輪を掛けた馬鹿だったんだ」
くっ、と彼が笑うのが判る。
「二つ年上だった。何だか判らないけれど、俺達は、ぱっと見て同類だと思った。話してて、もっと思った。彼女が勧めるものは、たとえばそれが本だとか、場所だとか、何だっていい、とにかく、俺は見たことなかったものだし、それでいて、どうして今まで知らなかったんだろう、と思うようなものだった。俺の好き嫌いなんて、その時彼女がいたからできたみたいなものだ」
そこまで言うか。
「星を見ようって、夜中に誘い出しに来たのは決まって彼女のほうだった」
それはすごい、とあたしは思った。若葉が夕方に彼のところへ行くのとは訳が違うだろう。
「だから彼女だったら、親父の言いなりになったとしても、それはそれで良かったんだ。だけど、状況が変わった。彼女の親父さんが、管区議会の議員の座から落とされたんだ。それが親父さんの実力なのか、陥れられたのかは知らない。ただ、俺はその時から彼女に会えなくなった」
「え」
「そりゃあそうだ。落ち目になった奴の娘と付き合ってるとしちゃ、ウチの親父としては困る訳だ。いずれは管区知事の座だって狙ってるんだからさ。で、俺達は、お互いとても馬鹿だったので、駆け落ちなどたくらんでしまった訳だ」
「か…… けおち?」
何か今、すごい言葉を聞いたような。この目の前の男には、まるで似合わないような。
「もちろん、だめだったさ。自転車で逃げようと思った。やっぱりこの道を」
奴は今まで通ってきた、旧高速の道路を指す。
「そのまま、静岡地区を突き抜けるまでは良かった。だけど箱根の山を越えることはできなかったんだ。結局」
「……」
「俺はお前のような越境生じゃないから、関所を越えることはできなかった。通報されて、連れ戻されて、彼女は無理矢理どこか、俺の知らない奴のところに嫁がされて、俺は、と言えば、高等行き」
ふう、と彼はため息をついた。
「もう彼女には手が届かない。だけど俺には星が残った。だから、これだけは、奴らには壊させたくねーんだ」
声が真剣だった。
「だけど、地学系は難しいよ」
「判ってる」
遠山はうなづく。
地学系は学問として受け継がれているけれど、それを実際の社会に役立てないことには、食べていくことはできない。それよりまず、彼がそれで父親を説得できるとは思えない。
「だから、今回のお前らのたくらみに参加したんだ」
「どういうこと?」
「今回のことに、親父が噛んでいるのは間違いねーんだ。あれから、時々家で、親父の書斎をあさってもみた。確かにあいつにゃ不似合いな鉱物の資料とか、過去にあった絹雲母精製の会社の資料とかが結構取り散らかしてあった」
「ってあんた」
「親父の尻尾を掴んでやる」
「それって、親父さんがもし……」
「ああ、違法なことしてたら、証拠掴んで、管警に突きだしてやる」
それは。あたしは言葉を失った。いや、うまい言葉が見つからなかったという方が正しいか。
「そ、それって、何、ふくしゅう、とかそういうこと?」
「それも――― あるかも」
「それ『も』?」
「ああそれは絶対ある。あるんだけどよ」
それだけではない、と言いたそうだった。ただそれが何なのか、彼にも掴みかねてるようだった。
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