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V ヴィクトーリア(帰ってきた女戦士)
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「ヴィクトーリア…… 何で帰ってきやがったんだ…… お前など前線で死んだと思っていたのに」
「残念ながら生きておりました。それがどういたしまして? ああ、なるほど、今そうやって乳繰り合っていた妹のエリザベスの方がいいという訳ですね。それで私に婚約を破棄するとか言いたいのですか?」
は、とヴィクトーリアは口角を上げて笑った。
寄り添う二人はぞっとする。
それは戦場を駆け回る肉食獣の口に思われた。
全身総毛立つ様な恐怖を覚えながらも、彼はエリザベスを脇に抱え、何とか震え声で言う。
「そ、そうだ…… お前が女だてらに従軍してからというもの、優しくしてくれたこのエリザベスこそが真の愛の相手だ! だからお前との婚約は破棄する!」
「そうですか。ところで私、実はこのたびの軍功により、国王陛下から二つの褒美をいただきました」
「褒美…… 何のことだ」
「一つはこの聖勲章」
胸元から出すそれにつけられた宝石の大きさに、男は思わずぐっ、と上半身を乗り出した。
「そして」
すっ、と彼女は腰の剣を抜き――
男の首が飛んだ。
「誰か一人、私情で殺しても構わないという権利を」
妹の悲鳴を後に、ヴィクトーリアは自分の家を後にした。
「残念ながら生きておりました。それがどういたしまして? ああ、なるほど、今そうやって乳繰り合っていた妹のエリザベスの方がいいという訳ですね。それで私に婚約を破棄するとか言いたいのですか?」
は、とヴィクトーリアは口角を上げて笑った。
寄り添う二人はぞっとする。
それは戦場を駆け回る肉食獣の口に思われた。
全身総毛立つ様な恐怖を覚えながらも、彼はエリザベスを脇に抱え、何とか震え声で言う。
「そ、そうだ…… お前が女だてらに従軍してからというもの、優しくしてくれたこのエリザベスこそが真の愛の相手だ! だからお前との婚約は破棄する!」
「そうですか。ところで私、実はこのたびの軍功により、国王陛下から二つの褒美をいただきました」
「褒美…… 何のことだ」
「一つはこの聖勲章」
胸元から出すそれにつけられた宝石の大きさに、男は思わずぐっ、と上半身を乗り出した。
「そして」
すっ、と彼女は腰の剣を抜き――
男の首が飛んだ。
「誰か一人、私情で殺しても構わないという権利を」
妹の悲鳴を後に、ヴィクトーリアは自分の家を後にした。
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