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第18話 予定されていた裏切り
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それが始まりだった。
それからあの年下の友人とのつき合いは続いていた。
結局は、落とされたのは自分だ、と彼は気付いていた。
ただそれが恋愛かと問われたら、彼もまた、上手い答えを見つけられなかったと言える。惹かれたのは事実だ。好きは好きなのだ。愛しいと言えば愛しい。だから欲しいと思った。それは間違ってはいない。それだけ取れば、間違いなく恋愛の範疇に入るだろう。
だが、それだけだろうか、と彼は時々思い出すかのように考えた。
それまでの惹かれた相手に対する感情とは確かに何処か違っていた。少なくとも、彼はそれまで枕を交わした相手に、哀しいなどという感情は持ったことがない。
あの友人と夜を過ごすたびに、何がそんなに辛いのだろう、と彼はよく考えた。だが年下の友人は、そんなことはまず口にしなかった。
プライドは高いだろう。だが教えたことが間違っていないと自分で判断すれば、素直に受け入れる。間違っていると思えば、徹底的に反論する。高いだろうと言っても、それは無闇やたらな意味の無いものではない。可愛い程度のものである。
彼の見る限りでは、友人は、毎日を一つ一つ精一杯こなしているような印象があった。他の同級の生徒とはしゃいでいる時にしても、訓練の様子にしても、お祭りごとにおいても。
なのに、彼と居る時には、その昼間にあった全てを忘れ去ってしまいたいというかのように、友人は表面的な快楽をひたすらむさぼる。まるで自分が自分であることを忘れようとしているかのように。
聞いてみようか、と思わなかった訳でもない。
だが聞いたらそこで何か、それまで自分にだけは開いていた何かが閉ざされてしまうような気がしていた。
何やら自分にしては情けないような気がしたが、それは本当だった。失うくらいなら、言いたくないことは存在する。言わなければ永遠に失わない、ということではない。だがその期間を少しでも長く長く、彼は伸ばしていたかった。
だが彼は、他の失い方を想像できなかった。
*
「何だって?」
その下士官が伝えてきた知らせは、彼の声を張り上げさせた。
「間違いではないのか?」
「間違いではありません。帰還した軍曹は、それを告げて息を引き取りました。彼が、最後だったと」
「…馬鹿な」
「ですが少佐…」
彼はまばたきすることも忘れたように目を大きく見開くと、無意識のように前髪をかき上げた。
「決死の報告です。信憑性は…」
「…黙れ」
「ヴィクトール市に出向いた部隊は全滅だと」
「黙れと言ってるだろうが!」
びくん、と下士官の肩が上下した。
*
いくらそれが本当だとしても、にわかに信じがたい物事、というものは確かに存在する。その場合、信じがたい、というのは所詮自分に対する言い訳に過ぎない。
要は、信じたくないのだ。
廊下を歩けば、何やらいつもと違う雰囲気が、自分の周囲には漂っているような気がする。目だけでちら、と確かめると、そこには明らかに起こった状況と自分を結びつけて何やら同情したような視線が感じられる。
不愉快だった。
彼は情報の真偽を問うべく、自分の直属の上司の所へと出向いた。それでもそこは上司らしく、多少喉に何やら詰まった口調であったにせよ、事実は事実として、彼に伝えてくれた。
気を落とすなよ、などと言わなかっただけ上等、と彼は思う気を落としている時に、それは最も聞きたくない台詞である。
聞かされた内容はこうだった。一昨日の未明に戻ってきた中尉…階級からして、年下の友人の直属の部下であるだろう。名前を聞いて、それが先日モニターの前で友人と何やら話していた尉官であることを思い出した。ああそうか、あれか。
それが重傷を負って戻ってきた。基地の中に急な動揺をもたらさぬよう、中尉は秘密裡に医局に運び込まれ、手当を受けたが、その甲斐なく、昨日の夕方息を引き取ったと。
その中尉が、亡くなる前に、部隊の状況を話したのだという。ヴィクトール市のレプリカント工場を、どのようにして「反乱」を起こしたレプリカントが占拠したか、そして「優秀な兵士」である自分達をどのように攻撃したか。
結果として、レプリカント達は、部隊の兵器をも奪い取って全滅させたと。
鷹はその話を聞いた時、身震いがした。
「優秀な兵士」で占められた部隊を、しかもあの友人が率いている部隊を、レプリカントは全滅させた。
彼等天使種を「全滅」させることには、なまじの方法ではできない。首をはねるとか、一瞬にして、確実に息の根を止めるか、さもなければ、再生不可能な程に肉体を拡散させてしまうか、どちらかである。
だが前者を行うには、かなりの手練れでなければ不可能であるし、そもそも、人間をその様に殺すことができるレプリカントというものが鷹には想像ができなかった。
かと言って、その肉体を一瞬にして拡散させてしまう程の衝撃…例えば熱爆発…のようなものを起こしたとしたら、その周辺にまで大きな影響をもたらすはずである。
レプリカント達は、ファクトリィを必要としている。その場所を犠牲にしてまでそのような攻撃をするはずがない。
だとしたら。
鷹は何かが引っかかっている自分に気付いていた。
「…で少将、その件について、司令はどのようにおっしゃっているのですか」
「うーん…」
額に汗を浮かべながら、彼の直属の上司である少将はうなる。上官は、第二世代の一人である。
司令に対して頭の上がる立場ではない。事なかれ、とまではいかないにせよ、長年この地で実戦に出ることもなく過ごしているうちに、緊急事態のようなものに対する耐性というものが弱まってしまったらしい。
「…何らかの対策を考えてはおられるようだが…」
予測がつかない、ということだろうか、と彼は思った。
*
するりと誰かが忍び込んでくる気配があった。
そんなことはある訳がない、と思いながらも、彼は慌てて身体を起こした。
そんなことがある訳がない。
「…少佐」
ある訳がないのだ。耳に届いたのは、顔見知りの若い下士官の声だった。彼を慕っている者の一人だった。だがその気配は、夜這いのそれとは違っていた。そう言ってしまうには、ひどく深刻すぎるものが感じられたのだ。
「…何だ? …わざわざ俺を叩き起こす程のことか?」
「はい」
よほど緊張しているのだろう。何処からも聞こえないようにと、ひそめながらも声がうわずっている。
「これだけは少佐にお聞かせしたいと思って」
「だから何だ」
「生きている、らしいんです」
彼は露骨な程に眉を寄せた。そして重ねて問う。それじゃあ意味が通じないんだよ。
「何が、だ」
「あの…」
「何が、生きているんだ?」
「…少佐です」
「俺は生きているだろうが。ここに居る」
「いえ、あなたじゃあないんです。別の…」
「はっきり言え」
ひどく言いにくそうな小柄な下士官の姿が、夜目にもよく判る。そしてその答えを知っているだろう自分も。
「言うんだ」
「…G少佐です」
彼は反射的にこぶしを握りしめていた。すぐには言葉が出てこなかった。それを見たのか見なかったのか、下士官は、同じ意味の言葉をもう一度繰り返した。
そして付け足す。
「…俺は少佐も知っての通り、医局に属しています。…あの生き残りのひとは、誰もが出払ったのを見計らって、俺に頼んだんです。どうしても他の士官には言えないから、と」
「…そいつはそんなこと言えるくらいに大丈夫だったのか?」
「大丈夫、でした。だけど翌日、当番を交代した後、急に容態が悪化したって…」
それを聞くや否や、彼は握りしめたこぶしを、すぐ近くにあったベッドの枠に叩き付けた。鉄製の寝台は、ぐぉん、と低い音を立てた。
その音にびく、と小柄な下士官が震えたのも判る。だがそんな場合ではなかった。
「…判った。よく知らせてくれたな」
「あの、少佐…」
脅えている。だけど少しばかりその声には物欲しげな何かが含まれていた。
彼は下士官の手を引き寄せると、強引に口づける。そしてすぐにそれを振り解き、判った、行けと付け足した。
下士官の立ち去る足音を聞きながら、彼は殴りつけてやや熱を持っている手をさする。そして言われた言葉の意味を考え始める。
生きている? 奴が?
それからあの年下の友人とのつき合いは続いていた。
結局は、落とされたのは自分だ、と彼は気付いていた。
ただそれが恋愛かと問われたら、彼もまた、上手い答えを見つけられなかったと言える。惹かれたのは事実だ。好きは好きなのだ。愛しいと言えば愛しい。だから欲しいと思った。それは間違ってはいない。それだけ取れば、間違いなく恋愛の範疇に入るだろう。
だが、それだけだろうか、と彼は時々思い出すかのように考えた。
それまでの惹かれた相手に対する感情とは確かに何処か違っていた。少なくとも、彼はそれまで枕を交わした相手に、哀しいなどという感情は持ったことがない。
あの友人と夜を過ごすたびに、何がそんなに辛いのだろう、と彼はよく考えた。だが年下の友人は、そんなことはまず口にしなかった。
プライドは高いだろう。だが教えたことが間違っていないと自分で判断すれば、素直に受け入れる。間違っていると思えば、徹底的に反論する。高いだろうと言っても、それは無闇やたらな意味の無いものではない。可愛い程度のものである。
彼の見る限りでは、友人は、毎日を一つ一つ精一杯こなしているような印象があった。他の同級の生徒とはしゃいでいる時にしても、訓練の様子にしても、お祭りごとにおいても。
なのに、彼と居る時には、その昼間にあった全てを忘れ去ってしまいたいというかのように、友人は表面的な快楽をひたすらむさぼる。まるで自分が自分であることを忘れようとしているかのように。
聞いてみようか、と思わなかった訳でもない。
だが聞いたらそこで何か、それまで自分にだけは開いていた何かが閉ざされてしまうような気がしていた。
何やら自分にしては情けないような気がしたが、それは本当だった。失うくらいなら、言いたくないことは存在する。言わなければ永遠に失わない、ということではない。だがその期間を少しでも長く長く、彼は伸ばしていたかった。
だが彼は、他の失い方を想像できなかった。
*
「何だって?」
その下士官が伝えてきた知らせは、彼の声を張り上げさせた。
「間違いではないのか?」
「間違いではありません。帰還した軍曹は、それを告げて息を引き取りました。彼が、最後だったと」
「…馬鹿な」
「ですが少佐…」
彼はまばたきすることも忘れたように目を大きく見開くと、無意識のように前髪をかき上げた。
「決死の報告です。信憑性は…」
「…黙れ」
「ヴィクトール市に出向いた部隊は全滅だと」
「黙れと言ってるだろうが!」
びくん、と下士官の肩が上下した。
*
いくらそれが本当だとしても、にわかに信じがたい物事、というものは確かに存在する。その場合、信じがたい、というのは所詮自分に対する言い訳に過ぎない。
要は、信じたくないのだ。
廊下を歩けば、何やらいつもと違う雰囲気が、自分の周囲には漂っているような気がする。目だけでちら、と確かめると、そこには明らかに起こった状況と自分を結びつけて何やら同情したような視線が感じられる。
不愉快だった。
彼は情報の真偽を問うべく、自分の直属の上司の所へと出向いた。それでもそこは上司らしく、多少喉に何やら詰まった口調であったにせよ、事実は事実として、彼に伝えてくれた。
気を落とすなよ、などと言わなかっただけ上等、と彼は思う気を落としている時に、それは最も聞きたくない台詞である。
聞かされた内容はこうだった。一昨日の未明に戻ってきた中尉…階級からして、年下の友人の直属の部下であるだろう。名前を聞いて、それが先日モニターの前で友人と何やら話していた尉官であることを思い出した。ああそうか、あれか。
それが重傷を負って戻ってきた。基地の中に急な動揺をもたらさぬよう、中尉は秘密裡に医局に運び込まれ、手当を受けたが、その甲斐なく、昨日の夕方息を引き取ったと。
その中尉が、亡くなる前に、部隊の状況を話したのだという。ヴィクトール市のレプリカント工場を、どのようにして「反乱」を起こしたレプリカントが占拠したか、そして「優秀な兵士」である自分達をどのように攻撃したか。
結果として、レプリカント達は、部隊の兵器をも奪い取って全滅させたと。
鷹はその話を聞いた時、身震いがした。
「優秀な兵士」で占められた部隊を、しかもあの友人が率いている部隊を、レプリカントは全滅させた。
彼等天使種を「全滅」させることには、なまじの方法ではできない。首をはねるとか、一瞬にして、確実に息の根を止めるか、さもなければ、再生不可能な程に肉体を拡散させてしまうか、どちらかである。
だが前者を行うには、かなりの手練れでなければ不可能であるし、そもそも、人間をその様に殺すことができるレプリカントというものが鷹には想像ができなかった。
かと言って、その肉体を一瞬にして拡散させてしまう程の衝撃…例えば熱爆発…のようなものを起こしたとしたら、その周辺にまで大きな影響をもたらすはずである。
レプリカント達は、ファクトリィを必要としている。その場所を犠牲にしてまでそのような攻撃をするはずがない。
だとしたら。
鷹は何かが引っかかっている自分に気付いていた。
「…で少将、その件について、司令はどのようにおっしゃっているのですか」
「うーん…」
額に汗を浮かべながら、彼の直属の上司である少将はうなる。上官は、第二世代の一人である。
司令に対して頭の上がる立場ではない。事なかれ、とまではいかないにせよ、長年この地で実戦に出ることもなく過ごしているうちに、緊急事態のようなものに対する耐性というものが弱まってしまったらしい。
「…何らかの対策を考えてはおられるようだが…」
予測がつかない、ということだろうか、と彼は思った。
*
するりと誰かが忍び込んでくる気配があった。
そんなことはある訳がない、と思いながらも、彼は慌てて身体を起こした。
そんなことがある訳がない。
「…少佐」
ある訳がないのだ。耳に届いたのは、顔見知りの若い下士官の声だった。彼を慕っている者の一人だった。だがその気配は、夜這いのそれとは違っていた。そう言ってしまうには、ひどく深刻すぎるものが感じられたのだ。
「…何だ? …わざわざ俺を叩き起こす程のことか?」
「はい」
よほど緊張しているのだろう。何処からも聞こえないようにと、ひそめながらも声がうわずっている。
「これだけは少佐にお聞かせしたいと思って」
「だから何だ」
「生きている、らしいんです」
彼は露骨な程に眉を寄せた。そして重ねて問う。それじゃあ意味が通じないんだよ。
「何が、だ」
「あの…」
「何が、生きているんだ?」
「…少佐です」
「俺は生きているだろうが。ここに居る」
「いえ、あなたじゃあないんです。別の…」
「はっきり言え」
ひどく言いにくそうな小柄な下士官の姿が、夜目にもよく判る。そしてその答えを知っているだろう自分も。
「言うんだ」
「…G少佐です」
彼は反射的にこぶしを握りしめていた。すぐには言葉が出てこなかった。それを見たのか見なかったのか、下士官は、同じ意味の言葉をもう一度繰り返した。
そして付け足す。
「…俺は少佐も知っての通り、医局に属しています。…あの生き残りのひとは、誰もが出払ったのを見計らって、俺に頼んだんです。どうしても他の士官には言えないから、と」
「…そいつはそんなこと言えるくらいに大丈夫だったのか?」
「大丈夫、でした。だけど翌日、当番を交代した後、急に容態が悪化したって…」
それを聞くや否や、彼は握りしめたこぶしを、すぐ近くにあったベッドの枠に叩き付けた。鉄製の寝台は、ぐぉん、と低い音を立てた。
その音にびく、と小柄な下士官が震えたのも判る。だがそんな場合ではなかった。
「…判った。よく知らせてくれたな」
「あの、少佐…」
脅えている。だけど少しばかりその声には物欲しげな何かが含まれていた。
彼は下士官の手を引き寄せると、強引に口づける。そしてすぐにそれを振り解き、判った、行けと付け足した。
下士官の立ち去る足音を聞きながら、彼は殴りつけてやや熱を持っている手をさする。そして言われた言葉の意味を考え始める。
生きている? 奴が?
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