34 / 46
第34話 「もしかして、俺のことを言っているのか?」
しおりを挟む
8回の裏にそれは起こった。
それまでも少なからず、スタンドの観客席から聞こえてはいた。つぶやきと、問いかけのような形で、それは、ざわざわと。
何だろう、とマーチ・ラビットは思っていた。妙にそのざわざわしたものは、彼のやや長く伸びた後ろ髪にまとわりつく。
彼の居た三塁側ベンチの真上でも、そのざわめきは次第に大きくなってきてはいた。いや、むしろそれは、そこを中心にしておきつつあった、と言ってもおかしくはなかった。
波は、次第に広がっていく。
マーチ・ラビットは首をかしげつつも、マウンドに向かった。
気にはなる。だが現在は試合中だった。試合中に気を散らしてはならない、と彼は考えていた。それが誰に言われた訳ではなく、自分の中から湧いてくるものであることを、彼は気付いていなかったのだが。
現在、一点の優勢。その一点をどうしても守らなくてはならない。
一度引っ込んでしまったからには、彼に変わってストンウェルが出るということはない。マーチ・ラビットは何とかして、自分がこの回を押さえなくてはならないことを心に刻む。
ヒュ・ホイのサインを見てうなづき、彼はワインドアップから思い切り投げた。
最初に彼が出てきた時には見送ったサンライズの打者達は、その次の回から、攻撃に出てきた。やはりある程度様子を見ていたのか、と彼は納得する。
三振もとったが、打たせてアウトにする、というパターンも多かった。それには守備陣の力も大きい。
スクェアは彼の背後で、派手ではないが、確実にボールを取って、安定した送球で一塁を刺したし、テディベァルは三塁側に飛んだ打球を、その持ち前の足腰で、ジャンピングキャッチの離れ業を何度もやってのけた。
皆が皆、このサンライズと対等に戦っているのだ。自分はそれに応えなくてはならない。
「ストラック・アウト!」
主審が手を挙げる。三球三振、だった。ふう、と彼は帽子を取り、汗をぬぐう。
その時、だった。一つの声が、高く、球場内を飛んだ。
「D・D!」
彼は格別、その声に気を取られることはなかった。―――その声が一つであるうちは。
だが同じ名を呼ぶ声は、次第に増えていった。ざわめきの中にある戸惑いの、次第に膨らみつつあったものが、その一つの声を皮切りに、ついに弾けた。
「D・D!」
「D・D!」
「D・D!」
次第にその声は、球場の中で、大合唱となる。
彼は一体何が起きたんだ、とその大合唱の真ん中で、大きな目を見開き、この急激に変化した空気に戸惑っていた。
首筋が、ざわざわとする。長めの髪が逆立つ思いだった。
「タイム」
審判が手を挙げる。何だろう、と思っていたら、スクェアが、彼のそばに寄ってきた。他のメンバーも、それが合図であったかの様に、マウンドのマーチ・ラビットの元へと集合する。
その間にも、スタンドからの声は続いていた。いや、どんどん大きくなって来る。怖いくらいに揃いつつあった。
「……何だと思う? ラビイ」
腰に手を当てたスクェアは、落ち着いた声でマーチ・ラビットに問いかけた。
「何って」
「それとも、それでも、判らないか?」
彼は眉を大きく寄せた。言っている意味が、理解できない。
「あれは、お前を呼んでるんだぜ」
「俺?」
何を言ってるんだ、とマーチ・ラビットは眉を寄せる。
「嘘じゃあないさ」
ライトからゆっくりと近づいてきたペトローネも、そう付け足した。
「スタンドを埋めている、あの観客達は、あのD・Dが、この場に復活したことを、感じてるんだ。コモドドラゴンズの、伝説の投手の男を」
は? とマーチ・ラビットは顔を歪める。ふむ、という顔で、トマソンはうなづく。
「やっぱりそうだったのかよ。名前はともかく、どっかで見たことあるよなあ、と思ったけど」
「俺なんかちゃーんと気付いてたもんねー」
へへへ、とテディベァルは笑う。
「けど皆さん、早のみこみはいけない。彼自身はどうなのです」
ミュリエルはあごに手を当てると、マーチ・ラビットの方を見た。
「何だよ先生、あんたは見たことないのかよ? あんな有名人だったんだぜ?」
「そうかもしれない。だけど、他人の空似ということもあるかもしれない」
「ふうん?」
テディベァルは口を尖らせて、くい、とマーチ・ラビットの顔をのぞきこむ。
「ちょ…… ちょっと待ってくれよ」
のぞき込まれた方は首を横に振りながら、グラブを付けた手で、球をぎゅっと握りこむ。
「さっきから、一体何のことを言ってるんだ? もしかして、俺のことを言っている、のか?」
「そうだ」
スクェアは短く答えた。真剣な目が、自分を見据えているのを、マーチ・ラビットは感じる。その視線を受け止めているのが、ふとたまらなくなり、彼はまた目を逸らし、首を横に振る。
「嘘だ」
「あんたが嘘だと言おうと、客は正直なんだぜ?」
聞き覚えのある声が、彼の右の耳に届いた。
「ビーダー?」
「ほらよく聞いてみろよ。あれは、あんたを呼ぶ声なんだ」
マーチ・ラビットはつ、と観客席を見上げた。ぐるりと彼らを囲む、小さな小さな、顔顔顔。その顔が、口々に、こう呼んでいる。D・D、と。
「それが俺の、本当の名だと言うのか?」
ビーダーはうなづく。
「俺の、消された記憶は、そういうものだったのか?」
「そうだ」
そして断言する。
「俺達は、あの頃、一緒に戦う仲間だったはずだぜ? 俺も、スクェア先輩も、ペトローネ先輩も………… そして」
ビーダーは一塁ベンチの方へあごをしゃくる。
「キダー・ビリシガージャ監督も」
それまでも少なからず、スタンドの観客席から聞こえてはいた。つぶやきと、問いかけのような形で、それは、ざわざわと。
何だろう、とマーチ・ラビットは思っていた。妙にそのざわざわしたものは、彼のやや長く伸びた後ろ髪にまとわりつく。
彼の居た三塁側ベンチの真上でも、そのざわめきは次第に大きくなってきてはいた。いや、むしろそれは、そこを中心にしておきつつあった、と言ってもおかしくはなかった。
波は、次第に広がっていく。
マーチ・ラビットは首をかしげつつも、マウンドに向かった。
気にはなる。だが現在は試合中だった。試合中に気を散らしてはならない、と彼は考えていた。それが誰に言われた訳ではなく、自分の中から湧いてくるものであることを、彼は気付いていなかったのだが。
現在、一点の優勢。その一点をどうしても守らなくてはならない。
一度引っ込んでしまったからには、彼に変わってストンウェルが出るということはない。マーチ・ラビットは何とかして、自分がこの回を押さえなくてはならないことを心に刻む。
ヒュ・ホイのサインを見てうなづき、彼はワインドアップから思い切り投げた。
最初に彼が出てきた時には見送ったサンライズの打者達は、その次の回から、攻撃に出てきた。やはりある程度様子を見ていたのか、と彼は納得する。
三振もとったが、打たせてアウトにする、というパターンも多かった。それには守備陣の力も大きい。
スクェアは彼の背後で、派手ではないが、確実にボールを取って、安定した送球で一塁を刺したし、テディベァルは三塁側に飛んだ打球を、その持ち前の足腰で、ジャンピングキャッチの離れ業を何度もやってのけた。
皆が皆、このサンライズと対等に戦っているのだ。自分はそれに応えなくてはならない。
「ストラック・アウト!」
主審が手を挙げる。三球三振、だった。ふう、と彼は帽子を取り、汗をぬぐう。
その時、だった。一つの声が、高く、球場内を飛んだ。
「D・D!」
彼は格別、その声に気を取られることはなかった。―――その声が一つであるうちは。
だが同じ名を呼ぶ声は、次第に増えていった。ざわめきの中にある戸惑いの、次第に膨らみつつあったものが、その一つの声を皮切りに、ついに弾けた。
「D・D!」
「D・D!」
「D・D!」
次第にその声は、球場の中で、大合唱となる。
彼は一体何が起きたんだ、とその大合唱の真ん中で、大きな目を見開き、この急激に変化した空気に戸惑っていた。
首筋が、ざわざわとする。長めの髪が逆立つ思いだった。
「タイム」
審判が手を挙げる。何だろう、と思っていたら、スクェアが、彼のそばに寄ってきた。他のメンバーも、それが合図であったかの様に、マウンドのマーチ・ラビットの元へと集合する。
その間にも、スタンドからの声は続いていた。いや、どんどん大きくなって来る。怖いくらいに揃いつつあった。
「……何だと思う? ラビイ」
腰に手を当てたスクェアは、落ち着いた声でマーチ・ラビットに問いかけた。
「何って」
「それとも、それでも、判らないか?」
彼は眉を大きく寄せた。言っている意味が、理解できない。
「あれは、お前を呼んでるんだぜ」
「俺?」
何を言ってるんだ、とマーチ・ラビットは眉を寄せる。
「嘘じゃあないさ」
ライトからゆっくりと近づいてきたペトローネも、そう付け足した。
「スタンドを埋めている、あの観客達は、あのD・Dが、この場に復活したことを、感じてるんだ。コモドドラゴンズの、伝説の投手の男を」
は? とマーチ・ラビットは顔を歪める。ふむ、という顔で、トマソンはうなづく。
「やっぱりそうだったのかよ。名前はともかく、どっかで見たことあるよなあ、と思ったけど」
「俺なんかちゃーんと気付いてたもんねー」
へへへ、とテディベァルは笑う。
「けど皆さん、早のみこみはいけない。彼自身はどうなのです」
ミュリエルはあごに手を当てると、マーチ・ラビットの方を見た。
「何だよ先生、あんたは見たことないのかよ? あんな有名人だったんだぜ?」
「そうかもしれない。だけど、他人の空似ということもあるかもしれない」
「ふうん?」
テディベァルは口を尖らせて、くい、とマーチ・ラビットの顔をのぞきこむ。
「ちょ…… ちょっと待ってくれよ」
のぞき込まれた方は首を横に振りながら、グラブを付けた手で、球をぎゅっと握りこむ。
「さっきから、一体何のことを言ってるんだ? もしかして、俺のことを言っている、のか?」
「そうだ」
スクェアは短く答えた。真剣な目が、自分を見据えているのを、マーチ・ラビットは感じる。その視線を受け止めているのが、ふとたまらなくなり、彼はまた目を逸らし、首を横に振る。
「嘘だ」
「あんたが嘘だと言おうと、客は正直なんだぜ?」
聞き覚えのある声が、彼の右の耳に届いた。
「ビーダー?」
「ほらよく聞いてみろよ。あれは、あんたを呼ぶ声なんだ」
マーチ・ラビットはつ、と観客席を見上げた。ぐるりと彼らを囲む、小さな小さな、顔顔顔。その顔が、口々に、こう呼んでいる。D・D、と。
「それが俺の、本当の名だと言うのか?」
ビーダーはうなづく。
「俺の、消された記憶は、そういうものだったのか?」
「そうだ」
そして断言する。
「俺達は、あの頃、一緒に戦う仲間だったはずだぜ? 俺も、スクェア先輩も、ペトローネ先輩も………… そして」
ビーダーは一塁ベンチの方へあごをしゃくる。
「キダー・ビリシガージャ監督も」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
2回目の人生は異世界で
黒ハット
ファンタジー
増田信也は初めてのデートの待ち合わせ場所に行く途中ペットの子犬を抱いて横断歩道を信号が青で渡っていた時に大型トラックが暴走して来てトラックに跳ね飛ばされて内臓が破裂して即死したはずだが、気が付くとそこは見知らぬ異世界の遺跡の中で、何故かペットの柴犬と異世界に生き返った。2日目の人生は異世界で生きる事になった

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】元婚約者であって家族ではありません。もう赤の他人なんですよ?
つくも茄子
ファンタジー
私、ヘスティア・スタンリー公爵令嬢は今日長年の婚約者であったヴィラン・ヤルコポル伯爵子息と婚約解消をいたしました。理由?相手の不貞行為です。婿入りの分際で愛人を連れ込もうとしたのですから当然です。幼馴染で家族同然だった相手に裏切られてショックだというのに相手は斜め上の思考回路。は!?自分が次期公爵?何の冗談です?家から出て行かない?ここは私の家です!貴男はもう赤の他人なんです!
文句があるなら法廷で決着をつけようではありませんか!
結果は当然、公爵家の圧勝。ヤルコポル伯爵家は御家断絶で一家離散。主犯のヴィランは怪しい研究施設でモルモットとしいて短い生涯を終える……はずでした。なのに何故か薬の副作用で強靭化してしまった。化け物のような『力』を手にしたヴィランは王都を襲い私達一家もそのまま儚く……にはならなかった。
目を覚ましたら幼い自分の姿が……。
何故か十二歳に巻き戻っていたのです。
最悪な未来を回避するためにヴィランとの婚約解消を!と拳を握りしめるものの婚約は継続。仕方なくヴィランの再教育を伯爵家に依頼する事に。
そこから新たな事実が出てくるのですが……本当に婚約は解消できるのでしょうか?
他サイトにも公開中。
「メジャー・インフラトン」序章2/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節FIRE!FIRE!FIRE! No1. )
あおっち
SF
敵の帝国、AXISがいよいよ日本へ攻めて来たのだ。その島嶼攻撃、すなわち敵の第1次目標は対馬だった。
この序章2/7は主人公、椎葉きよしの少年時代の物語です。女子高校の修学旅行中にAXIS兵士に襲われる女子高生達。かろうじて逃げ出した少女が1人。そこで出会った少年、椎葉きよしと布村愛子、そして少女達との出会い。
パンダ隊長と少女達に名付けられたきよしの活躍はいかに!少女達の運命は!
ジャンプ血清保持者(ゼロ・スターター)椎葉きよしを助ける人々。そして、初めての恋人ジェシカ。札幌、定山渓温泉に集まった対馬島嶼防衛戦で関係を持った家族との絆のストーリー。
彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。是非、ご覧あれ。
※加筆や修正が予告なしにあります。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる