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第61話 5/20-A ぞくぞくする程の刈り味

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「痛たたたたたたたた」

 腕がー筋肉痛ー…… もみもみ。

「まあそらそうだわな」

 そう言いつつ、今日は奴も自分のとこから刈り払い機を持ち出してきた。堂に入っている。さすがだ。

「燃料も持ってきた」
「え? 昨日入れたじゃん」
「お前んとこのアレじゃすぐエンジンに使われちまうって。足しとけ」

 ということで2サイクルエンジン用燃料を足し。
 ちゃんと昨日言われたことを念頭に長靴と手袋を用意し。
 日焼け防止ということで向こうさんの作業用帽子も頭にのっけられた。
 確かにこの農作業用の帽子って理にかなってるんだよなー。ただし何でこの柄なのかはいつも謎なんだけど。
 いやだって、帽子+カバーだよ。耳の下あたりとか直射日光当たると結構後でダメージあるんだぜ。
 実際もう何年も奥さん達が自転車に乗る時の帽子~とかで保護帽が結構増えてるけど、基本はこれだと思うんだよな…… 布変えただけで。

「水も用意してきた。と、熱中症用タブレットも」

 クーラーバッグに。確かに昨日の汗は酷かった……

「今の時期は油断るからな」
「りょーかい」

 ということで裏庭に。奴はもう実にざくざくと振っていく。距離を取って作業、ということでワタシは昨日の続き、奴は対角線の向こう側に。
 時々何かに当たるのか、しゃっ! と激しい音がするのにびっくりしつつも何とか続けていく。そんで絡まったら止めてとって。払えるなら払って。
 確かに下手に近づいたら怖いわこら。
 アジサイの茎程度なら花ばさみでも切れる程度だから柔らかいけど、……そっか、ウルシの二年くらいの奴なら切れるんだこれ…… 
 そう思うとちょいとぞっとする。丁寧にやるしかねえな、と。
 しかし丁寧にするには、そもそもが滅茶苦茶な植生なんだよな。地形も平坦じゃねえし。そんで何処からやってきたのか謎なものも多数だし。
 ともかくこの時期生えまくってくる野いちごの茂みとドクダミは一気に刈り払う。特に前者。これは鎌でやってる時には手袋をしていてもトゲが突き刺さってくる。……これが一気になぎ払えるのは嬉しい。
 生えだしてきた頃は、野いちごが採れるかな、と思っていたんだけど、人間は野生の生き物には勝てない。
 そうなると花を見るくらいしか用が無くなってしまう。そしてともかく増える。結果、刈りたくなる。
 とりあえず今日はそれですっきりできた。
 ただし腕は明日上がらないかもしれない。
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