36 / 65
第36話 4/29-B 足のツボ
しおりを挟む
朝起きたら、何かむにむに心地よいので、またずるずる寝てしまったー
なにごとかと思ったら、アタシが昨日やってたマッサージをこいつがやってるじゃないの。腕とか肩とか。
「何っでこいつこんな堅いんだああああ」
とか、
「くそぉ筋肉こんなにありやがって」
とか言ってるのは聞こえたけど、ゆるゆるした揉み心地たまんねー……
とか思ってうとうとしているうちに、やっぱり何だか腹立ってきたらしく起こされた。
「おはー」
「おはじゃねえよ! 何だよこの揉めない堅さ!」
「ぬはー……」
いけねまだ頭がぽわぽわしてる。つか昨日何だかんだ言って、あの後ねーさん宛のかこを三つ途中まで仕上げたんだっけ……
一つは玉ねぎとか重いのを入れるやつ。これは六つ目で太めのひごで編んで補強入れる。
それから菜っ葉系のために浅手でみっしりと底を菊にしたザルめいたもの。こいつを作るには長い長いひごが必要なのが少々厄介。
「へーこの籠には身ひご使うんだあ」
とこいつは今更の様に言う。まあそうだ。補強と、一番上を〆るのに身ひごの方がいいんだよな。
最後にまあ何でも使ってくれい、という感じの四つ目。これは底が四角くなる。補強は底だけ。
「おめーの手つき見てると、簡単そうに見えるんだけどなー」
こいつは四つ目をやろうとして思いっきり失敗していた。六つ目は重なり方がよく判らないから、竹かごの作り方としては基本なんだけどこいつはともかく敬遠する。
まあ確かに、こいつは色がついてやっと見分けがつくくらいだから、六つ目の重なりは理解するのが難しいだろなー……
とか何とか言いつつ、起きてからも何かまだ押してるから、よいしょ、とひっくり返して裏返す。
「何だよー」
「足の方にもツボがあってだな」
そう言って膝裏少し下を押してやる。
「ひえい」
「痛いだろー」
「喜ぶなっーの!」
んで、その斜め横。ひー、と声がでかいぞ。……つか腕も何だが、運んでたりしゃがんでたりしてるこの運動不足が、足が痛くない訳ねえんだ。
「あとー」
足首の、くるぶしのすぐ下。ここのツボは……
「痛いー!」
「あー血行悪いなあお前本当に。冷え性だしなー」
「悪いかーい」
「ふくらはぎは第二の心臓ってねー」
冷え性なのはそもそも運動不足でここいら辺りの筋肉がまるで無いのが原因だとアタシは思ってる。
「毎日散歩しろや」
「だったら一緒に来いや」
「裏山!」
「よし」
それでいいのか。まあいいか。
なにごとかと思ったら、アタシが昨日やってたマッサージをこいつがやってるじゃないの。腕とか肩とか。
「何っでこいつこんな堅いんだああああ」
とか、
「くそぉ筋肉こんなにありやがって」
とか言ってるのは聞こえたけど、ゆるゆるした揉み心地たまんねー……
とか思ってうとうとしているうちに、やっぱり何だか腹立ってきたらしく起こされた。
「おはー」
「おはじゃねえよ! 何だよこの揉めない堅さ!」
「ぬはー……」
いけねまだ頭がぽわぽわしてる。つか昨日何だかんだ言って、あの後ねーさん宛のかこを三つ途中まで仕上げたんだっけ……
一つは玉ねぎとか重いのを入れるやつ。これは六つ目で太めのひごで編んで補強入れる。
それから菜っ葉系のために浅手でみっしりと底を菊にしたザルめいたもの。こいつを作るには長い長いひごが必要なのが少々厄介。
「へーこの籠には身ひご使うんだあ」
とこいつは今更の様に言う。まあそうだ。補強と、一番上を〆るのに身ひごの方がいいんだよな。
最後にまあ何でも使ってくれい、という感じの四つ目。これは底が四角くなる。補強は底だけ。
「おめーの手つき見てると、簡単そうに見えるんだけどなー」
こいつは四つ目をやろうとして思いっきり失敗していた。六つ目は重なり方がよく判らないから、竹かごの作り方としては基本なんだけどこいつはともかく敬遠する。
まあ確かに、こいつは色がついてやっと見分けがつくくらいだから、六つ目の重なりは理解するのが難しいだろなー……
とか何とか言いつつ、起きてからも何かまだ押してるから、よいしょ、とひっくり返して裏返す。
「何だよー」
「足の方にもツボがあってだな」
そう言って膝裏少し下を押してやる。
「ひえい」
「痛いだろー」
「喜ぶなっーの!」
んで、その斜め横。ひー、と声がでかいぞ。……つか腕も何だが、運んでたりしゃがんでたりしてるこの運動不足が、足が痛くない訳ねえんだ。
「あとー」
足首の、くるぶしのすぐ下。ここのツボは……
「痛いー!」
「あー血行悪いなあお前本当に。冷え性だしなー」
「悪いかーい」
「ふくらはぎは第二の心臓ってねー」
冷え性なのはそもそも運動不足でここいら辺りの筋肉がまるで無いのが原因だとアタシは思ってる。
「毎日散歩しろや」
「だったら一緒に来いや」
「裏山!」
「よし」
それでいいのか。まあいいか。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
わたしと彼女の●●●●●●な関係
悠生ゆう
恋愛
とある会社のとある社員旅行。
恋人(女性)との仲がうまくいていない後輩(女性)と、恋人(男性)からプロポーズされた先輩(女性)のお話。
そして、その旅行の後……
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる