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第21話 4/21-A ゼリーはぷるぷる。ゆえに。

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「確かにそういうところがウチのおかんにはあったなー」

 うん、まあゼリーのぷるぷるから何で胸をぷるぷるさせる行動に移るのかはわからん。
 こっちの胸をぷるぷるさせながらその話題かよ、と思っても悪くねえと思うぞ。
 けどまあ、ウチのおかんに関して言えば、ドーナツ作る時もそうだった。ホットケーキミックスという非常に便利なものがあるのに、それを出来るだけ使わないようにしてたフシがあるんだよな。小麦粉とベーキングパウダーふるって~って。
 でもそれって結構何だかんだ言って手間かかるんだよな。間違ってはないけどさ!
 てなことをぶつぶつ呟いてたら、顔を上げて。

「あ、そーいや、思い出したけど、サーターアンダギーも作ったことあったじゃん」
「よぉ覚えてるなー」
「あんなんよくウチで作れるなー、ってびっくりしたんだよなー。ラードじゃなくてサラダ油だったけどさ。丸く硬く丸めてってさ、それが揚げるとぱくっと割れるの、面白くっておめーと一緒に見てたじゃん」
「うんまあ、……よく油の側で二、三年生のガキにその様子見させたなーとは思うよ……」
「あれ、そんな頃だっけ」

 むちゅ、とまた吸い出す。ぬー。
 乳は出ねえっていうの。ぬぬぬぬ。
 いやまあ陥没してるの出そうってのは判るよ判るけどなお前。

「そんでも作るの手間だからって、結局二、三度しか作ってはくれなかったよ。最終的には甘いてんぷらもどきみたいなものばかりだったと思うけど」
「ほぇ。そうだっけ? あ、あと泡立て」
「あれもなー…… ふくらし粉使えば楽なケーキを作らないでさー。ともかく天火がないって言っちゃ蒸しケーキにしようとしてたらしいんだけど、最終的にはオーブンレンジ買っても作らなかったんだよなあ…… 本物のシフォンんんんんんんん」
「ほむほむ」
「……で、そんな難しかったんかいなとハンドミキサー買ってやったら簡単じゃん…… おめー覚えてないないだろ、ちゃんとあの型で作ったやつ」
「おほへてるよほ」

 むむむむむ。
 空いた方の手で何かしてやりたいとは思うんだが! そうこっちが仕掛けようとするとこいつは読むんだ! 
 
「……だからミルクゼリーの方が好きって訳じゃねえよな?」
「ふるふるもぷるぷるも好きだぜー」

 あ、とちょっとだけ声が嬉しそうになった。嫌な予感が。

「ふるふるさせるのは好きだぜー」

 そのまま手が下へ伸びてった。このやろ、ふるふるさせられる身にたまにはなれ。
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