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第18話 4/20-B 裏の畑

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 全く昨日の間にある程度掘り返しておいてよかった。
 夜の間に雨! だったよ。つかまた降り出したよ!
 お十時によもぎの蒸しパンをしっかり詰め込んでいたにもかかわらず、昼食って、石箕抱えて、一応クーラーボックスに麦茶とおやつと、敷物も用意してアタシも一緒に掘り返し系草取りはじめた。
 ……そんでよく見てみると、柿の木の葉っぱもまあつやつや出だしているし、梅の方も実が付きだしてる。うーんちゃんと確認しとかないと。
 しかしこいつホントに足腰弱い!
 確かに時々チャリは乗ってるけど、ぽてぽて漕いでるだけだし、せいぜい郵便局や菓子屋、コンビニもどきがあるとこへ行く時くらいだし! 片道2㎞くらいの往復をたまにじゃなあ……
 かがむにもコツがあるし、靴もなー。
 ということを言い過ぎても何なんで、騒ぎ出すまで黙っておこう。
 まあそのうち梅雨になったら長靴が必要になるだろうから、その時にはホムセンに買い出しに出ようぜー。
 っておい、一緒に選ぶのはまだしばらくかかりそうか…… ああもう!
 それはともかく土が軟らかいうちに抜けるとこは抜いて、ねーさんからもらった、まだ花もついてるムスカリの球根をそのままどんどん綺麗になったとこに植えてったぜ。
 ひとまずそこはムスカリがしばらくは咲くな。周りの草をちゃんと取っていれば!
 あとはりゅうのひげが多すぎるんだけど、これはどうしようも無いしなあ。まあ見栄えとしては悪くないから放っておけばいい。
 けど気がついたらウルシの木がずいぶん増えてたのには参った。

「え? 葉っぱ綺麗だし」

とか言ってたがなあ。
 いや確かにあれは葉っぱ綺麗なんだよ。年によるが! 今年はまた綺麗に赤く色づいてるし、また葉っぱが綺麗に広がってるから惜しいんだろうがなあ…… これ放っておくとあちこちにどんどん増えるんだよな……

「切るぞー」
「え」
「切るってば!」

 さすがにそこは強く言った。

「ウルシは使うんじゃなければ、木のヤニでかぶれること多いんだからね!」

 でもまあウルシでよかったよ。キョウチクトウとか植わっていたら、始末のしようがない。毒性が強い木は厄介なんだよな。
 それを言ったらアジサイも毒性は強いんだが、まあ葉っぱを食うようなことがなければいいだろ。食ったら死ぬけどな。
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