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第17話 4/19-B 物々交換
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「おーい起きてるー?」
「いい天気だし起きたー」
「草むしりするんか? 今日だったら掘れるんじゃね?」
「あ」
……また何だかんだで考えがあっちこっち行ってたな。
「お十時にねーさんが蒸しパン作るとさ」
「あ、行く」
「何とっとく?」
「何混ぜる?」
「よもぎ、芋、レーズン?」
「よもぎ取った」
「伝えとく。それとムスカリの球根居るか? 今年花にするんなら植えとくならちょうどいいけど」
「そっちはいいんか?」
「増えすぎてさー。ねーさん今年モッコウバラが咲いたからって何か庭の色変えたいらしくって」
「だったら欲しいー。あれ綺麗だし毎年咲くし」
「わかった言っとく」
「ムスカリかー。青紫のあの花かわいくて好きなんだよなー。だけどすぐに雑草に紛れちまうのが問題なんだよなあ」
「フリージアは結構毎年咲くだろ。ああいう風に固めておけばいいんじゃね? 今日はアタシも手伝おーか?」
「え、いーの?」
「今日は日曜だし。アタシも休みだし。だったらおめーんとこの畑見ときたいし」
「頼むわー」
さすがにげんなりした顔だ。
そもそも向いてねえんだよこいつ! 畑作業に!
何か育てようってときどき考えるらしいんだがな、手入れが続かないんで結局うまくいかない。
性格! 飽きっぽいのと、まあ、今の仕事のせいもある。
だったらウチに土地貸してくれれば管理するのに、と思うんだけど、それはどうも今のとこ、したくないらしいし。
あいつの親が居たころは、まあそれなりに草取りとかしていたらしいんだけど、今はダメだなー。冬の焚き火も苦手そうだしなー。
それでも枝払いのことは後で言っておくか。
この家の梅は放っておいてもよく生るし、柿も美味いんだけど、枝が高くて取り切れない。
切らなくちゃと思いつつ放っておいてるのはよーく知ってる。
つか、あいつのハハオヤも結構ウチに切ってくれってよく頼みに来たんだぜ? それを知らないのか何なのか……
その代わりにウチが梅や柿もらってたんだから、そこんとこはとんとんなんだけどなあ。ねーさんは「今年も梅ジャム作りたいんだけどユクエちゃんに聞いてみて」って言ってるし。
道具はウチの方が揃ってるんだし。
ともかくお十時の後はアタシも草取りだな。
今日使うのは土が掘れる仕様の小さい刃の鎌と、掘り返すものだな。
石箕も持ってくか。去年初めて作ったやつ。
「いい天気だし起きたー」
「草むしりするんか? 今日だったら掘れるんじゃね?」
「あ」
……また何だかんだで考えがあっちこっち行ってたな。
「お十時にねーさんが蒸しパン作るとさ」
「あ、行く」
「何とっとく?」
「何混ぜる?」
「よもぎ、芋、レーズン?」
「よもぎ取った」
「伝えとく。それとムスカリの球根居るか? 今年花にするんなら植えとくならちょうどいいけど」
「そっちはいいんか?」
「増えすぎてさー。ねーさん今年モッコウバラが咲いたからって何か庭の色変えたいらしくって」
「だったら欲しいー。あれ綺麗だし毎年咲くし」
「わかった言っとく」
「ムスカリかー。青紫のあの花かわいくて好きなんだよなー。だけどすぐに雑草に紛れちまうのが問題なんだよなあ」
「フリージアは結構毎年咲くだろ。ああいう風に固めておけばいいんじゃね? 今日はアタシも手伝おーか?」
「え、いーの?」
「今日は日曜だし。アタシも休みだし。だったらおめーんとこの畑見ときたいし」
「頼むわー」
さすがにげんなりした顔だ。
そもそも向いてねえんだよこいつ! 畑作業に!
何か育てようってときどき考えるらしいんだがな、手入れが続かないんで結局うまくいかない。
性格! 飽きっぽいのと、まあ、今の仕事のせいもある。
だったらウチに土地貸してくれれば管理するのに、と思うんだけど、それはどうも今のとこ、したくないらしいし。
あいつの親が居たころは、まあそれなりに草取りとかしていたらしいんだけど、今はダメだなー。冬の焚き火も苦手そうだしなー。
それでも枝払いのことは後で言っておくか。
この家の梅は放っておいてもよく生るし、柿も美味いんだけど、枝が高くて取り切れない。
切らなくちゃと思いつつ放っておいてるのはよーく知ってる。
つか、あいつのハハオヤも結構ウチに切ってくれってよく頼みに来たんだぜ? それを知らないのか何なのか……
その代わりにウチが梅や柿もらってたんだから、そこんとこはとんとんなんだけどなあ。ねーさんは「今年も梅ジャム作りたいんだけどユクエちゃんに聞いてみて」って言ってるし。
道具はウチの方が揃ってるんだし。
ともかくお十時の後はアタシも草取りだな。
今日使うのは土が掘れる仕様の小さい刃の鎌と、掘り返すものだな。
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