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星間共通歴833年12月14日 記述者:マリエン・バード

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 本日はわたしは暇でした。
 ドクターのわたしが暇であるということは良いことです。
 ところで今日はお茶の時間が二回ありました。
 というのも、皆さん今日は、お出かけだったからです。
 わたしは良く知らないのですが、何でも近くのステーションで、隊長やボマーくんやフランさんが良く聞いているような音楽のバンド? のプロモーションがあったそうです。
 もっとも、フランさんは「ライヴだったらともかく、何でプロモーションにまで行きたい訳?」とおかんむりのようでしたが、隊長が行くと言ったら行くのです。
 ボマーくんは「仕方ねえなあ」とか言いつつでしたが、後で、「客の女の子が可愛かったぜ」とか言っていたので、きっと結果的には良かったのではないでしょうか。
 ちなみにその「プロモーション」の様子を二度目のお茶の時間のときにうかがいました。

 一度目のお茶はお三時です。わたしと船長とナヴィちゃんでいただきました。
 今日のお菓子はどうもクリスマス用のケーキの試作らしく、ぎっしりとドライフルーツの詰まったパウンドケーキでした。
 わたしはこうゆうものに関してコメントすることはできませんが、ナヴィちゃんはたいそう気に入ったようで、三切れも食べていました。
 それでお昼も食べられるのだろうか、とすこし心配になりましたが、消費カロリーが多いようです。ちゃんとお昼にはお昼ごはんを食べていました。
 しかし子供のうちから甘いものをこんなに常食していると、肥満のもとです。それとも肥満しない種族もいるのでしょうか。いるのかもしれませんね。いつか探してみましょう。あ、そういえばわたしの夫はそういう体質だったかもしれません。よく彼に聞いておけばよかった。

 二度目のお茶は夜の十時でした。夕食の後です。お菓子はなしです。ただ、帰ってきた彼らはそのお茶にたんとブランデーを注いでいました。
 隊長はどうもそのバンド? の太鼓が好きらしいです。でも「そんなに良い太鼓なのですか?」とわたしがたずねたところ、「違うのよドクター、隊長はあのドラマーがタイプなのよ」と言ってました。
 でも確か隊長は船長とつがいなのではなかったでしょうか。

 その船長は、にこにことその様子を聞いていました。そういえば、「そうですか、似てました?」とも言っていましたね。どういう意味なんでしょう。
 隊長は何も言わず、口の両端を横に大きく広げ、ししし、と音を立てて笑っていました。
 「太鼓は叩かなかったもんなあ」とボマーくんは言ってました。
 何でも明日あさってと、本格的にライヴがあるということで、今日はその前に、新曲のプロモーションに来たんだ、ということです。だからバンド演奏ではなく、ギターやたんばりん? とか使って、軽く歌ってくれたそうです。

 「う~ん、やっぱりあの歌は最高だぜ!」とボマーくんは帰ってからずっと顔が笑ってました。両手のこぶしを握りしめて、明日のライヴにも絶対行く、と張り切ってました。
 すると「でもあんた、当日券出るの?」とフランさんが言いました。
 するとボマーくんは「出てなかったら突っ込んでやる!」と言いました。
 そして隊長に同意を求めました。
 すると隊長は、「ああでも入り口で人間は殺すなよ」と言いました。「隊長にしては珍しいじゃない!」とフランさんは驚いてました。
 すると隊長は「殺すのはいいけど、そしたらライヴが中止になるじゃん」とのことでした。
 なるほど、と二人もうなづいてました。隊長でもそういう方法をとることがあるんですね。わたしも聞いていてびっくりしました。

 こんなかんじでいいでしょうか。明日はナヴィちゃんですね。がんばって。
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