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14 今後の方針
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俺は今まで考えてきたことを父に洗いざらい話すことにした。
「母さんへの仕打ち、俺をペット扱いと便利な跡継ぎにしようとしたこと、そのせいで従姉達に虐められたこと、その上未来にあの化粧臭い連中から出た様な女を押しつけられかねないこと。父さんの気持ち。全部一気に解消させる方法がありますよ」
「それは…… まさか」
「まあ、最大のポイントはまだ確定していないのですがね。その時は一人で行きますが、好きな子が居ます」
「化粧臭いのは駄目なんじゃないのか?」
不安げな顔で父は俺を見た。
「化粧臭くない女も居るんですよ。良い友の、楽しい家庭に育った変わった女です。だけど俺は彼女と居ると幸せな気分になれる。……ただ、彼女の気持ちを聞くにはまだ早くて。友人の妹なんで」
ああ、と父は納得した。
「卒業して、医師の資格を取る。そこまでに彼女が了承してくれる様に俺も努力します。そして確定したら、俺は彼女を彼女の家から盗み出すということに。形としてですがね」
「形として、か。話を通しはするんだな」
「向こうの家は子だくさんで。俺は休暇ごとに皆と楽しく過ごせています。向こうのご両親は爵位は無いけど実業家で、気のいい人達です。あれが家族というんだな、と思うと時々切ないですがね。信頼できる人達です」
「お前は既に信用を勝ち取っていると」
「ある程度は。だから後は、……まあ、彼女の気持ちですが」
父はうむ、と考え込んだ。
「貴族の態度としてはまずいな。ただし、あの家をぶち壊すためなら、私も協力を惜しまない。どうせ元々爵位だけの様な家だ。その生活のために男爵家の領民が働かされているという現状は私も医者として回っている中、嫌な気持ちがしていた。医師として、確実な腕を持てば、何処でも生きていけるだろう。お前は今の生活よりずっと貧しい生活でもやっていけるのか?」
「割と学校生活っていうのは、軍隊の様なものでして。質素堅実なんですよ。今でも。父さんの頃もそうではなかったですか?」
それはそうだ、と父はははは、と笑った。
「それに俺は子爵家ではいつも息を潜めて暮らしてました。あの二人を父上母上と呼ばなくてはならない生活は、できるだけ早く切り上げたい。そして、ともかく子爵家だけに被害が行く様にしたい」
「私もできるだけ姉だけに、と思いたいものだ」
「子爵はいいのですか?」
「あれはただのぼんくらだ。姉が駄目になれば勝手に自滅する」
確かに、と俺は肩を竦めた。
「とりあえず、母さんの墓参りに行きます。そして向こうの伯父さんに会ってきます。もっと向こうの家の事情を知りたいし」
そうだな、と父はうなづいた。
「しかしお前、どんな娘なんだ?」
「歴史と文学が好きで、自分で物語を書きまくっている子ですよ」
それは確かに珍しい、と父は笑った。
「母さんへの仕打ち、俺をペット扱いと便利な跡継ぎにしようとしたこと、そのせいで従姉達に虐められたこと、その上未来にあの化粧臭い連中から出た様な女を押しつけられかねないこと。父さんの気持ち。全部一気に解消させる方法がありますよ」
「それは…… まさか」
「まあ、最大のポイントはまだ確定していないのですがね。その時は一人で行きますが、好きな子が居ます」
「化粧臭いのは駄目なんじゃないのか?」
不安げな顔で父は俺を見た。
「化粧臭くない女も居るんですよ。良い友の、楽しい家庭に育った変わった女です。だけど俺は彼女と居ると幸せな気分になれる。……ただ、彼女の気持ちを聞くにはまだ早くて。友人の妹なんで」
ああ、と父は納得した。
「卒業して、医師の資格を取る。そこまでに彼女が了承してくれる様に俺も努力します。そして確定したら、俺は彼女を彼女の家から盗み出すということに。形としてですがね」
「形として、か。話を通しはするんだな」
「向こうの家は子だくさんで。俺は休暇ごとに皆と楽しく過ごせています。向こうのご両親は爵位は無いけど実業家で、気のいい人達です。あれが家族というんだな、と思うと時々切ないですがね。信頼できる人達です」
「お前は既に信用を勝ち取っていると」
「ある程度は。だから後は、……まあ、彼女の気持ちですが」
父はうむ、と考え込んだ。
「貴族の態度としてはまずいな。ただし、あの家をぶち壊すためなら、私も協力を惜しまない。どうせ元々爵位だけの様な家だ。その生活のために男爵家の領民が働かされているという現状は私も医者として回っている中、嫌な気持ちがしていた。医師として、確実な腕を持てば、何処でも生きていけるだろう。お前は今の生活よりずっと貧しい生活でもやっていけるのか?」
「割と学校生活っていうのは、軍隊の様なものでして。質素堅実なんですよ。今でも。父さんの頃もそうではなかったですか?」
それはそうだ、と父はははは、と笑った。
「それに俺は子爵家ではいつも息を潜めて暮らしてました。あの二人を父上母上と呼ばなくてはならない生活は、できるだけ早く切り上げたい。そして、ともかく子爵家だけに被害が行く様にしたい」
「私もできるだけ姉だけに、と思いたいものだ」
「子爵はいいのですか?」
「あれはただのぼんくらだ。姉が駄目になれば勝手に自滅する」
確かに、と俺は肩を竦めた。
「とりあえず、母さんの墓参りに行きます。そして向こうの伯父さんに会ってきます。もっと向こうの家の事情を知りたいし」
そうだな、と父はうなづいた。
「しかしお前、どんな娘なんだ?」
「歴史と文学が好きで、自分で物語を書きまくっている子ですよ」
それは確かに珍しい、と父は笑った。
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