上 下
117 / 170
3年後、アルク再び(俯瞰視点三人称)

54 リルが探している相手の話

しおりを挟む
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

80日間宇宙一周

田代剛大
SF
――厄介な侵略者は、突然宇宙の果てからやってくる。 高度な知性を持つ異星人が巨大な宇宙船に乗って襲来し、その都市で一番高いビルを狙って、挨拶がわりの一発をお見舞いする。 SF映画でお馴染みのシーンだ。 彼らは冷酷非情かつ残忍で(そして目立ちたがりだ)、強大な科学力を武器に私たちの日常を脅かす。 その所業は悪そのものと言ってもいい。 だが、敵に知性や感情があり、その行為が侵略戦争ならば、場合によっては侵略者と交渉の余地はあるのではないだろうか。 戦争とは外交手段の一つだという人がいる。 これまでの戦争でも、宣戦布告もせずに敵国を奇襲した卑劣な独裁者はたくさんいたのだから、戦況によっては、ひとつのテーブルを囲み、恐るべき侵略者と講和会議をすることだって可能なはずだ。 それは現実離れした希望的観測だろうか? ☆ では現実の話をしよう。 長身で色白の美人だが、彼女はスーパーモデルでもハリウッド女優でもない。 冥王星宇宙軍のミグ・チオルコフスカヤ伍長(31)は、太陽系の果てで半年に4回ほど実際に侵略者と戦っている百戦錬磨の軍人だ。 彼女がエッジワースカイパーベルトという場所で、相手にしている敵のパワーは強烈だ。 彼らには、たった一つで全人類を73回分絶滅させるだけの威力があり、さらにその数は確認されているだけでも2千を超える。 最近の観測では、その百倍は存在するらしい。 現実の敵は絶望的に強く、さらに強すぎて私たちのような小さな存在など、認識すらしていないのだ。 私たちが大地を踏みしめるとき、膨大な数の微生物がその足の下敷きになって死んだと仮定しよう。 果たしてそれは、人類の土壌生物に対する侵略戦争と言えるのだろうか? 攻撃をするものと、されるものとのあいだに、圧倒的なスケールの差が存在する場合、それは戦争とか外交とか、そういった次元の話ではなくなる。 それは不条理な事故であり、理由のない大量虐殺なのだ。 ☆ だから、冥王星の軍人たちは、決まってこうつぶやく。 もしもこれが“戦争”であったらどんなに素晴らしいことか、と。 たとえ侵略者が冷酷非情で残忍だろうと、言葉が通じるならば、終戦の可能性は0ではない。 だが残念ながら、この敵に決して言葉は通じない。 彼らは目的もなく人を殺す。 彼女たちが戦っている相手は、小惑星――ただの石と氷の塊だ。

惨劇の国のアリス

姫宮未調
SF
メイドが語る、哀しき御伽話とその深層の物語 メイドのアリスの体験談の本編 アリス・リリィの目線ストーリー 最初のアリスの原版編 現実と夢(物語)の世界が同時進行します 《アリスゲーム》は《女王のアリス探し》 でも、女王の求めるアリスはただ1人 突き放したのは女王、伝えなかったのはアリス 心が擦れ違い、壊れた二人 壊れた心の目では真実の扉は開かれない あなたは哀しき結末を目撃する 数あるアリスシリーズの最初のアリスの物語をあなたに アリスはあなたの心にも…… もしかしたら、あなた自身も『アリス』なのかもしれない ひめみやさんぷれぜんつ ひめみやさんアリスシリーズ第一段

アシュターからの伝言

あーす。
SF
プレアデス星人アシュターに依頼を受けたアースルーリンドの面々が、地球に降り立つお話。 なんだけど、まだ出せない情報が含まれてるためと、パーラーにこっそり、メモ投稿してたのにパーラーが使えないので、それまで現実レベルで、聞いたり見たりした事のメモを書いています。 テレパシー、ビジョン等、現実に即した事柄を書き留め、どこまで合ってるかの検証となります。 その他、王様の耳はロバの耳。 そこらで言えない事をこっそりと。 あくまで小説枠なのに、検閲が入るとか理解不能。 なので届くべき人に届けばそれでいいお話。 にして置きます。 分かる人には分かる。 響く人には響く。 何かの気づきになれば幸いです。

アンドロイドちゃんねる

kurobusi
SF
 文明が滅ぶよりはるか前。  ある一人の人物によって生み出された 金属とプラスチックそして人の願望から構築された存在。  アンドロイドさんの使命はただ一つ。  【マスターに寄り添い最大の利益をもたらすこと】  そんなアンドロイドさん達が互いの通信機能を用いてマスター由来の惚気話を取り留めなく話したり  未だにマスターが見つからない機体同士で愚痴を言い合ったり  機体の不調を相談し合ったりする そんなお話です  

GHOST GIRL.hack(ゴーストガールドットハック)

東郷 零士
SF
「あれ?私死んでるんですけど」 殉職した婦人警官「山本美鈴」は、とある科学の研究プロジェクトで「実験体」としてあの世から無理矢理呼び戻されてしまう、 奇想天外SFコミカルストーリー。 強力な相棒を手に入れプロジェクトから脱走を試みる美鈴。 そして自分を殺した犯人を自分で追い詰める。

無頼少年記 黒

ANGELUS
SF
 嘗てヒューマノリア大陸南方をその支配下に置き、数多の大戦において、群雄割拠、悪鬼羅刹の名を欲しいままにし、無数にあった少数民族を束ね治めた大戦の覇族―――``流川家``  幾重にも連なる悪名と、人間でありながら怪物地味た戦績を誇って他を圧倒し、全世を治める頂きに最も近い戰の中の戦族として、その存在は多くの者から恐れられて来た。  その覇族が世界統一の為に齎した最後の戰``武力統一終戰``が終結し、血で血を洗う大戦時代が息を潜めて三十年――――――。  彼等が治めた地「武市」に流川家の血とある大いなる血族の末代―――流川澄男とその弟流川久三男は、母親の言いつけで学校に通わされ平和な日常を織りなしていた。  しかし竜暦1940年3月16日。思いを馳せる女性への誕生日だったその日、彼らは否応なく陰に潜んでいたであろう、歪んだ輪廻に巻き込まれる。

神樹のアンバーニオン

芋多可 石行
SF
 不登校から立ち直りつつある少年、須舞 宇留は、旅行で訪れた祖父の住む街で琥珀の中に眠る小人の少女、ヒメナと出会う。  彼女を狙う謎の勢力からヒメナを守る為に、太陽から飛来した全身琥珀の巨神、アンバーニオンの操縦者に選ばれた宇留の普通の日々は、非日常へと変わって行く···  今、少年の非日常が、琥珀色に輝き始める。

【完結】もふもふ獣人転生

  *  
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 ちっちゃなもふもふ獣人と、攻略対象の凛々しい少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。 本編完結しました! おまけをちょこちょこ更新しています。

処理中です...