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そうしてこれ見よがしに、拘束されている蔵の眼前でひらひらと上下に降る。
それは、所持していている所を警察に発見されたら確実に銃刀法違反で捕まるような、そんな鋭利で厳つい凶器だった。
三宮は酷薄な笑みを浮かべながら、その刃を蔵の頬へと走らせる。
「っ!」
火の棒を押し当てられたような感覚の後、生暖かい液体が頬から顎に滴るのを感じた。
ギロリと睨みつけると、三宮は感心したように鼻を鳴らす。
「ほぉ? 痛ぇだ何だと泣き喚いてギャーギャー騒ぐかと思ったが、意外に肝は据わっているようだな」
だが――と続ける。
「どっちにしても、無事に返すつもりはねぇけどな。ハハ、余計な首を突っ込んだ自分を恨むんだな」
「ランを開放しろ!」
「はぁ? お前、正義のヒーローでも気取ってんのか? こんな便所野郎の為に健気なこったな」
酷い侮辱だが、ランは依然として俯いたままだ。
抵抗することも諦め、完全に唯々諾々と従うだけの意思のない人形のようだ。
三宮の言い様に、蔵はランの代わりとばかりに激怒する。
「ランを騙して散々酷い目に遭わせやがって! この鬼畜野郎! お前だけは絶対許さねぇ!」
「ハハハハ、威勢が良いな。だが、さすがに四人がかりで抑え込まれちゃあ何にも出来ないだろう」
そう言うと、三宮は再びダガ―ナイフを閃かせた。
今度は、蔵が着ていたシャツがざっくりと切り裂かれ、朱線がその逞しい胸に刻まれた。
だが、蔵は悲鳴を上げる事無く堪える。
「ぐっ……!」
「我慢強い野郎だな。どうせ本気では刺さないと高を括っているのか?」
冷酷に嗤うと、三宮は次に小さい動作でナイフを動かした。
刃先が蔵の右太腿に刺さり、今度は直ぐに抜かずにそのままグリグリと回転させる。
さすがにこれには堪らず、蔵は苦し気な呻き声を上げた。
それは、所持していている所を警察に発見されたら確実に銃刀法違反で捕まるような、そんな鋭利で厳つい凶器だった。
三宮は酷薄な笑みを浮かべながら、その刃を蔵の頬へと走らせる。
「っ!」
火の棒を押し当てられたような感覚の後、生暖かい液体が頬から顎に滴るのを感じた。
ギロリと睨みつけると、三宮は感心したように鼻を鳴らす。
「ほぉ? 痛ぇだ何だと泣き喚いてギャーギャー騒ぐかと思ったが、意外に肝は据わっているようだな」
だが――と続ける。
「どっちにしても、無事に返すつもりはねぇけどな。ハハ、余計な首を突っ込んだ自分を恨むんだな」
「ランを開放しろ!」
「はぁ? お前、正義のヒーローでも気取ってんのか? こんな便所野郎の為に健気なこったな」
酷い侮辱だが、ランは依然として俯いたままだ。
抵抗することも諦め、完全に唯々諾々と従うだけの意思のない人形のようだ。
三宮の言い様に、蔵はランの代わりとばかりに激怒する。
「ランを騙して散々酷い目に遭わせやがって! この鬼畜野郎! お前だけは絶対許さねぇ!」
「ハハハハ、威勢が良いな。だが、さすがに四人がかりで抑え込まれちゃあ何にも出来ないだろう」
そう言うと、三宮は再びダガ―ナイフを閃かせた。
今度は、蔵が着ていたシャツがざっくりと切り裂かれ、朱線がその逞しい胸に刻まれた。
だが、蔵は悲鳴を上げる事無く堪える。
「ぐっ……!」
「我慢強い野郎だな。どうせ本気では刺さないと高を括っているのか?」
冷酷に嗤うと、三宮は次に小さい動作でナイフを動かした。
刃先が蔵の右太腿に刺さり、今度は直ぐに抜かずにそのままグリグリと回転させる。
さすがにこれには堪らず、蔵は苦し気な呻き声を上げた。
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