38 / 52
6
6-10
しおりを挟む
いいや、身体だけではない。
その、壊れやすいガラスのような脆さを秘めながら、常に強くあろうとする崇高な心にも惹かれた。
――――力に靡くのは簡単だ。
身も心も全て強者へ委ねて頼り切り、この世の栄耀栄華を味わう人間も多い。
しかしその中にあって、聖は何と高潔な事か。
彼は自分の力で何度も立ち上がり、困難を乗り越えようとする強靭さを持っていた。それは、どんな強靭で鋼のような肉体を持つ男とて、到底敵わない。
苛烈なほどに強く、麗しく、嫋やかで――――優しい。
その、心にも惚れ込んだ。
「オレは、お前にも……とんでもなく無茶苦茶をしたな……」
その懺悔に、聖はフフっと笑う。
「そんなデカブツをおっ勃てておいて、随分と愁傷な事を言うじゃねぇか。ムショに行って改心したってのかい? 」
言いながら、白魚のような手を伸ばし、史郎の胸に掌を当てる。
ひんやりとした感触に、史郎の身体にブルリと震えが走る。
聖は微笑みながら、その掌をゆっくりと下へと滑らせて――――胸板、腹、そして隆々と自己を誇示している、逞しい雄芯へと移動させた。
「相変わらず…………デカいな」
甘い毒を吐くように息を漏らしながら、聖は史郎の前に屈む。
そうして、形のいい唇を開くと――――ゆっくりと、それを咥えた。
「っ! 」
その刺激だけで、史郎は暴発してしまいそうになる。
聖は笑いながら、それに舌を絡めて巧みに刺激を繰り返す。
ぢゅっと音を立てて吸い付いたかと思うと、次に甘噛みをして頬で転がす。
鈴口を舌先で刺激して、堪らず溢れ出す先走りをじゅるりと舐め上げる。
その舌技の素晴らしさに、史郎は唸るような声をもらした。
「お、お前……そんなフェラ、いつの間に覚えやがった? 」
その疑問に、聖はしゃぶりながら答える。
「ん、ん……いつ、だって? うんぅ…………そん、なの…………知らねぇよっ」
その、壊れやすいガラスのような脆さを秘めながら、常に強くあろうとする崇高な心にも惹かれた。
――――力に靡くのは簡単だ。
身も心も全て強者へ委ねて頼り切り、この世の栄耀栄華を味わう人間も多い。
しかしその中にあって、聖は何と高潔な事か。
彼は自分の力で何度も立ち上がり、困難を乗り越えようとする強靭さを持っていた。それは、どんな強靭で鋼のような肉体を持つ男とて、到底敵わない。
苛烈なほどに強く、麗しく、嫋やかで――――優しい。
その、心にも惚れ込んだ。
「オレは、お前にも……とんでもなく無茶苦茶をしたな……」
その懺悔に、聖はフフっと笑う。
「そんなデカブツをおっ勃てておいて、随分と愁傷な事を言うじゃねぇか。ムショに行って改心したってのかい? 」
言いながら、白魚のような手を伸ばし、史郎の胸に掌を当てる。
ひんやりとした感触に、史郎の身体にブルリと震えが走る。
聖は微笑みながら、その掌をゆっくりと下へと滑らせて――――胸板、腹、そして隆々と自己を誇示している、逞しい雄芯へと移動させた。
「相変わらず…………デカいな」
甘い毒を吐くように息を漏らしながら、聖は史郎の前に屈む。
そうして、形のいい唇を開くと――――ゆっくりと、それを咥えた。
「っ! 」
その刺激だけで、史郎は暴発してしまいそうになる。
聖は笑いながら、それに舌を絡めて巧みに刺激を繰り返す。
ぢゅっと音を立てて吸い付いたかと思うと、次に甘噛みをして頬で転がす。
鈴口を舌先で刺激して、堪らず溢れ出す先走りをじゅるりと舐め上げる。
その舌技の素晴らしさに、史郎は唸るような声をもらした。
「お、お前……そんなフェラ、いつの間に覚えやがった? 」
その疑問に、聖はしゃぶりながら答える。
「ん、ん……いつ、だって? うんぅ…………そん、なの…………知らねぇよっ」
1
お気に入りに追加
83
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。

花いちもんめ
月夜野レオン
BL
樹は小さい頃から涼が好きだった。でも涼は、花いちもんめでは真っ先に指名される人気者で、自分は最後まで指名されない不人気者。
ある事件から対人恐怖症になってしまい、遠くから涼をそっと見つめるだけの日々。
大学生になりバイトを始めたカフェで夏樹はアルファの男にしつこく付きまとわれる。
涼がアメリカに婚約者と渡ると聞き、絶望しているところに男が大学にまで押しかけてくる。
「孕めないオメガでいいですか?」に続く、オメガバース第二弾です。

僕はお別れしたつもりでした
まと
BL
遠距離恋愛中だった恋人との関係が自然消滅した。どこか心にぽっかりと穴が空いたまま毎日を過ごしていた藍(あい)。大晦日の夜、寂しがり屋の親友と二人で年越しを楽しむことになり、ハメを外して酔いつぶれてしまう。目が覚めたら「ここどこ」状態!!
親友と仲良すぎな主人公と、別れたはずの恋人とのお話。
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。
大晦日あたりに出そうと思ったお話です。

心からの愛してる
マツユキ
BL
転入生が来た事により一人になってしまった結良。仕事に追われる日々が続く中、ついに体力の限界で倒れてしまう。過労がたたり数日入院している間にリコールされてしまい、あろうことか仕事をしていなかったのは結良だと噂で学園中に広まってしまっていた。
全寮制男子校
嫌われから固定で溺愛目指して頑張ります
※話の内容は全てフィクションになります。現実世界ではありえない設定等ありますのでご了承ください
インテリヤクザは子守りができない
タタミ
BL
とある事件で大学を中退した初瀬岳は、極道の道へ進みわずか5年で兼城組の若頭にまで上り詰めていた。
冷酷非道なやり口で出世したものの不必要に凄惨な報復を繰り返した結果、組長から『人間味を学べ』という名目で組のシマで立ちんぼをしていた少年・皆木冬馬の教育を任されてしまう。
なんでも性接待で物事を進めようとするバカな冬馬を煙たがっていたが、小学生の頃に親に捨てられ字もろくに読めないとわかると、徐々に同情という名の情を抱くようになり……──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる