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聖の悲鳴が上がった。
後ろに回った史郎に腰を取られ、同時に無理に立たされた。
しかし身体は九の字にしたまま、手だけは畳についている。
――――俗に言う、仏壇返しという体位である。
爪を立てて、聖は畳を引っ掻く。
「あ、あ、あ――――おろ、し――――くるしい……」
暴れると、身体が浮きそうだ。
天地がひっくり返ったような錯覚に、聖は気が狂いそうになる。
「いやぁ――――! 」
悲鳴と同時に後孔は凄まじく締まり、史郎の雄芯を一層きつく喰い締める。
史郎は、精を放ちそうになるのを歯を食いしばって耐えながら、汗に濡れる細腰を強く抱えて遮二無二に己を叩き付けた。
「――」
聖の口からは、もう声も漏れない。
半分まで勃起していていた綺麗な雄芯からは、糸を引く濡れた涙が滴っている。
――――史郎は、怒りにも似た滾る情念のやり場にいつも惑い、方法を常に間違ってしまう。
力任せに捻じ伏せて、屈服させて、自分しか見ないように仕向ける事しか方法が思い付かずに、いつも聖を虐げてしまう。
こんなに愛しているのに。
何者より愛しく想っているのに、こんな真似しか出来ない。
幼い頃より、暴力の中で生きて来た男には……正しく愛を伝える方法が分からない。
「オレの事が――――好きだと言え」
「――」
「言えっ!! 」
どこか切羽詰まったような声に、苦しげに閉じられていた聖の瞼がピクリと反応した。
美しい碧瑠璃の瞳が、背中越しに、自分を苦しめ続ける男を見上げる。
「お前……なん、か――――嫌い、だ……」
その言葉に、史郎は一瞬だけ悲しい顔をしたが、
「じゃあ、好きだと言うまでずっとこのままだ」
そう冷酷に宣言すると、再び、聖の意識が途切れるまで…………激しく腰を打ち付け、攻め続けたのだった。
後ろに回った史郎に腰を取られ、同時に無理に立たされた。
しかし身体は九の字にしたまま、手だけは畳についている。
――――俗に言う、仏壇返しという体位である。
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「あ、あ、あ――――おろ、し――――くるしい……」
暴れると、身体が浮きそうだ。
天地がひっくり返ったような錯覚に、聖は気が狂いそうになる。
「いやぁ――――! 」
悲鳴と同時に後孔は凄まじく締まり、史郎の雄芯を一層きつく喰い締める。
史郎は、精を放ちそうになるのを歯を食いしばって耐えながら、汗に濡れる細腰を強く抱えて遮二無二に己を叩き付けた。
「――」
聖の口からは、もう声も漏れない。
半分まで勃起していていた綺麗な雄芯からは、糸を引く濡れた涙が滴っている。
――――史郎は、怒りにも似た滾る情念のやり場にいつも惑い、方法を常に間違ってしまう。
力任せに捻じ伏せて、屈服させて、自分しか見ないように仕向ける事しか方法が思い付かずに、いつも聖を虐げてしまう。
こんなに愛しているのに。
何者より愛しく想っているのに、こんな真似しか出来ない。
幼い頃より、暴力の中で生きて来た男には……正しく愛を伝える方法が分からない。
「オレの事が――――好きだと言え」
「――」
「言えっ!! 」
どこか切羽詰まったような声に、苦しげに閉じられていた聖の瞼がピクリと反応した。
美しい碧瑠璃の瞳が、背中越しに、自分を苦しめ続ける男を見上げる。
「お前……なん、か――――嫌い、だ……」
その言葉に、史郎は一瞬だけ悲しい顔をしたが、
「じゃあ、好きだと言うまでずっとこのままだ」
そう冷酷に宣言すると、再び、聖の意識が途切れるまで…………激しく腰を打ち付け、攻め続けたのだった。
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