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しおりを挟む「あ――――あぁっ! 」
抱え上げ、最奥を目指して突き上げると、聖は汗を飛び散らせて悲鳴を放った。
その乳白色の肌のあちこちには、紅の刻印が刻まれている。
それら何箇所かは、噛み付いた歯形もある。至る所が鬱血し、血の珠が浮いていた。
それら全て、史郎が刻んだ所有の証だ。
白い首筋、胸を飾る緋色の突起、淡く柔らかな茂みに覆われた周辺。
すんなり伸びたしなやかな脚に、決して日の当たらないであろう秘部。
それら全てに余すことなく、史郎の刻印が刻まれている。
これだけ所有の証を刻み、人前ではおいそれと服を脱げない程にマーキングをしたというのに、まだこの男は音を上げようとはしない。
表面上は服従を誓いながらも、その心の奥底にはまだ何者かの影がある。
それが悔しくて、憎くてしょうがない。
決して許せない。
だから史郎は――――聖が悲鳴を上げて許しを請うても、熱く熟れて白い涙を流し続ける後孔を責めずにはいられないのだ。
遮二無二腰を使い、一切の慈悲を与えずに、愛撫というよりも拷問に近い加虐を加える。
「さぁ、言え! お前はいったいどこのどいつに惚れてるんだ!? 」
「ヒィッ! 」
背中を抱えて上に担ぎ上げると、今まで一番の深さまで、史郎の男根は聖に突き刺さった。
これまで何度も捏ねられ解されていたとはいえ、聖にとってそこは、未知の深部だった。
「――――! 」
その衝撃が過ぎたのか、聖は眼を剥いて中空を睨み上げる。
「あ――――あっ!! 」
「言え! どこのどいつだ! 」
これほどまでに聖の心を独占する、その何者かの存在が許せない。
聖は、上野の天黄組という地回りの組員だった。
天黄組は、史郎の父が統括する青菱組傘下の組だ。
新年の挨拶回りで青菱へと参じた天黄組の面々に、聖は紛れていた。
今まで見た事の無い、まるで天女のように美しい男。
美しく麗しい月のようなその男は、微かに笑みを浮かべると、微かに史郎へ会釈をした。
史郎は、一目その聖を見て――――完全に心囚われてしまい、周囲の猛反対を押し切って強引に自分の物へと囲ったのだ。
――――それから、早一年が過ぎていた…………。
「あうっ…………」
ビクッビクッと大きく震えると、とうとう聖は気を飛ばして意識を失ってしまった。
同時に、わずかに勃ち上がっていた、形のいい雄芯から薄い精を迸らせる。
「くそっ」
――――また、加減を忘れてやり過ぎちまった。
史郎は舌打ちをすると、逞しい己の雄芯を二度三度と温かいその中で擦り上げ、躊躇わずに聖の体内へと放った。
「――ふぅ」
「…………う…」
低い、聖の苦鳴が上がる。
その後孔の合間から滴り落ちる、たった今盛大に放った己の欲望。
聖の体内から零れる、白くドロドロとした体液――――。
だがもうそれに構わず、史郎は己を一気に引き抜くと「おいっ」と、部屋付きで控えている筈の配下へと声を掛けた。
「こいつを綺麗に洗っといてやれ」
「へ、へいっ」
禿げ頭を茹でタコのようにして、舎弟がすぐさま転がるように部屋の隅から現れた
見る気は無かったが、その舎弟の股間がパンパンに張っているのが目に入り、史郎はチッと舌打ちをしながら忠告をした。
「言っておくが、オレのモンに手を出したら指の一本二本じゃ済まねぇぞ」
「そ――それは、勿論! 」
舎弟は、赤い顔を今度は真っ青にして、へどもどしながら聖の身体を恭しく抱えて去って行った。
そのままバスルームへと連れて行き、命令通りに聖の身体を清拭するのだろう。
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