MAN OF THE FULL BLOOM

亜衣藍

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 軽く一度扱いただけで、アーロは呆気なく聖の手の中で果てた。
 悔しいやら情けないやら、アーロの顔はますます真っ赤になる。

「急に――急に握りやがって! だから、今のは――」

 無様な言い訳を口にするアーロだが、聖は彼をバカにするでもなく、ゆったりとした笑みを浮かべる。

「気にするな。若いことの証明だろ?」
「あ、ああ。だよなっ!」

 思いもかけず優しいフォローをされ、アーロの目には欲望以外の光も点った。
 それは、明らかなだった。
 その感情が伴えば、自然に態度も柔らかくなる。

 アーロは咳払いをしながら、ちらりと仲間達を見遣った。

「なぁ、考えてみればこの人の言う事は筋が通ってるんだし、乱暴な事はもうやめ――」
「なんだ、ここまで来て止めようって言うのか!? ふざけんじゃねーぞ!」
「そうだ! 大体お前、ちょっと擦られただけで呆気なくぶち撒いてしておいて、何を紳士ぶってんだよ。アホかっ」

 リチャードとジョンが即座に抗議と罵倒の言葉を叩きつけるが、これに言葉を返したのはアーロではなく聖であった。

「何だお前達、アーロのようにのか?」
「え……?」
「リチャードはオレの右に、ジョンは左に来い」

 そう指示を出され、二人は戸惑いながら言われるままに位置に着く。
 すると、アーロと同じようにベルトを引き抜かれ、一気に下着の中へと手を突っ込まれた。

 ともすると乱暴な行為であるワケだが、あまりに巧みで自然な動作なので、二人とも何かを考える暇もない。

 そう、とにかく聖の手淫が手慣れていて、そこにはもう快感しかないのだ。

「「うっ」」

 二人同時にアーロと同じようにイカされ、顔も同じように真っ赤に染める。
 そんなを順に見遣り、聖は桃源郷に住まう天女のように笑った。

「オレの言う通りにしたら、もっともっと良い気分を味わわせてやってもいいぞ」
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