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「えっ!? ちょっ……」
驚いてそれを振り払うよりも先に、相手の動きの方が一瞬早かった。
指をぱっくりと口唇に咥えられ、もう抵抗する間も抗議をする隙も無い。
つい、動きを止めてその緋色の唇を凝視していると、紅い舌がぬるりと指先を這うのが見えた。
上目遣いでこちらを見遣る碧瑠璃の瞳と目が合い、完全にそれに魅入られる。
気が付いたら、自分の口からは呻くような声が漏れていた。
「み、ミスタ――」
「ん……ぅ名前は……なんて、いうんだ?」
「お――オレは、リチャード。リチャードだっ」
「そう」
うっとりとした表情で、武骨な指から唇を離すと、夢のように美しい男は自分の名を名乗った。
「オレの名は、聖だ。よろしくな、リチャード」
「あ、ああ! その、あんた……」
続けて言葉を発しようとしたが、その前に、二人の同僚たちが「おい!」と厳しい声を上げた。
「リチャード、なに遊んでんだよ!? さっさと朝の分の食器を回収しろ」
「そうだぞ。このあと俺等オフだから、皆でバーレスクショーを観に行く予定だろ? 早く仕事を終わらせるんだ」
だが、その二人のスタッフも、次に言葉を失った。
この部屋に軟禁されている東洋人の男が、嫣然と微笑みながらゆっくりとシャツを脱いだのだ。
けぶるような乳白色の肌が、仄暗い室内で白い花のように妖しく開かれる。
程よく筋肉の付いた上体は、大理石の彫刻のように滑らかで文句なしに綺麗だった。
形のいい二つの胸の中心で桜色に色ずく乳首は、見ているだけでむしゃぶり付きたくなる。
キュッと締まった細腰に至っては、腕を回して抱き締めたくなる。
いつの間にか部屋いっぱいに、馨しい華の香りが広がっていく。
これは、夢か現か幻か。
碧瑠璃の瞳に魅入られたように、三人の男達は知らぬ内に、ゴクリと喉を鳴らしていた。
驚いてそれを振り払うよりも先に、相手の動きの方が一瞬早かった。
指をぱっくりと口唇に咥えられ、もう抵抗する間も抗議をする隙も無い。
つい、動きを止めてその緋色の唇を凝視していると、紅い舌がぬるりと指先を這うのが見えた。
上目遣いでこちらを見遣る碧瑠璃の瞳と目が合い、完全にそれに魅入られる。
気が付いたら、自分の口からは呻くような声が漏れていた。
「み、ミスタ――」
「ん……ぅ名前は……なんて、いうんだ?」
「お――オレは、リチャード。リチャードだっ」
「そう」
うっとりとした表情で、武骨な指から唇を離すと、夢のように美しい男は自分の名を名乗った。
「オレの名は、聖だ。よろしくな、リチャード」
「あ、ああ! その、あんた……」
続けて言葉を発しようとしたが、その前に、二人の同僚たちが「おい!」と厳しい声を上げた。
「リチャード、なに遊んでんだよ!? さっさと朝の分の食器を回収しろ」
「そうだぞ。このあと俺等オフだから、皆でバーレスクショーを観に行く予定だろ? 早く仕事を終わらせるんだ」
だが、その二人のスタッフも、次に言葉を失った。
この部屋に軟禁されている東洋人の男が、嫣然と微笑みながらゆっくりとシャツを脱いだのだ。
けぶるような乳白色の肌が、仄暗い室内で白い花のように妖しく開かれる。
程よく筋肉の付いた上体は、大理石の彫刻のように滑らかで文句なしに綺麗だった。
形のいい二つの胸の中心で桜色に色ずく乳首は、見ているだけでむしゃぶり付きたくなる。
キュッと締まった細腰に至っては、腕を回して抱き締めたくなる。
いつの間にか部屋いっぱいに、馨しい華の香りが広がっていく。
これは、夢か現か幻か。
碧瑠璃の瞳に魅入られたように、三人の男達は知らぬ内に、ゴクリと喉を鳴らしていた。
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