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御大尽の余暇に付き合ってやる暇など無いと、聖は冷たく釘を刺した。
「オレはあんたと違って、真面目に仕事しに来たんだ。一ヵ月もスケジュールを開けてな。だから、こんな所であんたと遊んでやるつもりはない」
言いながら、パソコンを閉じて立ち去ろうとするが、サイエンの方はせっかくのチャンスを無駄にする気は無いようで「冷たい事をいうな」と、肩に手を回してきた。
「離せ。人を呼ぶぞ」
「――ジョー、だったかな」
(ジョー?)
「彼はかなり切羽詰まっているようだ。君は真面目に仕事をするつもりのようだが、果たして向こうはどうかな?」
いったい誰の事を言っているのかと思ったが城嶋晁生の事かと察し、聖は動きを止めた。
確かに、会社経営に関しては、ジュピタープロダクションよりも城嶋エンタープライズの方が際どい事態になっている。
そもそも同業だけに、そんな噂もよく耳にしたし、外側から見ていてもそれは分かった。
今回の船旅を起死回生のチャンスと捉えて意気込んでいるのは、聖ではなく晁生の方が強いだろう。
その勢いに押されて、聖はここまで来てしまった。
だが、だからと言ってそれがどうしたというのだ?
「晁生が……ジョーがどうかしたのか?」
訝し気に見遣ると、サイエンは人の悪そうな笑みを浮かべた。
「明後日のプレゼンに出席すれば、成約が成立しなくとも、希望者は君と乱交できると触れ回っているらしいぞ」
「はぁ!?」
そんな事は聞いてない!
聖は驚いて、まじまじとサイエンの顔を皿のように見た。
「……嘘だろう?」
「本当だよ。こんなオイシイ話、滅多にあるもんじゃない。オレとしてはミドーを独り占めしたいところだから、他所の男を交えてのプレイは気が進まないが……」
「乱交なんざ、やる訳ねーだろ!」
まさかあのビデオが、そんな宣伝で使われるとは思っていなかった。
「オレはあんたと違って、真面目に仕事しに来たんだ。一ヵ月もスケジュールを開けてな。だから、こんな所であんたと遊んでやるつもりはない」
言いながら、パソコンを閉じて立ち去ろうとするが、サイエンの方はせっかくのチャンスを無駄にする気は無いようで「冷たい事をいうな」と、肩に手を回してきた。
「離せ。人を呼ぶぞ」
「――ジョー、だったかな」
(ジョー?)
「彼はかなり切羽詰まっているようだ。君は真面目に仕事をするつもりのようだが、果たして向こうはどうかな?」
いったい誰の事を言っているのかと思ったが城嶋晁生の事かと察し、聖は動きを止めた。
確かに、会社経営に関しては、ジュピタープロダクションよりも城嶋エンタープライズの方が際どい事態になっている。
そもそも同業だけに、そんな噂もよく耳にしたし、外側から見ていてもそれは分かった。
今回の船旅を起死回生のチャンスと捉えて意気込んでいるのは、聖ではなく晁生の方が強いだろう。
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「明後日のプレゼンに出席すれば、成約が成立しなくとも、希望者は君と乱交できると触れ回っているらしいぞ」
「はぁ!?」
そんな事は聞いてない!
聖は驚いて、まじまじとサイエンの顔を皿のように見た。
「……嘘だろう?」
「本当だよ。こんなオイシイ話、滅多にあるもんじゃない。オレとしてはミドーを独り占めしたいところだから、他所の男を交えてのプレイは気が進まないが……」
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