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サイエンは、野性味あふれるオスのフェロモンを常に発散しており、尚且つ容姿も端麗で、とても魅力的だ。
しかも、ナモ公国ルドー王家の外縁で血統も良いし、それなりに資産も蓄えている。
金と権力に敏感な女たちが、放っておくワケがない。
サイエンがわざわざ動かずとも、多くの女たちが雲霞の如く寄って来るだろう。
そんな女たちの目に、聖はどう映っているのか?
(勝手に恋のライバルにしてほしくないんだが)
溜め息をつき、ソファーから立ち上がろうとする聖に、すかさずサイエンは「まぁ、少し付き合え」と言葉を掛けて来た。
「ミドーは、客集めは上手く行っているのかい? 明後日だろう?」
「そっちは、同行者が動いてくれている。オレは資料を纏める係りだ」
「同行者、ね……」
サイエンは意味深に含み笑いをすると、聖の許可を得ずに、その真隣へと腰を下ろした。
二人掛けの柔らかいソファーが、その振動でフワッと揺れる。
「サイエン」
迷惑そうに睨むと、相手は、これから面白い事を言い出す子供のように笑んだ。
「君の艶姿は、最高の餌になっているようだぞ」
「……」
昨日の事を言っているのだと気付き、聖は不愉快そうに眉根を寄せた。
もちろん、晁生の提案に了承してあれを撮ったワケだが。
昨日の今日で、もうサイエンの耳にまで届いているのかと思うと、さすがに気分が悪くなる。
隣に陣取ったサイエンを無視して、聖は今度こそ立ち上がる。
「オレは、あんた達と違って忙しいんだ。無駄話に付き合う時間はない」
すると、サイエンに纏わりついていた女達は、これ幸いとばかりに聖が退いた場所へと割り込もうとした。
「ねぇ、ダーリン。こんな人、どうでもいいじゃない」
「そうよぉ。部屋に戻りましょうよ」
サイエンにしな垂れかかり、ここぞとばかりに豊満な乳房をわざと擦り付ける――が。
しかも、ナモ公国ルドー王家の外縁で血統も良いし、それなりに資産も蓄えている。
金と権力に敏感な女たちが、放っておくワケがない。
サイエンがわざわざ動かずとも、多くの女たちが雲霞の如く寄って来るだろう。
そんな女たちの目に、聖はどう映っているのか?
(勝手に恋のライバルにしてほしくないんだが)
溜め息をつき、ソファーから立ち上がろうとする聖に、すかさずサイエンは「まぁ、少し付き合え」と言葉を掛けて来た。
「ミドーは、客集めは上手く行っているのかい? 明後日だろう?」
「そっちは、同行者が動いてくれている。オレは資料を纏める係りだ」
「同行者、ね……」
サイエンは意味深に含み笑いをすると、聖の許可を得ずに、その真隣へと腰を下ろした。
二人掛けの柔らかいソファーが、その振動でフワッと揺れる。
「サイエン」
迷惑そうに睨むと、相手は、これから面白い事を言い出す子供のように笑んだ。
「君の艶姿は、最高の餌になっているようだぞ」
「……」
昨日の事を言っているのだと気付き、聖は不愉快そうに眉根を寄せた。
もちろん、晁生の提案に了承してあれを撮ったワケだが。
昨日の今日で、もうサイエンの耳にまで届いているのかと思うと、さすがに気分が悪くなる。
隣に陣取ったサイエンを無視して、聖は今度こそ立ち上がる。
「オレは、あんた達と違って忙しいんだ。無駄話に付き合う時間はない」
すると、サイエンに纏わりついていた女達は、これ幸いとばかりに聖が退いた場所へと割り込もうとした。
「ねぇ、ダーリン。こんな人、どうでもいいじゃない」
「そうよぉ。部屋に戻りましょうよ」
サイエンにしな垂れかかり、ここぞとばかりに豊満な乳房をわざと擦り付ける――が。
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