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後始末が面倒だからゴムを付けろと言うつもりだったのに、そんな暇も無かった。
(この野郎……)
聖の眦が、キッと吊り上がる。
怒りに任せて晁生の腹に蹴りをぶち込みたいが、そんな事をすれば、何処かにいるであろう観客が次は我が身かと震え上がるかもしれない。
この船にいる間は、出来るだけ『大人しく』『従順で』『魅惑的で美味そうな果実』の猫を被る必要があるだろう。
まずは、聖と晁生のプレゼンを聞いてくれる人間を確保しなければならないのだから。
どうやら晁生は、聖をエサにしてその客たちを惹きつけようという考えのようだ――そう察したから、聖は渋々この茶番に付き合う事にしたのだが。
だが、肝心の演者が早々にリタイアしてしまっては意味がない。
つい本気になって追い込みに掛かったこっちも悪かったが。
とりあえずこの場は、一度仕切り直した方が良いかもしれない。
そう思い、聖は身体を正そうと身じろぐ。
「おい、こうせ――あぁ!」
放出して萎えたと思った雄芯が、再び体内で熱り立つのを感じ取り、聖は矯正を放った。
頬を染めて喘ぐ聖の腰を抱え上げなら、晁生は低く笑う。
「一度くらいで、終了するなんて気はないよ」
「お、まえ……」
(何かクスリでもやってるのか?)
そんな疑問を目で問うと、晁生は軽く頭を振った。
「君の周りにはいつも手強いライバル達がいて、ボクはもう半年以上も君に触れる事さえ叶わないでいたんだ」
「そんな事――」
「反社の連中にしてもそうだし、スポンサー企業のお偉いさんにマスコミの重鎮……あと、ネット関連大手から、かなりの遣り手を引き抜いたって噂も聞いてるよ」
「お前の気のせいだ」
言い掛かりだというように、聖はツンと顔を背ける。
(この野郎……)
聖の眦が、キッと吊り上がる。
怒りに任せて晁生の腹に蹴りをぶち込みたいが、そんな事をすれば、何処かにいるであろう観客が次は我が身かと震え上がるかもしれない。
この船にいる間は、出来るだけ『大人しく』『従順で』『魅惑的で美味そうな果実』の猫を被る必要があるだろう。
まずは、聖と晁生のプレゼンを聞いてくれる人間を確保しなければならないのだから。
どうやら晁生は、聖をエサにしてその客たちを惹きつけようという考えのようだ――そう察したから、聖は渋々この茶番に付き合う事にしたのだが。
だが、肝心の演者が早々にリタイアしてしまっては意味がない。
つい本気になって追い込みに掛かったこっちも悪かったが。
とりあえずこの場は、一度仕切り直した方が良いかもしれない。
そう思い、聖は身体を正そうと身じろぐ。
「おい、こうせ――あぁ!」
放出して萎えたと思った雄芯が、再び体内で熱り立つのを感じ取り、聖は矯正を放った。
頬を染めて喘ぐ聖の腰を抱え上げなら、晁生は低く笑う。
「一度くらいで、終了するなんて気はないよ」
「お、まえ……」
(何かクスリでもやってるのか?)
そんな疑問を目で問うと、晁生は軽く頭を振った。
「君の周りにはいつも手強いライバル達がいて、ボクはもう半年以上も君に触れる事さえ叶わないでいたんだ」
「そんな事――」
「反社の連中にしてもそうだし、スポンサー企業のお偉いさんにマスコミの重鎮……あと、ネット関連大手から、かなりの遣り手を引き抜いたって噂も聞いてるよ」
「お前の気のせいだ」
言い掛かりだというように、聖はツンと顔を背ける。
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