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『問題』という意味深なワードに、朝日はビクッと肩を揺らした。
きよし&カオルのカップルは順風満帆だと安心していたのに、まさか波乱が?
「な、何があったんですか!?」
焦ってそう問い質したところ、きよしは困り顔のまま「自分たちは順調なんですが」と嘆息する。
「……お互いの家族が、あまりいい顔をしなくて参ってるんです。どうやら女性をパートナーに選んでほしかったみたいで」
「ああ、なるほど」
きよしの告白を聞き、朝日は納得した。
今どき、普通は男女だとか同性カップルなんてキモイだとか。そういう事を言う人種は、この東京では絶滅危惧種並みに減っているが、田舎ではまだまだそういった声が残っているのは事実だ。
それに、同性婚も認められ、養子を迎える事も推奨されるようになった現代でも、やはり『血』を重視する家は多い。
精子、または卵子を使用し、代理母を通じて誕生した子供も『実子』と認められるよう法律改正されたのも大きい。
せめてウチの血だけは絶やさないで~と、親に泣きつかれて破局した同性カップルがいると、宇野と須藤が言っていたのを思い出す。
「すると、きよしさん達は近々婚約の予定だと伺ってましたが――」
「すみません、その話は止まってます。で、でも! 自分たちは超ラブラブだから、別れる選択肢なんて絶対無いのは本当です!」
「それは……良かったですが……」
朝日はきよしの現状を知り、胸の奥に閉まっていたモヤモヤがぶり返してきた。
好き同士の筈なのに、周りに振り回されるのは本当に気分が悪い。
「それではきよしさんの希望としては、どのようなものをお望みですか?」
「自分は……カオルさんと結婚する時は、互いの友人や親族を招待して大々的に式を挙げたいと思ってました。ずっと貯金してたので、予算は700万出せます」
「ナッ!?」
「あ、+300までなら何とか……」
顔を赤くしてモジモジしているきよしは、実に真面目で純な好青年であるが。
きよし&カオルのカップルは順風満帆だと安心していたのに、まさか波乱が?
「な、何があったんですか!?」
焦ってそう問い質したところ、きよしは困り顔のまま「自分たちは順調なんですが」と嘆息する。
「……お互いの家族が、あまりいい顔をしなくて参ってるんです。どうやら女性をパートナーに選んでほしかったみたいで」
「ああ、なるほど」
きよしの告白を聞き、朝日は納得した。
今どき、普通は男女だとか同性カップルなんてキモイだとか。そういう事を言う人種は、この東京では絶滅危惧種並みに減っているが、田舎ではまだまだそういった声が残っているのは事実だ。
それに、同性婚も認められ、養子を迎える事も推奨されるようになった現代でも、やはり『血』を重視する家は多い。
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せめてウチの血だけは絶やさないで~と、親に泣きつかれて破局した同性カップルがいると、宇野と須藤が言っていたのを思い出す。
「すると、きよしさん達は近々婚約の予定だと伺ってましたが――」
「すみません、その話は止まってます。で、でも! 自分たちは超ラブラブだから、別れる選択肢なんて絶対無いのは本当です!」
「それは……良かったですが……」
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「ナッ!?」
「あ、+300までなら何とか……」
顔を赤くしてモジモジしているきよしは、実に真面目で純な好青年であるが。
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