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結び相談所の新参者な自分としては、恭介に仲間意識を持っていただけに何とも残念な気分になる。
それにしても、何でこんな急に『敵意』のようなものを向けられるのか納得がいかない。
つい先日まで、自分達の仲は良好であった筈だ。
それだけは間違いじゃないと思う。
「なぁ、とりあえず僕に対するその態度の原因を言ってくれないか? もしかして何か怒らせるような事をしたんなら謝るからさ」
そう口にしたところ、恭介も自分の態度の悪さに少し反省したらしい。
小さく溜め息をつくと、ちらりと朝日を見て「別に朝日が悪いわけじゃないけど」と呟く。
そうして、朝日の質問とは関係のない事を言い出した。
「……朝日は、なんでこの相談所に再就職したんだ?」
「え? そうだな……前の会社を乗っ取られたような感じで最初はなんか怖い気もしたけど、給料は良い方だったし、仕事内容も今までと違って面白いような気がしてたから、このまま就職しても良いかなって」
「須藤黒闇社長は?」
「社長? 顔に傷があるし、なんかカタギっぽくない迫力があるし。ヤバい人かなと思ってたけど、案外優しい人だよね。婚活パーティーでは助け舟を出してくれたし」
率直な感想を口にしたところ、恭介は忌々し気に舌打ちをする。
(えぇ~? なんかマズい事言ったか!?)
意味が分からず混乱する朝日に、恭介はズバリ本心を叩きつけて来た。
「俺は、社長に一目惚れしたから結び相談所に就職したんだ。あの人が居なかったら、前の会社を辞めた他の皆のように、さっさと退職金だけもらって次の就職先を探していたよ」
『社長に一目惚れした』
そのセリフに、朝日は脳天を撃ち抜かれたような気がした。
(そんな理由かよっ!? じゃあ何か? 社長が何だか僕に気安いのが気に入らなくて、それで怒っていたってのか?)
納得したような、納得できないような。
何とも複雑な気分になり、朝日は深々と溜め息をついた。
「言っておくけど、僕は社長に恋愛感情なんて無いから。嫉妬なんて下らないことは止めてくれないか」
それにしても、何でこんな急に『敵意』のようなものを向けられるのか納得がいかない。
つい先日まで、自分達の仲は良好であった筈だ。
それだけは間違いじゃないと思う。
「なぁ、とりあえず僕に対するその態度の原因を言ってくれないか? もしかして何か怒らせるような事をしたんなら謝るからさ」
そう口にしたところ、恭介も自分の態度の悪さに少し反省したらしい。
小さく溜め息をつくと、ちらりと朝日を見て「別に朝日が悪いわけじゃないけど」と呟く。
そうして、朝日の質問とは関係のない事を言い出した。
「……朝日は、なんでこの相談所に再就職したんだ?」
「え? そうだな……前の会社を乗っ取られたような感じで最初はなんか怖い気もしたけど、給料は良い方だったし、仕事内容も今までと違って面白いような気がしてたから、このまま就職しても良いかなって」
「須藤黒闇社長は?」
「社長? 顔に傷があるし、なんかカタギっぽくない迫力があるし。ヤバい人かなと思ってたけど、案外優しい人だよね。婚活パーティーでは助け舟を出してくれたし」
率直な感想を口にしたところ、恭介は忌々し気に舌打ちをする。
(えぇ~? なんかマズい事言ったか!?)
意味が分からず混乱する朝日に、恭介はズバリ本心を叩きつけて来た。
「俺は、社長に一目惚れしたから結び相談所に就職したんだ。あの人が居なかったら、前の会社を辞めた他の皆のように、さっさと退職金だけもらって次の就職先を探していたよ」
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そのセリフに、朝日は脳天を撃ち抜かれたような気がした。
(そんな理由かよっ!? じゃあ何か? 社長が何だか僕に気安いのが気に入らなくて、それで怒っていたってのか?)
納得したような、納得できないような。
何とも複雑な気分になり、朝日は深々と溜め息をついた。
「言っておくけど、僕は社長に恋愛感情なんて無いから。嫉妬なんて下らないことは止めてくれないか」
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