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真壁了、犬の生活🐕
真壁了、忠犬の日常🐕
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「あの、聖さん!」
「……ん? なんだ?」
「ええと、その――――腹、減ってませんか? 今から外に出るのも面倒だと思いますし、簡単な物でよければオレがお作りしますが」
いきなり『好きです、付き合ってください』と告白しても、相手が困るだけだろう。
まずは、何か理由を付けて部屋へ上がらせてもらってからの方が、スムーズに事を運べるような気がする。
そう思った真壁は、出来るだけ不自然ではない風を装って言ってみたのだが。
「いいや、今日はもういい」
あっさりと断られ、作戦はあえなく撃沈した。
「そ、そうですか……」
ここで粘れないのが、真壁の悪いトコロである。
彼は肩を落としながら、弱々しい笑みを浮かべて会釈をした。
「……失礼しました。それでは、明日はまた11時にお迎えに上がります。どうぞごゆっくりお休みください」
そう言って、踵を返そうとした真壁の背に、不意に声が掛けられた。
「お前、犬を飼う予定はないか?」
「犬――ですか?」
振り返ると、聖が少しだけ苦い笑みを浮かべていた。
「ああ、犬だ。ケージやサークル……それに、エサやペットシートと諸々一式買ったんだが、肝心の犬がいなくなったからな。もしよければ、貰ってくれないか?」
「はぁ……」
真壁は、今まで犬を飼ったことがない。
当然、犬の飼い方など分からないが――
「聖さんがお困りでしたら、こちらで引き取って処分致しますが」
「いや、困るというか……いつまでも手元に置いてあると、何かと思い出しちまうからな」
サークルもケージも、とうとう一度も使うことが無かった。
仔犬を抱えながら選んで買った、可愛い柄のエサ入れも新品のままだ。
それどころか、エサ袋の封さえまだ開けていない。
「CMの犬用チュルールも買ってみたんだ。ワン公に与えたところが見たかったが……」
「……ん? なんだ?」
「ええと、その――――腹、減ってませんか? 今から外に出るのも面倒だと思いますし、簡単な物でよければオレがお作りしますが」
いきなり『好きです、付き合ってください』と告白しても、相手が困るだけだろう。
まずは、何か理由を付けて部屋へ上がらせてもらってからの方が、スムーズに事を運べるような気がする。
そう思った真壁は、出来るだけ不自然ではない風を装って言ってみたのだが。
「いいや、今日はもういい」
あっさりと断られ、作戦はあえなく撃沈した。
「そ、そうですか……」
ここで粘れないのが、真壁の悪いトコロである。
彼は肩を落としながら、弱々しい笑みを浮かべて会釈をした。
「……失礼しました。それでは、明日はまた11時にお迎えに上がります。どうぞごゆっくりお休みください」
そう言って、踵を返そうとした真壁の背に、不意に声が掛けられた。
「お前、犬を飼う予定はないか?」
「犬――ですか?」
振り返ると、聖が少しだけ苦い笑みを浮かべていた。
「ああ、犬だ。ケージやサークル……それに、エサやペットシートと諸々一式買ったんだが、肝心の犬がいなくなったからな。もしよければ、貰ってくれないか?」
「はぁ……」
真壁は、今まで犬を飼ったことがない。
当然、犬の飼い方など分からないが――
「聖さんがお困りでしたら、こちらで引き取って処分致しますが」
「いや、困るというか……いつまでも手元に置いてあると、何かと思い出しちまうからな」
サークルもケージも、とうとう一度も使うことが無かった。
仔犬を抱えながら選んで買った、可愛い柄のエサ入れも新品のままだ。
それどころか、エサ袋の封さえまだ開けていない。
「CMの犬用チュルールも買ってみたんだ。ワン公に与えたところが見たかったが……」
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