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真壁了、犬の生活🐕
真壁了、昇天する🐕
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やがて時間通りに訪れた清掃係りに、リビングのクリーニングと壊れた家具の廃棄を依頼したところで、聖は微笑みながら仔犬達に語り掛けた。
「じゃあ、向こうの部屋でプロレスごっこでもして遊ぼうか?」
「ワンッ💗」
「キャン💗」
「それとも、お昼寝とご飯が先かな?」
「……」
「……」
「プロレスごっこがいいのか?」
「ワンワンワン!」
「キャンキャン!」
『もちろんです!』
『当り前だ!』
千切れんばかりに尻尾を振り回す仔犬達に、聖は、なんて元気で遊び好きな仔犬なんだろうと微笑んだ。
幸い、部屋なら来客用に二部屋用意してある。
これだけスペースがあれば、犬二匹を飼うなど余裕だろう。
……まぁ、中には犬嫌いの客もいるだろうが、そんな事は知った事か。
こんなに可愛い生き物を嫌うような野郎、こっちから願い下げというものだ。
「じゃあ、ここの客間で遊ぼうか」
「ワンッ💗」
「キャン💗」
コロコロと元気に足元を転げまわり、キャンキャンと吠える仔犬に微笑みながら、聖は履いていたフリース素材のズボンをポイと脱ぎ捨てた。
これは、犬の毛が付くのを避けるための行動だったが、思わぬ副産物を生んでいた。
何故か再び険悪そうな雰囲気になりかけていた仔犬達が、ピタリと大人しくなったのだ。
『ひ、聖さん……!』
『やっぱり、こうして明るい日の下で見る方が格別だなぁ』
残念ながらフルヌードとはいかないが、身体の線にピッタリとした下着姿は格別だ。
湯気で曇っていた風呂場と違い、明るい室内では、視力の弱い犬の目にも聖のボディーラインがバッチリ見える。
たった今まで騒いでいた仔犬達は大人しくなって、カーペットの上に並んでコロンと転がった。
『小股の切れ上がった、いい身体してるよな~相変わらず』
一夏の不愉快な呟きは完全に耳からシャットアウトし、真壁は、うっとりとして聖を下から仰ぎ見る。
『ああ、聖さん……本当に、なんて美しい……』
キックボクシングで鍛えている下肢は程よく筋肉が付いていて、スッと伸びている足はカモシカのように引き締まっている。
昔、真壁が修学旅行で箱根を訪れた際、現地の美術館で見たミケランジェロ作のダビデ像が無様な短足に思える。そのくらい、聖の美脚は絶品だった。
うっとりとして腹を見せながら転がっている仔犬達を見下ろし、聖は「ん?」と首を傾げる。
「どうした、お前達? やっぱりお風呂に入って疲れたんじゃないのか?」
「キュ~ンキャウン」
「ハウゥンバウッ」
「はは、二匹そろって可愛い声で吠えやがって」
聖は御機嫌になって、カーペットの上に腹ばいになった。
「そんな無防備な格好して寝転がっていたら、イタズラしちゃうぞ?」
そう言いながら、滑らかな肌をした美しい腕を伸ばし、真壁の腹をさわさわと撫でた。
その、えも言われぬ感覚に、真壁は一気に昇天しそうになる。
「ハウン💗」
「ははは、何だ、ワン公気持ちがいいのか?」
「ク~ン」
全身で感情を表す仔犬に微笑み、聖は更に手を這わせようとするが。
「キャンキャン!」
『こっちも触れ』と言わんばかりに腹を見せてジタバタと転がる毛玉犬に、聖はハハっと笑った。
「じゃあ、向こうの部屋でプロレスごっこでもして遊ぼうか?」
「ワンッ💗」
「キャン💗」
「それとも、お昼寝とご飯が先かな?」
「……」
「……」
「プロレスごっこがいいのか?」
「ワンワンワン!」
「キャンキャン!」
『もちろんです!』
『当り前だ!』
千切れんばかりに尻尾を振り回す仔犬達に、聖は、なんて元気で遊び好きな仔犬なんだろうと微笑んだ。
幸い、部屋なら来客用に二部屋用意してある。
これだけスペースがあれば、犬二匹を飼うなど余裕だろう。
……まぁ、中には犬嫌いの客もいるだろうが、そんな事は知った事か。
こんなに可愛い生き物を嫌うような野郎、こっちから願い下げというものだ。
「じゃあ、ここの客間で遊ぼうか」
「ワンッ💗」
「キャン💗」
コロコロと元気に足元を転げまわり、キャンキャンと吠える仔犬に微笑みながら、聖は履いていたフリース素材のズボンをポイと脱ぎ捨てた。
これは、犬の毛が付くのを避けるための行動だったが、思わぬ副産物を生んでいた。
何故か再び険悪そうな雰囲気になりかけていた仔犬達が、ピタリと大人しくなったのだ。
『ひ、聖さん……!』
『やっぱり、こうして明るい日の下で見る方が格別だなぁ』
残念ながらフルヌードとはいかないが、身体の線にピッタリとした下着姿は格別だ。
湯気で曇っていた風呂場と違い、明るい室内では、視力の弱い犬の目にも聖のボディーラインがバッチリ見える。
たった今まで騒いでいた仔犬達は大人しくなって、カーペットの上に並んでコロンと転がった。
『小股の切れ上がった、いい身体してるよな~相変わらず』
一夏の不愉快な呟きは完全に耳からシャットアウトし、真壁は、うっとりとして聖を下から仰ぎ見る。
『ああ、聖さん……本当に、なんて美しい……』
キックボクシングで鍛えている下肢は程よく筋肉が付いていて、スッと伸びている足はカモシカのように引き締まっている。
昔、真壁が修学旅行で箱根を訪れた際、現地の美術館で見たミケランジェロ作のダビデ像が無様な短足に思える。そのくらい、聖の美脚は絶品だった。
うっとりとして腹を見せながら転がっている仔犬達を見下ろし、聖は「ん?」と首を傾げる。
「どうした、お前達? やっぱりお風呂に入って疲れたんじゃないのか?」
「キュ~ンキャウン」
「ハウゥンバウッ」
「はは、二匹そろって可愛い声で吠えやがって」
聖は御機嫌になって、カーペットの上に腹ばいになった。
「そんな無防備な格好して寝転がっていたら、イタズラしちゃうぞ?」
そう言いながら、滑らかな肌をした美しい腕を伸ばし、真壁の腹をさわさわと撫でた。
その、えも言われぬ感覚に、真壁は一気に昇天しそうになる。
「ハウン💗」
「ははは、何だ、ワン公気持ちがいいのか?」
「ク~ン」
全身で感情を表す仔犬に微笑み、聖は更に手を這わせようとするが。
「キャンキャン!」
『こっちも触れ』と言わんばかりに腹を見せてジタバタと転がる毛玉犬に、聖はハハっと笑った。
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