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Darkening
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上から固定されているので、聖は逃れることは出来ない。
ただ、白い脚をビクビクと震えさせ、自由になるだけの身体をくねらせる。
絶え間ない後孔内の蠕動に、史郎の男根も責め苛まれる。
「くそっ――お前のココは、どうなってんだよ!」
苦し紛れのセリフを放ち、史郎も大砲を暴発させた。
瞬間、押え付けられているにも拘らず、聖の身体が絨毯の上で海老のように仰け反る。
「あ――――あぁっ!」
食い千切られそうな締め付けに、史郎は歯を食いしばって耐えた。
その状態のまま、数秒間制止する。
自身の征服の証である精液を、一滴残らず聖の後孔へと注ぎ込んでいるのだ。
やがて、力のないような呻き声を上げて、聖が荒い喘鳴のなか苦言を口にする。
「ナカは、やめろって……」
「安心しな。この後風呂場に行って、孔の奥の奥まで洗ってやるよ」
「そ――」
「だから、まだ寝るんじゃねぇぞ」
まだまだ、こっちは続けたいのだから。
男は酷薄に笑うと、射抜くような眼で誉を睨んだ。
「おい、ガキ。お前にこいつは勿体ない。オレの言っている意味が分かっただろう?」
「う……」
「それとも、このまま2ラウンド目も見ているか? ……オレは別に、最終ラウンドまで見物して行っても構わないがな」
男の挑発に、誉はもはや触発されることはなかった。
――――自分には、もはや聖を引き留めるだけの魅力も実力も胆力もない。
この獰猛な虎のような男に、完全に、全てにおいて敗北している。
それを思い知り、誉はゆっくりと後退する。
(叶う事なら――――あなたをもう一度抱き締めたかった……)
身勝手な願いだと思うけれど、本当に聖が好きだった。
「……ゴメン、聖さん――」
微かな声でそう告げると、誉はその場を去って行った。
パタンと扉の閉まる音を聞き、聖の瞼が伏せられる。
瞬間、綺麗な涙が、ツーっと頬を流れた。
その様子に気付き、史郎はそれまでと打って変わった優しい仕草で、聖の身体をソファーへと下ろした。
「泣くな」
「う……」
濡れる頬を大きな手の平で包み、史郎は顔を寄せる。
そうして、乱れた前髪の貼り付く、その額へと口付けを落とした。
「お前が……今直ぐマンションに来いっていうから何事かと思ったが……」
「ぅ……」
「あのガキを振る為だったんだな? 大体、事情は察した」
「……」
優しい声に、聖の涙は止まらなくなる。
こんな時に優しくされるのが、一番ツライ。
「あんたに――悪いとは思った……」
そもそも、この男に対して、もう会わないと言ったのはこっちの方だ。
なのに、自分の都合次第で、今もこうして呼び寄せてしまっている。
酷いのは、こっちの方だろう。
不用意に近付いたら通報すると警告しておきながら、これでは――――我ながら身勝手すぎると思う。
「史郎……すまない……」
肩を震わせてポロポロと涙をこぼす聖を優しく抱き上げると、史郎は、溜め息交じりに囁いた。
「気にするな。どうせ惚れてんのはこっちの方だ。……考えてみれば、オレはあのガキを責められないな」
史郎には女房子供がいたが、全部放り投げて、この傾国の美女に完全に傾倒している。
だが史郎は、誉と違って決して引く事はないだろう。
――――これからも。
「う――」
「さっきは乱暴だったからな。……今度は、優しく抱いてやるよ」
ただ、白い脚をビクビクと震えさせ、自由になるだけの身体をくねらせる。
絶え間ない後孔内の蠕動に、史郎の男根も責め苛まれる。
「くそっ――お前のココは、どうなってんだよ!」
苦し紛れのセリフを放ち、史郎も大砲を暴発させた。
瞬間、押え付けられているにも拘らず、聖の身体が絨毯の上で海老のように仰け反る。
「あ――――あぁっ!」
食い千切られそうな締め付けに、史郎は歯を食いしばって耐えた。
その状態のまま、数秒間制止する。
自身の征服の証である精液を、一滴残らず聖の後孔へと注ぎ込んでいるのだ。
やがて、力のないような呻き声を上げて、聖が荒い喘鳴のなか苦言を口にする。
「ナカは、やめろって……」
「安心しな。この後風呂場に行って、孔の奥の奥まで洗ってやるよ」
「そ――」
「だから、まだ寝るんじゃねぇぞ」
まだまだ、こっちは続けたいのだから。
男は酷薄に笑うと、射抜くような眼で誉を睨んだ。
「おい、ガキ。お前にこいつは勿体ない。オレの言っている意味が分かっただろう?」
「う……」
「それとも、このまま2ラウンド目も見ているか? ……オレは別に、最終ラウンドまで見物して行っても構わないがな」
男の挑発に、誉はもはや触発されることはなかった。
――――自分には、もはや聖を引き留めるだけの魅力も実力も胆力もない。
この獰猛な虎のような男に、完全に、全てにおいて敗北している。
それを思い知り、誉はゆっくりと後退する。
(叶う事なら――――あなたをもう一度抱き締めたかった……)
身勝手な願いだと思うけれど、本当に聖が好きだった。
「……ゴメン、聖さん――」
微かな声でそう告げると、誉はその場を去って行った。
パタンと扉の閉まる音を聞き、聖の瞼が伏せられる。
瞬間、綺麗な涙が、ツーっと頬を流れた。
その様子に気付き、史郎はそれまでと打って変わった優しい仕草で、聖の身体をソファーへと下ろした。
「泣くな」
「う……」
濡れる頬を大きな手の平で包み、史郎は顔を寄せる。
そうして、乱れた前髪の貼り付く、その額へと口付けを落とした。
「お前が……今直ぐマンションに来いっていうから何事かと思ったが……」
「ぅ……」
「あのガキを振る為だったんだな? 大体、事情は察した」
「……」
優しい声に、聖の涙は止まらなくなる。
こんな時に優しくされるのが、一番ツライ。
「あんたに――悪いとは思った……」
そもそも、この男に対して、もう会わないと言ったのはこっちの方だ。
なのに、自分の都合次第で、今もこうして呼び寄せてしまっている。
酷いのは、こっちの方だろう。
不用意に近付いたら通報すると警告しておきながら、これでは――――我ながら身勝手すぎると思う。
「史郎……すまない……」
肩を震わせてポロポロと涙をこぼす聖を優しく抱き上げると、史郎は、溜め息交じりに囁いた。
「気にするな。どうせ惚れてんのはこっちの方だ。……考えてみれば、オレはあのガキを責められないな」
史郎には女房子供がいたが、全部放り投げて、この傾国の美女に完全に傾倒している。
だが史郎は、誉と違って決して引く事はないだろう。
――――これからも。
「う――」
「さっきは乱暴だったからな。……今度は、優しく抱いてやるよ」
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