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表書きには、確かに奏の名前だけが記されている。
しかし、直接ポストに投函とは――――何だか気味の悪い話だ。
不審に思いながら、奏は封を切って中身を見てみる。
どうやら、写真が入っているようだが……?
「わっ! 」
奏はそれを見て、思わず声を上げてしまった。
安里も驚いて、いったい何が入っていたのかと首を伸ばし、奏の手元を覗いてみた。
そして、安里も『うっ』と声を詰まらせる。
「――――っわ~……これはこれは……まさか、奏がねぇ……」
「ち、違うよ! これは僕じゃない!! 」
奏はそう言うと、写真を床へと叩きつけた。
入っていた写真は、複数での乱交シーンの写真であった。
奏の顔をした人物が、前後を逞しい男に挟まれて堂々と恥部を晒している。
赤黒い怒張が、後孔をみっちりと塞いでいる場面が撮られた、赤裸々な写真であった。
「――ふぅ~ん、何だアイコラか……ずいぶんとレベルの低い合成だね」
しげしげと、奏が床に叩きつけた写真へ目を落としながら、安里はそう言った。
「アイコラ? 」
「合成写真だよ。顔だけ奏に差し替えたんだな。しかし、すっごい写真だねー」
安里は呆れたように言うと、写真を拾って奏へと手渡す。
「とにかく、これが奏に来たという事は――――何か心当たりある? 」
「え? 」
「嫌がらせされるような覚えがあるのか?ってこと。どっちかっていうと、奏は地味だし真面目だし……人に嫌われるタイプじゃないと思うんだけど……」
確かに、奏は人に恨まれたことなどない。
前に出て行くようなタイプでもないので、普段は目立たない方だ。
当然、敵なんているワケが無い。
「わ……分からないよ。どうしてこんな物が――」
「直接ポストに投函されたって事は、相手は奏がここに住んでいる事は知っているワケだ。それでも、心当たりない? 」
安里の言葉に、奏は必死に記憶を探る。
(誰だ、こんな事をするのは? 栄太さんの幼馴染だっていう女ベータ? それとも、以前発情期の時にトラブルになったベータ? それにしても……ここまでするなんて……)
一枚だけ、写真の裏に文字が書かれていた。
『これがお前の本性だ』
(な、なんだよ、それ! 僕はこんなのしない!! )
カッとして、奏は写真を二つにビリっと裂いた。
「どうせ、ここに住んでいるオメガに対する嫌がらせだよ! たまたまターゲットが僕になっただけだ」
「そう?……まぁ、何かあればなんでもいいから相談してよね。仲間なんだからさ」
「う、うん! 勿論だよ。お土産、みんなの分買ってきたから、明日研究室で渡すね」
「お、サンキュー。こっちはこれからデータの集計だよ~。奏もこれからだろ?あんまり根を詰め過ぎないでね」
安里はそう言うと、自室へと戻って行った。
奏はそれに手を振りながら、お土産で買ってきたチーズを冷蔵庫へと入れる。
(誰が――こんな事を……)
あんないやらしい写真、奏の本性のワケがない。
不愉快だ!
…………そう思うが、栄太の言う『発情期の時の奏』はどうなんだろうか?
何だか、自信が無くなってしまう。オメガの自分は――果たして……。
そこで、ハタと奏は思い至った。
もしかしたら、これは奏に対する警告かもしれない!
奏には、それなら心当たりがある。
「ヤン助教――? 」
そう、思わず声が漏れていた。
七海の病室で、九条理事とモメているヤンを見てしまった奏だ。
密かにその場は退室したが、もしかしたら病院の出入記録で、奏がその時間に居たことに気付いたのかもしれない。
だから、ヤンは奏に警告したのだろうか?
それなら辻褄が合う。
他に話をバラすなら――――七海のように、奏もこうしてやるぞ、と。
しかし、直接ポストに投函とは――――何だか気味の悪い話だ。
不審に思いながら、奏は封を切って中身を見てみる。
どうやら、写真が入っているようだが……?
「わっ! 」
奏はそれを見て、思わず声を上げてしまった。
安里も驚いて、いったい何が入っていたのかと首を伸ばし、奏の手元を覗いてみた。
そして、安里も『うっ』と声を詰まらせる。
「――――っわ~……これはこれは……まさか、奏がねぇ……」
「ち、違うよ! これは僕じゃない!! 」
奏はそう言うと、写真を床へと叩きつけた。
入っていた写真は、複数での乱交シーンの写真であった。
奏の顔をした人物が、前後を逞しい男に挟まれて堂々と恥部を晒している。
赤黒い怒張が、後孔をみっちりと塞いでいる場面が撮られた、赤裸々な写真であった。
「――ふぅ~ん、何だアイコラか……ずいぶんとレベルの低い合成だね」
しげしげと、奏が床に叩きつけた写真へ目を落としながら、安里はそう言った。
「アイコラ? 」
「合成写真だよ。顔だけ奏に差し替えたんだな。しかし、すっごい写真だねー」
安里は呆れたように言うと、写真を拾って奏へと手渡す。
「とにかく、これが奏に来たという事は――――何か心当たりある? 」
「え? 」
「嫌がらせされるような覚えがあるのか?ってこと。どっちかっていうと、奏は地味だし真面目だし……人に嫌われるタイプじゃないと思うんだけど……」
確かに、奏は人に恨まれたことなどない。
前に出て行くようなタイプでもないので、普段は目立たない方だ。
当然、敵なんているワケが無い。
「わ……分からないよ。どうしてこんな物が――」
「直接ポストに投函されたって事は、相手は奏がここに住んでいる事は知っているワケだ。それでも、心当たりない? 」
安里の言葉に、奏は必死に記憶を探る。
(誰だ、こんな事をするのは? 栄太さんの幼馴染だっていう女ベータ? それとも、以前発情期の時にトラブルになったベータ? それにしても……ここまでするなんて……)
一枚だけ、写真の裏に文字が書かれていた。
『これがお前の本性だ』
(な、なんだよ、それ! 僕はこんなのしない!! )
カッとして、奏は写真を二つにビリっと裂いた。
「どうせ、ここに住んでいるオメガに対する嫌がらせだよ! たまたまターゲットが僕になっただけだ」
「そう?……まぁ、何かあればなんでもいいから相談してよね。仲間なんだからさ」
「う、うん! 勿論だよ。お土産、みんなの分買ってきたから、明日研究室で渡すね」
「お、サンキュー。こっちはこれからデータの集計だよ~。奏もこれからだろ?あんまり根を詰め過ぎないでね」
安里はそう言うと、自室へと戻って行った。
奏はそれに手を振りながら、お土産で買ってきたチーズを冷蔵庫へと入れる。
(誰が――こんな事を……)
あんないやらしい写真、奏の本性のワケがない。
不愉快だ!
…………そう思うが、栄太の言う『発情期の時の奏』はどうなんだろうか?
何だか、自信が無くなってしまう。オメガの自分は――果たして……。
そこで、ハタと奏は思い至った。
もしかしたら、これは奏に対する警告かもしれない!
奏には、それなら心当たりがある。
「ヤン助教――? 」
そう、思わず声が漏れていた。
七海の病室で、九条理事とモメているヤンを見てしまった奏だ。
密かにその場は退室したが、もしかしたら病院の出入記録で、奏がその時間に居たことに気付いたのかもしれない。
だから、ヤンは奏に警告したのだろうか?
それなら辻褄が合う。
他に話をバラすなら――――七海のように、奏もこうしてやるぞ、と。
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