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綾瀬は、いつも好きだと言ってくれる。
欲しいものは何でも買ってくれるし、我が儘もニコニコ笑って聞いてくれる。
だけれども、反対に、綾瀬は何かをしてくれとは言ってくれない。
男友達と遊んでも、帰りが遅くなっても、笑って何も言ってくれない。
――――仕事だったの。同窓会だったの。昔の友達と偶然会ったの。
わざとらしい言い訳をしても、綾瀬は微笑んで頷くだけだ。
嫉妬も、焼きもちもしない。
花蓮の言葉を、疑うこともしない。
それで本当に、私に興味があるの?
そう、焦燥感を感じていた花蓮と、綾瀬に相応しい親友でいようと疲弊していた達郎は……ともに過ちを犯した。
花蓮は達郎の子を宿し、そして、精神に異常を来たしたのだ。
『あなたが悪いのよ、どうしてくれるの? この事を塔矢に言うわ。そしてあなたが昔から塔矢が好きだったってバラしてやる! 』
『花蓮! 』
『この子が全然塔矢に似てないって、疑ったらどうするの? ああ、でも――そんな事にはならないかもね。だって、あの人、全然そんな事に興味がないんだもの』
ハハハハと狂った笑いを放ち花蓮は泣く。
『どうしてこうなるの? もう嫌! ラクになりたい……』
『花蓮――』
『あの人に相応しい完璧なお嫁さんになりたかったのに私はこんなつまらない女で。だから興味もロクに持ってくれないんだわ! 』
そして、また火が付いたように泣き喚く。
困窮した達郎は、密かに合法ドラッグを手に入れ、それを花蓮に与えた。
そこから、どんどん達郎は引き返せない道に進んでしまったのだ。
たまたまその合法ドラッグが黒龍の売り出していた花圃であり、達郎は深みに落ちた。
花蓮に言われるままドラッグをどんどん彼女へ与え、結果花蓮はドラッグにのめり込み、過剰摂取し顔を掻き毟って狂い死にした。
そして達郎も黒龍とトラブルになり、射殺された。愚かな彼が、本当に綾瀬塔矢に伝えたかった一言は――――。
『――――ずっと昔から、お前が本当に大好きで、誰より愛していた。そして、それと同じくらい憎悪していた』
その一行が、手紙の最後に書かれていた。
欲しいものは何でも買ってくれるし、我が儘もニコニコ笑って聞いてくれる。
だけれども、反対に、綾瀬は何かをしてくれとは言ってくれない。
男友達と遊んでも、帰りが遅くなっても、笑って何も言ってくれない。
――――仕事だったの。同窓会だったの。昔の友達と偶然会ったの。
わざとらしい言い訳をしても、綾瀬は微笑んで頷くだけだ。
嫉妬も、焼きもちもしない。
花蓮の言葉を、疑うこともしない。
それで本当に、私に興味があるの?
そう、焦燥感を感じていた花蓮と、綾瀬に相応しい親友でいようと疲弊していた達郎は……ともに過ちを犯した。
花蓮は達郎の子を宿し、そして、精神に異常を来たしたのだ。
『あなたが悪いのよ、どうしてくれるの? この事を塔矢に言うわ。そしてあなたが昔から塔矢が好きだったってバラしてやる! 』
『花蓮! 』
『この子が全然塔矢に似てないって、疑ったらどうするの? ああ、でも――そんな事にはならないかもね。だって、あの人、全然そんな事に興味がないんだもの』
ハハハハと狂った笑いを放ち花蓮は泣く。
『どうしてこうなるの? もう嫌! ラクになりたい……』
『花蓮――』
『あの人に相応しい完璧なお嫁さんになりたかったのに私はこんなつまらない女で。だから興味もロクに持ってくれないんだわ! 』
そして、また火が付いたように泣き喚く。
困窮した達郎は、密かに合法ドラッグを手に入れ、それを花蓮に与えた。
そこから、どんどん達郎は引き返せない道に進んでしまったのだ。
たまたまその合法ドラッグが黒龍の売り出していた花圃であり、達郎は深みに落ちた。
花蓮に言われるままドラッグをどんどん彼女へ与え、結果花蓮はドラッグにのめり込み、過剰摂取し顔を掻き毟って狂い死にした。
そして達郎も黒龍とトラブルになり、射殺された。愚かな彼が、本当に綾瀬塔矢に伝えたかった一言は――――。
『――――ずっと昔から、お前が本当に大好きで、誰より愛していた。そして、それと同じくらい憎悪していた』
その一行が、手紙の最後に書かれていた。
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