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2 First meeting
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「異邦人?……母方の先祖にロシアの亡命貴族がいたとか嘘臭い話を聞いた事があるが、どうだかオレは分かんねぇよ」
「じゃあ、あれだ。先祖返りってヤツだな」
「だから、知らねぇって」
ぶっきら棒に言い放つが、多生は気にならない様子で「ふーん」と鼻を鳴らす。
そうしながら、多生は何やらクリームのような物を手に取ると、聖の身体へと手を伸ばしてきた。
聖は素肌に、毛布を被っただけの無防備状態だ。
当然警戒して、伸びて来た多生の手を叩き落とす。
「オレに触るな!」
「おや、つれないねぇ」
くつくつと笑うと、次に多生は真顔になって、聖が抵抗する前にその上腕を掴んだ。
そうして、有無も言わせずベッドへと押し倒す。
「なっ」
――にするんだよ、という前に、多生は自身の右手を、聖の尻の合間へとぬるりと滑り込ませる。そうしてあっという間に、谷の奥に秘められていた後孔へと、指一本を差し込んだ。
「!」
「うん、よく締まった良い孔だ。さっき見た時はちょっと腫れていたようだったが、もう大丈夫のようだな」
「な、に――しやがる!」
暴れて抵抗しようとする聖であるが、多生は己の身体をズシリと上から重ねて、その抵抗を容易く封じた。
如何せん最初から対格差があるので、上に伸し掛かられると、聖にはどうする事も出来ない。
「重い、どけ!! おい! 勝手にヘンな所触んな!」
「んー? もっと入れてくれって?」
「誰もそんなの言ってない!」
怒りと羞恥で顔を真っ赤にして、聖は怒鳴り声を上げた。
だが、聖の猛烈な抗議などさらりと遣り過ごし、多生は巧みに指先を動かした。
強引なようで繊細な指使いに、硬かった後孔は忽ち花開いて行く。
いつの間にやら、抜き差しを繰り返していた指は二本に増えていた。
同時に、隠し切れない甘い声が、聖の唇から洩れる。
「う――あぅ……や、め――」
「うん、実にいい素材だ。これだけ柔軟な孔なら、下準備にそれほど時間を掛けなくても本番に進む事が出来るな」
そう言うと、多生はあっさりと指を抜いてしまった。
緋色に濡れ、ヒクリと震える魅惑的な後孔を前にしても、全く性的に興奮した様子もない。
聖は霞が掛かったような眼で、そんな多生を無意志に流し見る。
本人は意識していないが、それは凄絶なほどの色っぽさだった。
その眼差しに気付き、多生は困ったようにクシャリと顔をしかめる。
「おいおい、そういう顔は反則だぞ」
「?」
「そんな眼で見られたら、男としちゃあ堪らん。絶対誘ってると思っちまう」
この言葉に、聖はスーッと正気に戻った。
「ハァ!? 誰が誘ってるって!? バカ言ってんじゃねーよ!」
「ははは、可愛いな……じりー?」
妙な発音に、今度は聖が顔をしかめる。
「オレの名前は聖だ」
「知ってる。し、じりーだろ」
「あのな……」
だがここで、聖はそれがワザとではないと流石に察した。
何かで聞いた事がある。
そうだ、確かフランスではHの発音がそもそもないので、日立が『イタチ』と変換されてしまうと。
そんな聖の考えが伝わったか、多生は不愉快だと言いたげに、眉間に皴を寄せる。
「誤解してくれるなよ。オレは英語は得意だ。Hの単語も問題なく言える。House、Human……な、言えてるだろう? ただ、日本語の発音が苦手なだけだ」
たしかに、母音と子音のアクセントが海外と逆転する日本語は発音し辛いかもしれない。
「じゃあ、あれだ。先祖返りってヤツだな」
「だから、知らねぇって」
ぶっきら棒に言い放つが、多生は気にならない様子で「ふーん」と鼻を鳴らす。
そうしながら、多生は何やらクリームのような物を手に取ると、聖の身体へと手を伸ばしてきた。
聖は素肌に、毛布を被っただけの無防備状態だ。
当然警戒して、伸びて来た多生の手を叩き落とす。
「オレに触るな!」
「おや、つれないねぇ」
くつくつと笑うと、次に多生は真顔になって、聖が抵抗する前にその上腕を掴んだ。
そうして、有無も言わせずベッドへと押し倒す。
「なっ」
――にするんだよ、という前に、多生は自身の右手を、聖の尻の合間へとぬるりと滑り込ませる。そうしてあっという間に、谷の奥に秘められていた後孔へと、指一本を差し込んだ。
「!」
「うん、よく締まった良い孔だ。さっき見た時はちょっと腫れていたようだったが、もう大丈夫のようだな」
「な、に――しやがる!」
暴れて抵抗しようとする聖であるが、多生は己の身体をズシリと上から重ねて、その抵抗を容易く封じた。
如何せん最初から対格差があるので、上に伸し掛かられると、聖にはどうする事も出来ない。
「重い、どけ!! おい! 勝手にヘンな所触んな!」
「んー? もっと入れてくれって?」
「誰もそんなの言ってない!」
怒りと羞恥で顔を真っ赤にして、聖は怒鳴り声を上げた。
だが、聖の猛烈な抗議などさらりと遣り過ごし、多生は巧みに指先を動かした。
強引なようで繊細な指使いに、硬かった後孔は忽ち花開いて行く。
いつの間にやら、抜き差しを繰り返していた指は二本に増えていた。
同時に、隠し切れない甘い声が、聖の唇から洩れる。
「う――あぅ……や、め――」
「うん、実にいい素材だ。これだけ柔軟な孔なら、下準備にそれほど時間を掛けなくても本番に進む事が出来るな」
そう言うと、多生はあっさりと指を抜いてしまった。
緋色に濡れ、ヒクリと震える魅惑的な後孔を前にしても、全く性的に興奮した様子もない。
聖は霞が掛かったような眼で、そんな多生を無意志に流し見る。
本人は意識していないが、それは凄絶なほどの色っぽさだった。
その眼差しに気付き、多生は困ったようにクシャリと顔をしかめる。
「おいおい、そういう顔は反則だぞ」
「?」
「そんな眼で見られたら、男としちゃあ堪らん。絶対誘ってると思っちまう」
この言葉に、聖はスーッと正気に戻った。
「ハァ!? 誰が誘ってるって!? バカ言ってんじゃねーよ!」
「ははは、可愛いな……じりー?」
妙な発音に、今度は聖が顔をしかめる。
「オレの名前は聖だ」
「知ってる。し、じりーだろ」
「あのな……」
だがここで、聖はそれがワザとではないと流石に察した。
何かで聞いた事がある。
そうだ、確かフランスではHの発音がそもそもないので、日立が『イタチ』と変換されてしまうと。
そんな聖の考えが伝わったか、多生は不愉快だと言いたげに、眉間に皴を寄せる。
「誤解してくれるなよ。オレは英語は得意だ。Hの単語も問題なく言える。House、Human……な、言えてるだろう? ただ、日本語の発音が苦手なだけだ」
たしかに、母音と子音のアクセントが海外と逆転する日本語は発音し辛いかもしれない。
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