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まさか、今も通じないとは。
「多生、あんた……何が目的なんだ?」
達する様子の無い雄芯を、それでも巧みに緩急をつけて揉み上げながら、聖はそっと疑念を口にした。全ての違和感を無視して、このままセックスに没頭したいが。
やはり、気になる。
あの場所で出会ったのを、奇跡の再会だと素直に喜びたいが。
しかし、そう純粋に思い込めるほど、聖はもうガキではない。
何かしら、この再会には裏があるのだろうか――
だが、多生は聖の問い掛けに答える事無く、髭だらけの顔をクシャリと崩してみせた。
「おいおい、悲しいな。オレを疑っているのか?」
「で、でもっ」
「オレは、久しぶりにお前に会えて心底嬉しいってのに」
「それは――オレだってそうだけど」
多生は聖よりもずっと年上だ。
史郎より、三つ上だったから……今は55か?
しかし、こんな風に子供が拗ねたような顔をされては、常のように厳しく追及する言葉も出てこない。
「あんたを、こんな風に疑いたくはないが――」
戸惑いがそのまま声に出てしまい、聖はカッと頬に朱を走らせる。
数多の男達を手玉に取っているこの自分が、この男に、ウブなガキのように言い包められようとしているのか?
断じて、そんな事があってはならない。
聖は再び気を張ると、握り込んでいた雄芯へキュッと力を入れた。
ビクリと反応する多生に嫣然と微笑みかけ、もう一度尋問を開始する。
「なぁ、誰かに頼まれたのか? もしかして、乗っ取りか? 今の芸能事務所はオレのワンマンだ。経営者のオレを陥落させたら、事業にもかなりの影響が――」
「そんな事は考えてないよ。ただ、会いたかっただけだ」
これは、ひどい殺し文句だ。
こんな事を言われては、いつまでも強気に振舞い続けるなど不可能だ。
「――多生」
「昔みたいに呼んでくれよ、ターさんって」
多生はそう囁くと、それまで馬乗りになっていた聖の腰へと両手を回した。
聖が抗う前に、大きな手の平を巧みに使い、脇腹から下腹部へぬるりと滑らせる。
「あぁっ!」
そこは、聖の性感帯だった。
思わず漏れた声に、多生はニヤリと笑う。
「相変わらず、ポイントは変わらないな」
「だ、ま……れ」
「でも、ここだけじゃあイケないだろう?」
多生はそう言うと、脇腹を下から上に撫で上げる。
それだけで聖の身体はビクビクと魚のように跳ね上がるが、言葉の通り、それだけで達するのは無理だ。
「blue balls?」
「う……」
だったら、あんたのそれを突っ込んでくれよ!
そう言いたいように腰を揺らす聖であるが、多生は素知らぬ風を装って、指先でクルクルと後孔を刺激するだけだ。
ヒクリと震える愛らしい後孔を前にして、理性を保った男などいないのだが。
しかし多生は、ただ微笑むだけである。
――――どんなに男根を屹立させようが、先走を溢れさせようが、その顔は涼しいままだ。
(くそっ!)
聖はそれを確かめると、目元を紅く染めながら舌打ちをした。
多生は、昔からそうだった。
快感を持って男を受け入れることが出来るようにと聖を仕込んでおきながら、多生は一度として、自身では生身の挿入はしなかった。
こうして雄芯を勃起させておきながら、聖の中で射精した事は一度も無かったのだ。
「ターさん……」
甘い声で誘うが、多生は変わらない。
「さぁ、オレの手の中でイってみろ」
「多生、あんた……何が目的なんだ?」
達する様子の無い雄芯を、それでも巧みに緩急をつけて揉み上げながら、聖はそっと疑念を口にした。全ての違和感を無視して、このままセックスに没頭したいが。
やはり、気になる。
あの場所で出会ったのを、奇跡の再会だと素直に喜びたいが。
しかし、そう純粋に思い込めるほど、聖はもうガキではない。
何かしら、この再会には裏があるのだろうか――
だが、多生は聖の問い掛けに答える事無く、髭だらけの顔をクシャリと崩してみせた。
「おいおい、悲しいな。オレを疑っているのか?」
「で、でもっ」
「オレは、久しぶりにお前に会えて心底嬉しいってのに」
「それは――オレだってそうだけど」
多生は聖よりもずっと年上だ。
史郎より、三つ上だったから……今は55か?
しかし、こんな風に子供が拗ねたような顔をされては、常のように厳しく追及する言葉も出てこない。
「あんたを、こんな風に疑いたくはないが――」
戸惑いがそのまま声に出てしまい、聖はカッと頬に朱を走らせる。
数多の男達を手玉に取っているこの自分が、この男に、ウブなガキのように言い包められようとしているのか?
断じて、そんな事があってはならない。
聖は再び気を張ると、握り込んでいた雄芯へキュッと力を入れた。
ビクリと反応する多生に嫣然と微笑みかけ、もう一度尋問を開始する。
「なぁ、誰かに頼まれたのか? もしかして、乗っ取りか? 今の芸能事務所はオレのワンマンだ。経営者のオレを陥落させたら、事業にもかなりの影響が――」
「そんな事は考えてないよ。ただ、会いたかっただけだ」
これは、ひどい殺し文句だ。
こんな事を言われては、いつまでも強気に振舞い続けるなど不可能だ。
「――多生」
「昔みたいに呼んでくれよ、ターさんって」
多生はそう囁くと、それまで馬乗りになっていた聖の腰へと両手を回した。
聖が抗う前に、大きな手の平を巧みに使い、脇腹から下腹部へぬるりと滑らせる。
「あぁっ!」
そこは、聖の性感帯だった。
思わず漏れた声に、多生はニヤリと笑う。
「相変わらず、ポイントは変わらないな」
「だ、ま……れ」
「でも、ここだけじゃあイケないだろう?」
多生はそう言うと、脇腹を下から上に撫で上げる。
それだけで聖の身体はビクビクと魚のように跳ね上がるが、言葉の通り、それだけで達するのは無理だ。
「blue balls?」
「う……」
だったら、あんたのそれを突っ込んでくれよ!
そう言いたいように腰を揺らす聖であるが、多生は素知らぬ風を装って、指先でクルクルと後孔を刺激するだけだ。
ヒクリと震える愛らしい後孔を前にして、理性を保った男などいないのだが。
しかし多生は、ただ微笑むだけである。
――――どんなに男根を屹立させようが、先走を溢れさせようが、その顔は涼しいままだ。
(くそっ!)
聖はそれを確かめると、目元を紅く染めながら舌打ちをした。
多生は、昔からそうだった。
快感を持って男を受け入れることが出来るようにと聖を仕込んでおきながら、多生は一度として、自身では生身の挿入はしなかった。
こうして雄芯を勃起させておきながら、聖の中で射精した事は一度も無かったのだ。
「ターさん……」
甘い声で誘うが、多生は変わらない。
「さぁ、オレの手の中でイってみろ」
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