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「うっ……キツっ……」
零は小さく呟くと、左腕を使って強くユウの体を上から押さえつけながら、起用に片手で、自分のズボンのファスナーを降ろし自身の前を寛げた。
ユウの艶姿に、そこはもう隆々と勃ち上がっている。
「……どうなんです? 初心なフリして、本当はココ慣れていたりするんですか?」
右手をユウの下肢へ這わせ、禁忌の場所を撫で上げる。
未体験の衝撃に、ユウの体は魚のように跳ねる。
「うっ! あぁっ!」
「敏感ですね……反応の良さは、御堂社長の仕込みですか?」
「や、やめ……オレは聖さんとは、本当に何も……枕営業なんて……そんなバカな……」
ジタバタと床を這いながら、ユウは必死に言葉を紡ぐ。
「――有り得ないんだよ、そんな事は!!」
「ありえない? どうしてですか? 現に、あなたを狙っている業界人は多いって話ですよ?」
「そんなの知らない! だ、だいたい、お前は全然関係ないだろう! もういい加減に止めろっ!」
「……全然関係ない? はっ!」
それはそうだ。ユウの指摘は正しい。
事務所も違うし、今まで何か特別な交流があったワケでもない。
零が、ただ一方的に憧れていただけだ。
畠山ユウとの共演も、ファンとして嬉しいだけだった。
しかし、実際の本人を目の当たりにして、それまで以上に心を奪われた。
その美しく透き通るような歌声と浮世離れした彼の美しさに、釘付けになった。
それからは、ただただ、畠山ユウという男の事しか頭にない。
また、共演したい。
一緒に話をしたい。
一分でも一秒でもユウを見ていたい。そして同じように、自分の事を見てほしい。
事務所の移籍で困っているのなら、何とか力になろう。
自身の事務所の社長に土下座してでも、必ずユウを守ってみせる。
そこまで思っていたのに、よりにもよって――――。
「許せない……!」
その感情は、この怒りは、いったいどういう理由で湧いてくるのか?
暴走する激情と怒りに、理性が吹き飛ばされるようだ。
ここまで不条理で理不尽な怒りに心が捉われたのは初めてで、零は自分でも己の感情が全く解らないしブレーキも利かない。
ただ、これだけは確かだ。
「あなたを、御堂なんかに渡すもんか!」
這わせ、蠢かせていた指先を、明確な意思でそこへと突き入れる!
「っ! あ、あぁっ! 」
突然の攻撃に、ユウは目を見開く。
零は小さく呟くと、左腕を使って強くユウの体を上から押さえつけながら、起用に片手で、自分のズボンのファスナーを降ろし自身の前を寛げた。
ユウの艶姿に、そこはもう隆々と勃ち上がっている。
「……どうなんです? 初心なフリして、本当はココ慣れていたりするんですか?」
右手をユウの下肢へ這わせ、禁忌の場所を撫で上げる。
未体験の衝撃に、ユウの体は魚のように跳ねる。
「うっ! あぁっ!」
「敏感ですね……反応の良さは、御堂社長の仕込みですか?」
「や、やめ……オレは聖さんとは、本当に何も……枕営業なんて……そんなバカな……」
ジタバタと床を這いながら、ユウは必死に言葉を紡ぐ。
「――有り得ないんだよ、そんな事は!!」
「ありえない? どうしてですか? 現に、あなたを狙っている業界人は多いって話ですよ?」
「そんなの知らない! だ、だいたい、お前は全然関係ないだろう! もういい加減に止めろっ!」
「……全然関係ない? はっ!」
それはそうだ。ユウの指摘は正しい。
事務所も違うし、今まで何か特別な交流があったワケでもない。
零が、ただ一方的に憧れていただけだ。
畠山ユウとの共演も、ファンとして嬉しいだけだった。
しかし、実際の本人を目の当たりにして、それまで以上に心を奪われた。
その美しく透き通るような歌声と浮世離れした彼の美しさに、釘付けになった。
それからは、ただただ、畠山ユウという男の事しか頭にない。
また、共演したい。
一緒に話をしたい。
一分でも一秒でもユウを見ていたい。そして同じように、自分の事を見てほしい。
事務所の移籍で困っているのなら、何とか力になろう。
自身の事務所の社長に土下座してでも、必ずユウを守ってみせる。
そこまで思っていたのに、よりにもよって――――。
「許せない……!」
その感情は、この怒りは、いったいどういう理由で湧いてくるのか?
暴走する激情と怒りに、理性が吹き飛ばされるようだ。
ここまで不条理で理不尽な怒りに心が捉われたのは初めてで、零は自分でも己の感情が全く解らないしブレーキも利かない。
ただ、これだけは確かだ。
「あなたを、御堂なんかに渡すもんか!」
這わせ、蠢かせていた指先を、明確な意思でそこへと突き入れる!
「っ! あ、あぁっ! 」
突然の攻撃に、ユウは目を見開く。
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