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すると中河は、得意そうに胸を張った。
「まぁね♪ 創刊号から一位キープって、凄いだろう!」
まるで漫画のようなリアクションに、尾上は毒気を抜かれて思わず苦笑いをする。
ここまで堂々と自慢されては、呆れるよりもむしろ感心するしかない。
「ええと……中河の担当する作家が――あ、ごめん。まだ全然予習してなかったから、頭に入って無くて」
「うんうん、事情は聞いてるから大丈夫だよ。急な話でびっくりしただろう? でも、それはオレ達もなんだな~。ちなみに、オノのデスクはオレが急いで準備したんだぞ」
中河はそう言いながら、急遽用意したらしい真新しいデスクを指差す。
そうしながら「甲斐さんも外出だったから、オレにお鉢が回って来た」と笑った。
「ウチは私物の持ち込みもOKだけど、出来るだけキレイに使わないと先輩に怒られちゃうぞ☆」
多分、中河は怒られたんだろうなと推測しながら、尾上はこくりと頷く。
「ありがとう。……ところで、そういう甲斐さんはまだ出勤してないの?」
「そうみたいだね。ここはフレックスだし、まだ校了まで余裕があるからかな。ほら、これが先月号っ」
中河はそう言うと、BL月刊誌『Quartz』を差し出した。
手に取ってみたところ、なかなかの重量と厚みがある。
パラパラとページを捲ってみたら、思った以上にカラーページも多いし、情報誌としても充実していそうだ。
これで900円はお得かもしれない。
「Quartzは電子の方も好調だけど、意外に紙の方も売れてるんだよね。年齢層が上の読者も多く取り込んでいる証拠じゃないかって話だけど」
「ふ~ん、そうなんだ」
「オレが担当している漫画はこれだね」
中河はそう言うと、横から手を出してページを捲った。
「『彼らの東京物語』ってタイトルのヤツ。原作は右近涼真先生、作画は左文字悠斗先生なんだ。二人とも、これから編集部へ打ち合わせに来る予定になってるよ」
中河の説明を聞きながら、尾上は目を見開いて、その美麗な表紙に釘付けになっていた。
(BLって、こんなに画力の優れた漫画家が描くものなのか? なんてレベルの高い……)
「まぁね♪ 創刊号から一位キープって、凄いだろう!」
まるで漫画のようなリアクションに、尾上は毒気を抜かれて思わず苦笑いをする。
ここまで堂々と自慢されては、呆れるよりもむしろ感心するしかない。
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「うんうん、事情は聞いてるから大丈夫だよ。急な話でびっくりしただろう? でも、それはオレ達もなんだな~。ちなみに、オノのデスクはオレが急いで準備したんだぞ」
中河はそう言いながら、急遽用意したらしい真新しいデスクを指差す。
そうしながら「甲斐さんも外出だったから、オレにお鉢が回って来た」と笑った。
「ウチは私物の持ち込みもOKだけど、出来るだけキレイに使わないと先輩に怒られちゃうぞ☆」
多分、中河は怒られたんだろうなと推測しながら、尾上はこくりと頷く。
「ありがとう。……ところで、そういう甲斐さんはまだ出勤してないの?」
「そうみたいだね。ここはフレックスだし、まだ校了まで余裕があるからかな。ほら、これが先月号っ」
中河はそう言うと、BL月刊誌『Quartz』を差し出した。
手に取ってみたところ、なかなかの重量と厚みがある。
パラパラとページを捲ってみたら、思った以上にカラーページも多いし、情報誌としても充実していそうだ。
これで900円はお得かもしれない。
「Quartzは電子の方も好調だけど、意外に紙の方も売れてるんだよね。年齢層が上の読者も多く取り込んでいる証拠じゃないかって話だけど」
「ふ~ん、そうなんだ」
「オレが担当している漫画はこれだね」
中河はそう言うと、横から手を出してページを捲った。
「『彼らの東京物語』ってタイトルのヤツ。原作は右近涼真先生、作画は左文字悠斗先生なんだ。二人とも、これから編集部へ打ち合わせに来る予定になってるよ」
中河の説明を聞きながら、尾上は目を見開いて、その美麗な表紙に釘付けになっていた。
(BLって、こんなに画力の優れた漫画家が描くものなのか? なんてレベルの高い……)
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