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84話 解読不可!
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パトリツィオとのデートも一息つき、聖女は図書館で本の解読を始める事にした。古代文字の解読が進まないのは、文字の構造そのものが原因である。
「ええと…この文字は闇を表していて…」
絵文字なのである。絵だから読むのも簡単だろ!とセラフィーナ達も最初は思っていたのだがそれが違った。絵の並びによって言葉は特定の意味へと変化し、更にその絵の並びに全く規則性が感じられないのだ。
例えるなら、身振り手振りでしか伝わらない言葉が、複雑怪奇なジェスチャーによって構成されていると言った具合である。
「セラフィーナ様、その文字は実は光なのでは?」
「ええっ!?そ、そうなんですかね…」
とまあ、この時代を生きる人達はあらゆる場所でこの手の本を読んではこんな問答を繰り返している状態。解読など進む訳もなく、読み解くのも半分放棄されている状態である。
「ダメだー…読めませんよこれ…ルーチェさん、いっそ魔法専門の人に読んでもらうのはどうでしょうか?」
「まあ…それが妥当ではありますね。魔道本であることが解明されている以上、魔術としての規則性はある筈ですから。…問題は、古代文字にある程度精通していて魔法が得意な人が実在するのか…ですが」
「うぬ……」
七聖闘ならあるいは…とも思ったが、そう都合良く読めるとは思えない。国最強の魔術師であるなら、当然古代魔法の解読にも挑んでいるはず。それでも解読出来ていない状態が続いている以上、彼女でも読み取るのは難しいのだろう。
流石にお手上げ。不気味な古代本は一旦しまっておくことにして、気分転換にティータイムに入ることにしたのだった。青空の下、従者と二人で飲み干すお茶は貴族的な味がした。
「セラフィーナ様、明日の予定ですが…」
不思議そうに眉を寄せるルーチェを見て、セラフィーナも不思議そうに声をかけた。
「はい。…誰か私に用事でも?」
「ええ。珍しい御方が。どうやら、フランカお嬢様がセラフィーナ様に面会を求めているみたいですよ」
「フランカさんが…?」
今のところ、関わるメリットはあまり無いのだが、色々あってある程度は良好な関係が築けて来ているかもしれない。そんな軽い気持ちから、セラフィーナは彼女との面会を承諾する選択がふっと頭に浮かんだ。
その選択が、自分を追い詰めてしまうとも知らずに。
「ええと…この文字は闇を表していて…」
絵文字なのである。絵だから読むのも簡単だろ!とセラフィーナ達も最初は思っていたのだがそれが違った。絵の並びによって言葉は特定の意味へと変化し、更にその絵の並びに全く規則性が感じられないのだ。
例えるなら、身振り手振りでしか伝わらない言葉が、複雑怪奇なジェスチャーによって構成されていると言った具合である。
「セラフィーナ様、その文字は実は光なのでは?」
「ええっ!?そ、そうなんですかね…」
とまあ、この時代を生きる人達はあらゆる場所でこの手の本を読んではこんな問答を繰り返している状態。解読など進む訳もなく、読み解くのも半分放棄されている状態である。
「ダメだー…読めませんよこれ…ルーチェさん、いっそ魔法専門の人に読んでもらうのはどうでしょうか?」
「まあ…それが妥当ではありますね。魔道本であることが解明されている以上、魔術としての規則性はある筈ですから。…問題は、古代文字にある程度精通していて魔法が得意な人が実在するのか…ですが」
「うぬ……」
七聖闘ならあるいは…とも思ったが、そう都合良く読めるとは思えない。国最強の魔術師であるなら、当然古代魔法の解読にも挑んでいるはず。それでも解読出来ていない状態が続いている以上、彼女でも読み取るのは難しいのだろう。
流石にお手上げ。不気味な古代本は一旦しまっておくことにして、気分転換にティータイムに入ることにしたのだった。青空の下、従者と二人で飲み干すお茶は貴族的な味がした。
「セラフィーナ様、明日の予定ですが…」
不思議そうに眉を寄せるルーチェを見て、セラフィーナも不思議そうに声をかけた。
「はい。…誰か私に用事でも?」
「ええ。珍しい御方が。どうやら、フランカお嬢様がセラフィーナ様に面会を求めているみたいですよ」
「フランカさんが…?」
今のところ、関わるメリットはあまり無いのだが、色々あってある程度は良好な関係が築けて来ているかもしれない。そんな軽い気持ちから、セラフィーナは彼女との面会を承諾する選択がふっと頭に浮かんだ。
その選択が、自分を追い詰めてしまうとも知らずに。
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