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64話 ライバル出現
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【WARNING!WARNING!】
「えっ……?」
言うなれば、恐るべき推理力。ただの一言で彼女は用意してきた数々の嘘を一撃で踏破し、聖女の真実を矢で貫いていた。
「貴女は…男性ではありませんか?」
「や、やだなー。そんな事はありませんよ。私は女性ですよ。れっきとした」
高鳴る心臓を必死に抑え込み、軽く愛想笑いをしてみせる。だが、頭の中のサイレンは鳴り止まない。探偵の訝しげな瞳は、動揺しているセラフィーナの身体をじっと見つめていた。見かねたルーチェが、彼女の前に割って入る。
「フィンさん。いくらなんでも失礼すぎますよ。それが女性に対する質問ですか?」
「…申し訳御座いません。仕事柄、気になった事は追求しないと気が済まないタチでして…」
「気になっても聞いて良い事と悪いことがありますよ。セラフィーナ様とお話するのは世間話くらいにして下さい」
「そうですね。踏み入った質問をし過ぎました。ですが、私は本当に気になっているんですよ。ラガザハートさん。貴方の正体が何者なのか」
「(正体?何言ってんだ?セラフィーナ様はセラフィーナ様だろ…?)」
探偵の横で不思議そうに思案する。不意をつかれて混乱していたセラフィーナに、畳み掛けるようにまくし立てる。
「私、貴女の大ファンで、貴女の事を調べたんですよ。セラフィーナ・ラガザハートさん。貴女の事を知れる度に嬉しかったですし、楽しかった。…けど」
「…いくら調べても、貴女に関する記述がブッツリと途切れているんです。三年前から。今はこんな大人気な聖女様なのに、どうして出自が分からないのか…」
「…一人のファンとして…いえ。探偵として教えて欲しいのです。貴女の過去を!」
その顔は、真剣そのものだった。彼女は疑惑の瞳をこちらに向けてこそいるが、瞳の底は正義の為に輝いている。あくまでも仕事として、この謎に挑戦したいと思っているらしい。
「貴方の熱意はよく分かりましたよ。フィンさん。ですが、聖女の情報はそう簡単に教える訳にはいかないんですよ」
「(そうそう、それで突っぱねちゃって。セラフィーナさん)」
ですが、とつけ加えてセラフィーナは微笑んだ。
「貴方が私の事を訪ねてきて下さるなら、時間をとってお話しましょう」
「えっ!?セラフィーナさん、何を言ってるんですか…!」
「良いじゃないですか、ルーチェさん。私は身の潔白を証明する。貴方は私の秘密を探る。私の家の庭で、お茶でも飲みながら、のんびり議論しましょう」
セラフィーナは即座に判断した。真正面から挑んでくるその度胸。正義の為なら、大好きな人さえ疑いの目を向けるその誠実さ。そして、甲高くなり続けるサイレン。総合的に見て、セラフィーナは本能的に判断したのだ。
彼女からは逃げられない。ならば、逃げ腰を見せるだけで彼女に余計なヒントを与えてしまう。だったら、悟られぬよう虚勢を張り、嘘をより立派な嘘へと昇華させる。
「…良いのですか?捜査になったら、私はしつこいですよ?」
「構いませんよ。ですが…訪問は週に一回くらいだと嬉しいですね。私ってほら、忙しいですから」
にへへ、と笑いかける。セラフィーナの返答に、探偵は勢い良く頭を下げた。
「…わかりました。ありがとうございます」
「(……そういう事…!?)」
ルーチェはというと、セラフィーナの手腕に思わず感銘を受けていた。ここで普通に逃げてしまえば、彼女は更にセラフィーナを追求して来るだろう。下手を打てば、探偵の立場を使ってより強硬な手段で捜査に来るかもしれない。
だが、真正面から受けて立つと言い、その上で勝負の時間をあらかじめこちらが決めてしまえば、どうだろう。質問時間が予め決められる為、セラフィーナの真実に近付く可能性は薄まり、更に今回のような不意打ちを許さない布陣を作り上げられる。完璧な選択だ。
「では、日を改めてお伺いします。その時は、よろしくお願いいたします」
「はい。お待ちしております」
ふふっと笑って、馬車へと乗り込んで行く。その堂々たる姿に呆気に取られる従者二人をちらっと見てから、探偵も一歩遅れて別れの挨拶を贈った。
「…では、失礼します。急な訪問、申し訳ありませんでした」
探偵が去った後に、ルーチェは眉を寄せて困ったように馬車へと乗り込むのだった。
…
「ぶはー!びっくりしたー!」
「驚いたわ…まさか、セラフィーナの隠し事に気付く人物が出てくるなんて…!」
部屋に戻って、今日の反省会。アルヴェル子ちゃんは馬のお世話とチャールズの相手があるので、別の部屋で従者達に可愛い可愛い言われて顔を赤くしてる。
「うん…まさか、僕の出自について調べてくるなんてね」
ジョット・バルハートが本格的に女性となったのは、今から三年前。自分が男性である事を悟られぬよう、名前をセラフィーナ・ラガザハートへと改名した。当然、セラフィーナという存在はその日以降にしか存在しない。
「けど、アンタの対応は凄かったわ。伊達に三年間誰にもバレてないだけあるわね」
「あはは、ありがとう。あの時はそうするしか無いと思って、咄嗟に安全な方法を思い付いたんだ」
「機転が利くのね…驚いたわ。でも…まだ安全とは言えないわね。一週間に一度とはいえ、彼女に追求される事になるんでしょう?貴女の三年前を」
「そうだね…僕の過去なんて、正直言って誰も不審がらないと思ってたよ。困ったな…」
ジョットがセラフィーナに転身した事を知っているのは、自分を養っていた教会の司祭と、後から気付いた親友のルーチェのみ。ジョットは仕事で他の国の冒険者になった事になっているのだ。むむむ、と思案する彼に、ルーチェは思わず不思議な視線を向けた。
「……ジョット君、思ったより落ち着いてるわね?いつものアンタなら、あわあわ慌ててボロを出すのがオチでしょ?」
「そうかな?結構慌ててるんだけど…」
「嘘よ。いくら機転が利くとはいえ…あんなテキパキ対応出来るはずがないわ。何かタネがあるんでしょ」
むぅーっと疑いの目を向けてくる。タジタジになったセラフィーナは、参ったなーと目を泳がせてから、観念して話すことにした。
「ルーチェには敵わないや。君の言う通りだよ。僕は自分の過去に触れられた時どうするか、頭の中でずっと考えてた。だから咄嗟に対応出来たんだよ」
やっぱりね、と肩をすくめるルーチェ。だから大丈夫。とは言い切れないが、セラフィーナの顔には幾分か余裕があった。勝負を受けると言ったのも、自分の策に絶対の自信があったからだろう。
「…けど、そんなに落ち着いてるって事は、よっぽど凄い隠し方なのよね?」
「うん。フィンさんがどんなに凄い名探偵でも、きっと騙し通せるはず。…受けて立ちますよ。桃色の探偵さん」
窓際に佇み、夜空の月をじっと見つめる。月は薄い霧で霞んで見えた。もう一つ窓を挟んで、同じ月を見上げる探偵が、自分を躍起させるように力強く呟いた。
「貴女が何者なのか、絶対に突き止めます。勝負です。聖女、セラフィーナ・ラガザハートさん」
「えっ……?」
言うなれば、恐るべき推理力。ただの一言で彼女は用意してきた数々の嘘を一撃で踏破し、聖女の真実を矢で貫いていた。
「貴女は…男性ではありませんか?」
「や、やだなー。そんな事はありませんよ。私は女性ですよ。れっきとした」
高鳴る心臓を必死に抑え込み、軽く愛想笑いをしてみせる。だが、頭の中のサイレンは鳴り止まない。探偵の訝しげな瞳は、動揺しているセラフィーナの身体をじっと見つめていた。見かねたルーチェが、彼女の前に割って入る。
「フィンさん。いくらなんでも失礼すぎますよ。それが女性に対する質問ですか?」
「…申し訳御座いません。仕事柄、気になった事は追求しないと気が済まないタチでして…」
「気になっても聞いて良い事と悪いことがありますよ。セラフィーナ様とお話するのは世間話くらいにして下さい」
「そうですね。踏み入った質問をし過ぎました。ですが、私は本当に気になっているんですよ。ラガザハートさん。貴方の正体が何者なのか」
「(正体?何言ってんだ?セラフィーナ様はセラフィーナ様だろ…?)」
探偵の横で不思議そうに思案する。不意をつかれて混乱していたセラフィーナに、畳み掛けるようにまくし立てる。
「私、貴女の大ファンで、貴女の事を調べたんですよ。セラフィーナ・ラガザハートさん。貴女の事を知れる度に嬉しかったですし、楽しかった。…けど」
「…いくら調べても、貴女に関する記述がブッツリと途切れているんです。三年前から。今はこんな大人気な聖女様なのに、どうして出自が分からないのか…」
「…一人のファンとして…いえ。探偵として教えて欲しいのです。貴女の過去を!」
その顔は、真剣そのものだった。彼女は疑惑の瞳をこちらに向けてこそいるが、瞳の底は正義の為に輝いている。あくまでも仕事として、この謎に挑戦したいと思っているらしい。
「貴方の熱意はよく分かりましたよ。フィンさん。ですが、聖女の情報はそう簡単に教える訳にはいかないんですよ」
「(そうそう、それで突っぱねちゃって。セラフィーナさん)」
ですが、とつけ加えてセラフィーナは微笑んだ。
「貴方が私の事を訪ねてきて下さるなら、時間をとってお話しましょう」
「えっ!?セラフィーナさん、何を言ってるんですか…!」
「良いじゃないですか、ルーチェさん。私は身の潔白を証明する。貴方は私の秘密を探る。私の家の庭で、お茶でも飲みながら、のんびり議論しましょう」
セラフィーナは即座に判断した。真正面から挑んでくるその度胸。正義の為なら、大好きな人さえ疑いの目を向けるその誠実さ。そして、甲高くなり続けるサイレン。総合的に見て、セラフィーナは本能的に判断したのだ。
彼女からは逃げられない。ならば、逃げ腰を見せるだけで彼女に余計なヒントを与えてしまう。だったら、悟られぬよう虚勢を張り、嘘をより立派な嘘へと昇華させる。
「…良いのですか?捜査になったら、私はしつこいですよ?」
「構いませんよ。ですが…訪問は週に一回くらいだと嬉しいですね。私ってほら、忙しいですから」
にへへ、と笑いかける。セラフィーナの返答に、探偵は勢い良く頭を下げた。
「…わかりました。ありがとうございます」
「(……そういう事…!?)」
ルーチェはというと、セラフィーナの手腕に思わず感銘を受けていた。ここで普通に逃げてしまえば、彼女は更にセラフィーナを追求して来るだろう。下手を打てば、探偵の立場を使ってより強硬な手段で捜査に来るかもしれない。
だが、真正面から受けて立つと言い、その上で勝負の時間をあらかじめこちらが決めてしまえば、どうだろう。質問時間が予め決められる為、セラフィーナの真実に近付く可能性は薄まり、更に今回のような不意打ちを許さない布陣を作り上げられる。完璧な選択だ。
「では、日を改めてお伺いします。その時は、よろしくお願いいたします」
「はい。お待ちしております」
ふふっと笑って、馬車へと乗り込んで行く。その堂々たる姿に呆気に取られる従者二人をちらっと見てから、探偵も一歩遅れて別れの挨拶を贈った。
「…では、失礼します。急な訪問、申し訳ありませんでした」
探偵が去った後に、ルーチェは眉を寄せて困ったように馬車へと乗り込むのだった。
…
「ぶはー!びっくりしたー!」
「驚いたわ…まさか、セラフィーナの隠し事に気付く人物が出てくるなんて…!」
部屋に戻って、今日の反省会。アルヴェル子ちゃんは馬のお世話とチャールズの相手があるので、別の部屋で従者達に可愛い可愛い言われて顔を赤くしてる。
「うん…まさか、僕の出自について調べてくるなんてね」
ジョット・バルハートが本格的に女性となったのは、今から三年前。自分が男性である事を悟られぬよう、名前をセラフィーナ・ラガザハートへと改名した。当然、セラフィーナという存在はその日以降にしか存在しない。
「けど、アンタの対応は凄かったわ。伊達に三年間誰にもバレてないだけあるわね」
「あはは、ありがとう。あの時はそうするしか無いと思って、咄嗟に安全な方法を思い付いたんだ」
「機転が利くのね…驚いたわ。でも…まだ安全とは言えないわね。一週間に一度とはいえ、彼女に追求される事になるんでしょう?貴女の三年前を」
「そうだね…僕の過去なんて、正直言って誰も不審がらないと思ってたよ。困ったな…」
ジョットがセラフィーナに転身した事を知っているのは、自分を養っていた教会の司祭と、後から気付いた親友のルーチェのみ。ジョットは仕事で他の国の冒険者になった事になっているのだ。むむむ、と思案する彼に、ルーチェは思わず不思議な視線を向けた。
「……ジョット君、思ったより落ち着いてるわね?いつものアンタなら、あわあわ慌ててボロを出すのがオチでしょ?」
「そうかな?結構慌ててるんだけど…」
「嘘よ。いくら機転が利くとはいえ…あんなテキパキ対応出来るはずがないわ。何かタネがあるんでしょ」
むぅーっと疑いの目を向けてくる。タジタジになったセラフィーナは、参ったなーと目を泳がせてから、観念して話すことにした。
「ルーチェには敵わないや。君の言う通りだよ。僕は自分の過去に触れられた時どうするか、頭の中でずっと考えてた。だから咄嗟に対応出来たんだよ」
やっぱりね、と肩をすくめるルーチェ。だから大丈夫。とは言い切れないが、セラフィーナの顔には幾分か余裕があった。勝負を受けると言ったのも、自分の策に絶対の自信があったからだろう。
「…けど、そんなに落ち着いてるって事は、よっぽど凄い隠し方なのよね?」
「うん。フィンさんがどんなに凄い名探偵でも、きっと騙し通せるはず。…受けて立ちますよ。桃色の探偵さん」
窓際に佇み、夜空の月をじっと見つめる。月は薄い霧で霞んで見えた。もう一つ窓を挟んで、同じ月を見上げる探偵が、自分を躍起させるように力強く呟いた。
「貴女が何者なのか、絶対に突き止めます。勝負です。聖女、セラフィーナ・ラガザハートさん」
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