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44話 ルージュ・ストーン
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武器屋中枢、鍛冶屋部門。ここでは国じゅうから刀剣作成を行う鍛冶職人や、魔術武具精錬を行う賢者達が集う仕事場であり、年中多くの人々が集って仕事や購入に力を注いでいる。
「ここが杖を精錬してくれる魔杖場ですね!どうすれば私に合った杖が見つかりますかね!」
わくわく。嬉しそうに会場を歩くセラフィーナ。しかし隣を歩くルーチェの顔は暗そうだ。というのも、杖の製造にはちょっとした問題点があるのだ。
「セラフィーナ様、ここまで連れてきておいて申し訳無いのですが…武具精錬は自分に合った魔石を用意しないと作ってくれないんですよ」
「ええぇぇぇー!?じゃあここに来なくても良かったじゃないですかー!?」
「いえ。ここにも魔石はあるんですよ。まだセラフィーナ様が試していない魔石が何個か…ただ…」
「なんだ、あるんじゃないですか!ふふ、試したいですね~」
もう杖に夢中で、周りのことがあまり見えていない様子。そんなこんなで魔石のコーナーにやってくるが、そこでセラフィーナはぱちくりと目を丸くした。
「えっと……彼女は何をしてるんですか…?」
「見ての通り…魔石を精錬しています」
「え、え、ええええ…!?///」
彼女が顔を赤くするのも無理はない。武具を精錬する賢者、彼女はとても色っぽい仕草で、手元にある魔石にちゅっと熱いベーゼを仕掛けているのだから。
「あら、いらっしゃい。私のルージュ・ストーンに興味があるのかしら?」
彼女は二人の気配に気付くと、座っていた綺麗な白のベッドから立ち上がって二人を見つめた。その妖艶な仕草に、セラフィーナの素の部分がドキリと反応する。
「あ、は、え…と……その…///」
「はい。彼女、魔石に困っていまして。貴女のルージュ・ストーンなら反応するかと思ってこちらへ」
「へえー、魔石が見つからないなんて珍しいわね。お話聞かせてくれる?」
しどろもどろなセラフィーナと共に、ルーチェはそのエロティックな女性と話を始める。彼女の名は、ジュスタ。この鍛冶場で武具を精錬する賢者のひとりであり、特殊な魔石「ルージュ・ストーン」を形成するのが彼女の担当。
ルージュ・ストーン。名前の通り、キスマークの入っている石であり、キスマークには特殊な魔術がかけられている。普通の魔石よりもより強力な魔石。発動条件に「ある制約」がかかる代わりに、強力な力を使役できるのである。
セラフィーナ達は、男の娘である事を除いて、ことの事情をおおまかに説明した。聖属性持ちで、杖が合わない事情を。
「…なるほどねぇ。聖属性の魔力持ちなんて面白い子…それじゃあ、しちゃうけど…良い?」
「ちょっと確認取ります。…セラフィーナさん、少しお話を」
「はい…?確認って…なにをなさるんですか?」
「貴女の魔力に合ったストーンを調べる為に、あの人に魔力を調べて貰うんです。…ここで」
ピッ、とセラフィーナの唇に指をあてる。どういうこと?と聖女は少し迷っていたが、さっきのエロティックな雰囲気と、ルージュ・ストーンという名前からどういう意味か何となく察してくる。ちらっと彼女の方を見ると、それはそれは嬉しそうに微笑んでいる。
「だ、ダメですダメです!わ、私、そんな簡単にキ……接吻はできないです!///」
「まあ、そう言うとは思いましたよ。…しかしセラフィーナ様、ルージュ・ストーン以外、もうここに魔石は残ってないんですよ。チョメチョメしないなら杖は諦める事に…下手したら……」
「ううっ…!」
それは流石に勘弁だ。…でも、キスは流石に恥ずかしい。パトリツィオに迫られた時も凄い恥ずかしかったし、本当にキスなんてされたらぶっ倒れてしまいそうだ。ましてや、あんなセクシーなお姉さん。されただけで卒倒してしまうかもしれない。だが、生き残りたければやるしかない。
「もちろん、嫌なら止めても大丈夫ですよ。なにか他の手段でも…」
「…いえ、大丈夫ですルーチェさん……お、お願いします…!///」
キスされてでも、生き残らないとダメだ。自分はその為に生き返らせてもらったはずなんだから。覚悟を決めて、強く彼女の方を見つめた。
「OKだそうです」
「あら、本当に良いの?大切なファースト・キスなんでしょ?」
「そ、それを投げうってでも……杖が欲しいんです…!///」
「…そう。うふふ、いい顔ね。気に入ったわ」
「ひゃ……///」
ぽんぽん、と優しくセラフィーナの頭を撫でる。それだけでもう、彼はメロメロだ。ドキドキと胸を高鳴らせ、顔を真っ赤にしてお姉さんの方を向く。彼女はカチカチに固まってしまったセラフィーナに近寄り、耳元で囁いた。
「大丈夫。お姉さんに任せて。じっとしてればすぐに済むから……」
「は、はい…!///」
そして、セラフィーナはあっという間にベッドに連れ込まれてしまう。華奢な彼女の身体に覆い被さるように、ジュスタはベッドにその身を預ける。
「かわいい。…さあ、目を閉じて…」
「はうぅ……///」
目を閉じ、世界は一気に暗転する。ハァハァと荒い自分の息遣いが、興奮しているという事実を認め、余計に興奮してしまう。強ばる身体を宥めるように、ジュスタの手が優しく触れる。
「セラフィーナさん、杖のため、我慢我慢です」
「はぃ…///」
つつ、と優しく前髪を避けて、キスをしやすい様に整える。そのまま、両手で顔を優しく挟むと、ぷっくりとした美しい唇をそっと開いて、顔を近付けていく。
「楽にしててね、すぐに終わるから。じゃあ、いただきまーす…」
そして、彼女は美味しく頂かれた。
「ここが杖を精錬してくれる魔杖場ですね!どうすれば私に合った杖が見つかりますかね!」
わくわく。嬉しそうに会場を歩くセラフィーナ。しかし隣を歩くルーチェの顔は暗そうだ。というのも、杖の製造にはちょっとした問題点があるのだ。
「セラフィーナ様、ここまで連れてきておいて申し訳無いのですが…武具精錬は自分に合った魔石を用意しないと作ってくれないんですよ」
「ええぇぇぇー!?じゃあここに来なくても良かったじゃないですかー!?」
「いえ。ここにも魔石はあるんですよ。まだセラフィーナ様が試していない魔石が何個か…ただ…」
「なんだ、あるんじゃないですか!ふふ、試したいですね~」
もう杖に夢中で、周りのことがあまり見えていない様子。そんなこんなで魔石のコーナーにやってくるが、そこでセラフィーナはぱちくりと目を丸くした。
「えっと……彼女は何をしてるんですか…?」
「見ての通り…魔石を精錬しています」
「え、え、ええええ…!?///」
彼女が顔を赤くするのも無理はない。武具を精錬する賢者、彼女はとても色っぽい仕草で、手元にある魔石にちゅっと熱いベーゼを仕掛けているのだから。
「あら、いらっしゃい。私のルージュ・ストーンに興味があるのかしら?」
彼女は二人の気配に気付くと、座っていた綺麗な白のベッドから立ち上がって二人を見つめた。その妖艶な仕草に、セラフィーナの素の部分がドキリと反応する。
「あ、は、え…と……その…///」
「はい。彼女、魔石に困っていまして。貴女のルージュ・ストーンなら反応するかと思ってこちらへ」
「へえー、魔石が見つからないなんて珍しいわね。お話聞かせてくれる?」
しどろもどろなセラフィーナと共に、ルーチェはそのエロティックな女性と話を始める。彼女の名は、ジュスタ。この鍛冶場で武具を精錬する賢者のひとりであり、特殊な魔石「ルージュ・ストーン」を形成するのが彼女の担当。
ルージュ・ストーン。名前の通り、キスマークの入っている石であり、キスマークには特殊な魔術がかけられている。普通の魔石よりもより強力な魔石。発動条件に「ある制約」がかかる代わりに、強力な力を使役できるのである。
セラフィーナ達は、男の娘である事を除いて、ことの事情をおおまかに説明した。聖属性持ちで、杖が合わない事情を。
「…なるほどねぇ。聖属性の魔力持ちなんて面白い子…それじゃあ、しちゃうけど…良い?」
「ちょっと確認取ります。…セラフィーナさん、少しお話を」
「はい…?確認って…なにをなさるんですか?」
「貴女の魔力に合ったストーンを調べる為に、あの人に魔力を調べて貰うんです。…ここで」
ピッ、とセラフィーナの唇に指をあてる。どういうこと?と聖女は少し迷っていたが、さっきのエロティックな雰囲気と、ルージュ・ストーンという名前からどういう意味か何となく察してくる。ちらっと彼女の方を見ると、それはそれは嬉しそうに微笑んでいる。
「だ、ダメですダメです!わ、私、そんな簡単にキ……接吻はできないです!///」
「まあ、そう言うとは思いましたよ。…しかしセラフィーナ様、ルージュ・ストーン以外、もうここに魔石は残ってないんですよ。チョメチョメしないなら杖は諦める事に…下手したら……」
「ううっ…!」
それは流石に勘弁だ。…でも、キスは流石に恥ずかしい。パトリツィオに迫られた時も凄い恥ずかしかったし、本当にキスなんてされたらぶっ倒れてしまいそうだ。ましてや、あんなセクシーなお姉さん。されただけで卒倒してしまうかもしれない。だが、生き残りたければやるしかない。
「もちろん、嫌なら止めても大丈夫ですよ。なにか他の手段でも…」
「…いえ、大丈夫ですルーチェさん……お、お願いします…!///」
キスされてでも、生き残らないとダメだ。自分はその為に生き返らせてもらったはずなんだから。覚悟を決めて、強く彼女の方を見つめた。
「OKだそうです」
「あら、本当に良いの?大切なファースト・キスなんでしょ?」
「そ、それを投げうってでも……杖が欲しいんです…!///」
「…そう。うふふ、いい顔ね。気に入ったわ」
「ひゃ……///」
ぽんぽん、と優しくセラフィーナの頭を撫でる。それだけでもう、彼はメロメロだ。ドキドキと胸を高鳴らせ、顔を真っ赤にしてお姉さんの方を向く。彼女はカチカチに固まってしまったセラフィーナに近寄り、耳元で囁いた。
「大丈夫。お姉さんに任せて。じっとしてればすぐに済むから……」
「は、はい…!///」
そして、セラフィーナはあっという間にベッドに連れ込まれてしまう。華奢な彼女の身体に覆い被さるように、ジュスタはベッドにその身を預ける。
「かわいい。…さあ、目を閉じて…」
「はうぅ……///」
目を閉じ、世界は一気に暗転する。ハァハァと荒い自分の息遣いが、興奮しているという事実を認め、余計に興奮してしまう。強ばる身体を宥めるように、ジュスタの手が優しく触れる。
「セラフィーナさん、杖のため、我慢我慢です」
「はぃ…///」
つつ、と優しく前髪を避けて、キスをしやすい様に整える。そのまま、両手で顔を優しく挟むと、ぷっくりとした美しい唇をそっと開いて、顔を近付けていく。
「楽にしててね、すぐに終わるから。じゃあ、いただきまーす…」
そして、彼女は美味しく頂かれた。
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